好評のAK70に新型が登場します。AK70の後継機としてエントリーを超えたプレミアムモデル、"Your Next Premium"のキャッチフレーズで発表された、その名もAK70 MKIIです。
価格はオープンですが参考の直販価格は79,980円、本日から予約受付開始で発売は10月14日の予定です。
* 改良点
端的にいうとAK70MKIIでは好評だったコンパクトな外観はほぼ変わらず、中身の音質に関する回路部分が大きく向上したと言えます。
AK70からの改良部分は主に下記の2点です。
1. アンプ部の強化
SP1000の回路設計を踏襲してバランス再生時の高出力化と低い歪みを達成しているということです。
Astell & Kernの音の変化の歴史としてはSP1000の音は躍動感という点においてAK70の音の延長にあると言ってもよいかもしれませんが、さらにSP1000のエッセンスがAK70にまたフィードバックされたという感じでしょうか。
2.デュアルDAC化
DAC IC自体は同じくCS4398ですが、DACがデュアル化しました。これでDAC部分に関してはAK240と同じになったということになります。
外観デザインはほぼ同じですが、わずかに大きくなっています。デュアルDAC化のためにバッテリーも増えて再生時間は変わらないということです。
PCM/DSDの再生フォーマットも同じです。BT機能 、USB DAC 、AK connectも同じです。USB端子もMicroBです。
SP1000のときに今後のAstell & Kernの製品はA&なんとかというネーミングになるという話でしたが、今回はAK70と同じラインということで名称変更はないそうです。
* インプレッション
実際に発表会で実機(量産前モデルなので写真のMicroSD表記が逆になっています)を使わせてもらいました。そこで現行のAK70を持って行って音の比較もしてみました。使ったイヤフォンはAZLAで純正バランスケーブルも使用しました。
手に持った感触としては少しだけ重く大きくなったという感じです。見た目にはほとんどわかりません。また外観ではシックにブラック(Noir Black)となりましたが、音質重視という渋い改良ポイントからすると納得できます。またよく見るとボリュームノブのデザインも変わっています。デザインもわずか違うだけだが、高級感が感じられます。
音は標準ケーブル(シングルエンド)で聴いても音に重みが乗っています。しかし、違いがもっともよくわかるのはバランスです。
シングルエンドでも音に重みが乗って聴こえる。よりはっきりした違いがわかるのはバランスだ。音の明瞭感の差がシングルエンドとバランスでは大きく違います。
AZLA純正バランスケーブル使用
AZLAのバランスケーブルで聴くと音質はかなり大きく違って、MkIIの音は力強く熱気が感じられ、楽器音のひとつひとつがより鮮明に聴こえます。MKIIではよりワイドレンジで中高域も鋭くシャープですね。低域もより豊かで躍動感が違います。
バロックバイオリンではAK70では普通のバイオリンと音色が区別できないが、MKIIだと倍音の豊かさと音色の違い、中高音の鋭さも違いがわかります。
MKIIでは弱音の再現性も高く、アカペラの冒頭に息を吸い込む音が入ってるんですが、前のAK70では息吸ってるのがわかるくらいだが、MKIIではリアルで息遣いが強弱まで聞き取れます。
MKIIではAZLAのベースの重みがより魅力的に感じられる。ロックポップではパンチがある。AK70に戻すと軽く気が抜けた感じになる。
AK120を聴いた時にこれならAK200で良かったんじゃないですか、って言ったんですが、今回もAK80とか別の名前にした方が良かったんじゃないかと思います。そのくらい音質部分はグレードアップしていると思います。
ぜひバランス駆動を楽しみたいと思っていたユーザーはこの機会にこの世界に来ることをお勧めします。
* Michelle Limited
またMichelleもリミテッドバージョンが発売されます。
本体デザインを変更してチューニングをし直したモデルです。3Dプリンタから金型(モールド)に変えたことで低価格化をはたしたということで、65980円から49980円に変更になっています。あのMichelleがずいぶんとお得になりました。
左がLtd
それで音質はというと、オリジナルのMichelleと聴き比べてみましたが、より低域が深く豊かでヴォーカルが明瞭でリアルに感じられます。音質は向上していますね。全体に音が変わった感じがするのはユーザーなら比較しなくてもわかるレベルくらいには大きいと思います。
* AK Ripper MKII
AK CD RipperもMkIIとなりました。
本体デザインが一新されたのが大きいように見えますが、中身もTEACのハイファイグレードのCDドライブを採用しているようです。また実際に持ってみると重くてダンパーがしっかりしているので、かなり高級CDプレーヤー感覚があります。見ると結構物欲がわく作りになっています。
消えつつあるCDプレーヤーもこうした形で残っていくのかなとふと思いました。
*追記
9/25日にAK70MKIIおよびMichelle Limitedの先行試聴会を行うということです。詳しくは下記リンクをご覧ください。
http://www.iriver.jp/information/entry_1001.php