Music TO GO!

2017年12月06日

Chord Polyのインプレと使いこなしについて

Chord Mojoをネットワーク対応させるモジュールのPolyがいよいよ日本でも発売されます。
私は先行して少し使っていましたが、音質や使い勝手でMojoが生まれ変わった感じです。

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* Poly + Mojoの音質と使い勝手

まずスマホとの親和性が良いのが感心します。Polyでは機能よりもやることベースで考えたほうがよいと思いますが、たとえばわたしは朝にストリーミングでBandcampの新作の"エアチェック"をします。たいていBTイヤフォンでやっていましたが、PolyならAirPlayでiPhoneのストリーミング音楽をMojoに飛ばして良い音で聴くことができます。
エアチェックが終わると手持ちの曲をデジタルプレーヤーで聴いていましたが、それは手持ち曲をMicroSDに入れてPolyのMPD機能でiPhoneからケーブルレスで操作してMojoで聴くことができます。AKプレーヤーに入れていたMicroSDがそのまま使えました。
さらにはAKプレーヤーの中の曲をDLNAサーバーに指定して、Polyをレンダラーにして聴くことができます。操作はiPhoneでできます。
家に帰ればRoonを立ち上げて、家のPCのRoonライブラリの音楽をMojoで聴くことができます。

このように高い利便性もPolyの魅力ですが、Polyではその音質に驚くことでしょう。
いままでMoJoで聴いた中で一番良い音で、音像が引き締まって、音が整っています。シャープで特に低音域が緩みないのはジッターも少ないあかしだと思いますし、Mojoが本来性能を発揮してイヤフォンを駆動してる感もあります。Polyのポイントはハードの作り込みがラズパイ流用みたいなせこいものでなく、航空宇宙レベルの基板実装とかハードとソフトの作り込みがすごいことです。専用トランスポートって言ってよいレベルだと思います。
そこはChordの矜持だと思うし、これがほんとうのMojoの音かと思いますね。

* Poly + Mojoの使い方

一方でPolyは慣れるとスマホとの組み合わせでとても便利に使えますが、とっかかり分かりにくい点があるので、少し私なりに解説したいと思います。個人的に見つけたことを書いてるので、マニュアルと異なる点があってもこの記事をもとに代理店や販売店さんには問い合わせないでください。
ちなみに書いている時点のPolyの最新ファームは1.0.6(2017/12/6現在)です。スマートフォンはiPhone XにiOS11を使用しています。
設定はGoFigure設定アプリを使わない場合の方法です(まだGoFigureは無いようです)。

1. 動作モードと初期設定

まずPolyには動作モードがあります。
初期設定を行うアクセスモード、外部ネットワークにつなぐネットワークモード、Polyがネットワークをホストするホットスポットモードです。
この遷移はConfigという孔を添付のピンでつつくことで行われます。つつき方は下記の二通りのようです。(マニュアルには何秒押すと書いてますが、下記の方が確実に思えます)

1-1 ピンでconfigを突く、"モードイズ..."とモード案内音声が聞こえたらピン離す → 現在のモードの確認とipアドレスの確認。音声が流れます。

1-2 ピンでconfigを突く、"モードイズ..."とモード案内音声が聞こえても無視してピン押し続ける、"エンタリングxxxモード"と聞こえたらピン離す → モードの遷移が行われます。

Polyを買ったらまずアクセスモードに入ってください。(1-2)の手順でイヤホンつけてると"エンタリング・アクセスモード"と聴こえます。またはP-Statusが青と緑の交互点滅であればアクセスモードです。
iPhoneのWifi設定でPolyのローカルネット(Poly-xxx)に入ると自動で設定ページが出てきますが、出てこないときはブラウザでpoly.audioと入力してください。
ファイル 2017-12-06 20 49 46.png
マニュアルを参照してネットワーク情報など入力します。
SSIDは自分のWiFiルーターのSSIDとパスワードを入力します。テザリング時はiPhoneなら「設定」→「一般」→「情報」で「名前」がSSID、インターネット共有のところにパスワードが書いてあります。
ネットワークは複数登録できます。一番電波強度の高いネットに自動的に入るようです。
ここではbitperfect modeを選択して、reboot on saveも選んだ方が良いかもしれません。

またPolyの名前もここで入力しますのでBTのみ使う場合でもアクセスモードには入る必要があります。たとえば"MyPoly"はPolyが他から見える名前です。

2. Polyを使う前に知っておいた方が良いこと

M.StatusはMojoのステータス、P.StatusはPolyのステータス。

Polyではひとつのサービス(DLNAやAirPlay)が出力を抑えているときは他のサービスに自動で切り替わりません。
たとえばMPD使おうとして音がでなければAirPlay/BT接続を確認。不具合があるときはコントロールセンターからネットワーク出力先を見て切る。10秒ほど停止して待つか、使っていたアプリを終了させてください。

ボリュームはサービス機能に依存します。AirPlayならiPhoneボリュームもMojoボリュームも効きます。MPDではMojoボリュームのみです。

基本Polyの電源スイッチはなくMojoにつなぐとオン。オフも連動してるが、PolyはコンピュータなのでMojoと違ってすぐに落ちないから少し長く点灯します。

店頭デモの時はまずBTで試し、AirPlayやSDカード再生したければ、ホットスポットモードではいると自分の設定を残さなくて済むと思います。

なおDLNAやMPDなどは対応するすべてのアプリの動作が保障されているわけではないので、下記の代理店さんの互換性リストを参照してください。
http://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_2094.php#3

