HeadFiにTyl Hertsenがこの業界から引退したという記事がJudeによって投稿されています。
昔からのファンにはおなじみのアロハシャツの名物おじさんのような人ですね。
https://www.head-fi.org/threads/a-headphone-tribute-goodbye-to-tyll-from-innerfidelity.879586/page-4#post-14239641
これに合わせてJudeが当時(2001年頃)の話をしていますが、Headfiの前にあったHeadWiseというフォーラムでのHeadroom主催のコンテストでJudeが射止めたHeadroomの景品からヘッドホン熱があがった、ということなどが書かれています。おそらくオンラインでヘッドフォン関連を売る、アンプを自ら開発するという点では世界初だったのがHeadroomです。
いまでは日本の大手メーカーもバランス駆動を普通に採用していますが、その先駆者もHeadroomでした。もともとはHeadroomのヘッドフォンアンプを二大連結してBTL駆動するというコンセプトのもので、3ピンXLR端子が二股に分かれたバランス端子はそれゆえです。
DAC内蔵のポータブルヘッドフォンアンプも、ポータブルの単体DACなるものも、さきがけはHeadroomです。
Tyl Hertsenはその後にHeadroomを辞めてInnerFidelityというサイトでジャーナリストとして活躍していました。そこでも引退の記事が載っています。
引退後はモバイルホームのような車で気ままに暮らしたいみたいに書いてあります。
また引退の理由として、もう耳が老いてしまったということや、25年もいろいろ書いてきて燃え尽きた、もう自分の使命は果たしたということも書いています。そして自分は根っからの冒険者であり、自然の中を旅したいんだ、ということも。事実そうした冒険者マインドがこのパーソナルオーディオという分野を切り開いてきたんでしょう。
https://www.innerfidelity.com/content/thats-itim-out
InnerFidelity自体は続くようです。私も少し前にTyl Hertsenにヘッドフォン祭に来ませんか、と誘ったのですが(レイ・サミュエルズとか誘ったころ)、残念ながら実現しませんでした。
一方のHeadroomでは最近アンプを作ったりメンバーがヘッドホン祭に来てたりしてましたが、最近またフォーラムを作って活動再開しようとしてます。
https://forum.headphone.com
このパーソナルオーディオ界隈でアンプというとは私とかはアメリカの製造するアンプを思い浮かべますが、いまではめっきり低調になっています(HeadAmpなんかはいまでもやってますが)。
ちょっとさみしい気もしますので、なにかまたはじまれば良いのですが。