3. Polyの使い方

Polyでは機能よりもやることベースで考えたほうがよいと思います

iPhoneでストリーミングや内蔵楽曲をPoly + Mojoで聞きたい。
→ Bluetooth - 設定不要で手軽
→ WiFiでAirPlay - iPhoneではAirPlayの方が音が良い

AndroidやAKプレーヤーから使いたい
→ Bluetooth

手持ちのFLACやWAV音源を使いたい。
→ MicroSDに格納してWiFiでMPD
→ WiFiでDLNA(uPnP)

他のAKプレーヤーなどDLNA/uPnP対応機器とつなげたい。
→ WiFiでDLNA

家でDLNAサーバーの音源を聴きたい
→ WiFiでDLNA

家でRoonライブラリの音源を聴きたい
→ WiFiでRoon


3-1. Bluetoothの使い方

PolyではBT優先で常にペアリングモードになっています。
Bluetooth設定はiPhoneのBT設定でMyPolyを見つけてください。

WiFi接続に不具合が出たらBT設定を切ってみてください。
BTの場合は初期設定は不要ですが、MyPolyなど名前は入れたほうがよいです。


3-2. WiFiの使い方

3-2-1. WiFiルータかテザリングがある場合は動作モードでネットワークモードを選んでください

まずはじめに1で書いた初期設定をしてください。ネットワーク設定は初めだけ。次からは電源オンでネットワークモードになるはず。

* AirPlay
ipアドレス自動取得なのですぐ使えます。
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BluetoothとAirPlayの切り替えはiOS11ならコントロールセンターの音楽再生の右上のワイヤレスアイコンをクリックします。(BTとAirPlayの聞き比べとかできます)

* MPD (SDカード再生)
これはPolyに内蔵するMPDというサービスでMicroSDカードの中身の楽曲を再生する機能です。操作にはMPDクライアントというアプリが必要です。MicroSDはAK70で使ってたものがそのまま使えました。AKユーザーはSDカードのフォーマットをあまり気にしないで良いかと思う。
MPDクライアントですが、iPhoneではそれまで定番のMPoDがなくなったので、MPDluxeやSoundirokアプリが使えます。Soundirokは有料ですが、高機能で使いやすいです。Roonっぽいアーティスト情報表示もなかなか良いですね。MPDluxeは無料でシンプルな古風なMPDクライアントです。下記はSoundirok。
ファイル 2017-12-06 21 50 20.png
問題はPolyのipアドレスですが、Polyは自分のipアドレスを喋ります(MPDのため)。ただ聴き取りづらいと思うので、聞き取れなかったらfingアプリで見つけるのが簡単です。
2回目以降もネット内の構成が変わらなければたぶん同じアドレスを使えると思います(ただし保証できない)。
ポートは6600で、パスワードなしです。

再生では5.6M DFFもオーケーです。なお先に書いたようにMPD再生をしてるときにAirPlayに切り替えようとしてもできないので、いったんMPD再生を止めてからAirPlayに切り替えます。

* DLNA

8 PlayerのようなDLNAアプリでDLNAサーバーとレンダラーでそれぞれPolyを指定します。
ファイル 2017-12-06 21 50 35.png
ここですごいのはDLNAサーバーには(例えば)AK380を指定し、レンダラーにPolyを指定することでAK380のライブラリをMojoで出力できることです。音質もとても良いです。
これはまるでAK380をMojoにUSBでつなぐかわりにWIFIでつないでアンプに使っているのと同じですね。もちろんAK380だけでなく、第二世代以降のAK connnectが使えるAKプレーヤーなら良いので、今は使ってないプレーヤーをファイルサーバーというかNASがわりに使うことができます。

* Roon

家ではRoonのライブラリをMojoで再生できます。つまりPolyを装着することでMojoがRoonReadyデバイスとなります。Roonで使うためにはアクセスモードにして設定でRoonを選びます。
polymojo.png  roonpoly2.png
その後にPolyをRoonのネットワークゾーンとして設定します。Roonアプリでリモートでも操作ができます。ここですごいのはRoon側で高精度のアップサンプリングをしてMojoに再生できるということです。

3-2-2. WiFiルータかテザリングの両方ないときはホットスポットモードを使います

アクセスモード同様にiPhoneのWiFi設定からPloy-xxxのネットにはいります。keep in hotspot選択します。
設定ページをキャンセルで閉じて「インターネットに接続せずに使用」を選びます。

3-2-1の場合とipアドレスはかわります、192.168.1.1になると思います。

4. アップデートについて

Polyはファームウェアのアップデートが可能です。やり方はちょっと変わっていて20-30分ネットワークモードでいるとダウンロードして一度切って立ち上げて10-20分経ったら、また切って立ち上げるというものです。

ここまででもPolyのできることのあまりの多様さに驚くと思いますが、PolyはアップグレーダブルでTidalも対応予定にはいっていますのでなかなかに楽しみです。
posted by ささき at 22:41| ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする