これもUE-10や2X-Sのように日本ではあまり語られないポータブル機材です。ヘッドホンアンプですらかなりマイナーな機材ですが、ポータブルのヘッドホンアンプとなるとかなり選択は限られてしまいます。
欧米にはDrHeadのようなポータブルのヘッドフォンアンプとしてPortaCorda(現行は3型)やHeadroomのAirHeadやBitHeadシリーズ、また少しマイナーなものだと小型のMINTやiPodに背負わせられるSimpl A1などがありますが、これらは性能的に言うとどちらかというとエントリークラスのものです。しかしこの世界にもハイエンドのものがあります。それがRay AudioのEmmeline SR-71とXin fengのSuperMacro V3です。
アメリカのこうした会社はたいていガレージメーカーですが、ここでも例に漏れずそれぞれ会社の名前は代表者の名前からきています。欧米のオーディオメーカーは代表オーナーの音決めで大きく個性が変るといいますが、この二社も次のように個性的な対比を見せています。
Emmeline SR-71
Ray Audioのホームページ
http://www.raysamuelsaudio.com/
SR-71は驚くことには恐らく世界最小の電源まで独立した完全デュアルモノ構成のアンプで9V電池を二個(つまりLR別に)使います。乾電池のみの使用ですが電池のもちはかなりよいようです。
オーナーのRay Samuelsという人はこの界隈ではわりと有名な設計者らしく、むこうのフォーラムではたまに名前を見かけます。
SR-71は次に紹介するSuperMacroとは対照的に質実剛健タイプのようでクロスフィードのような機能はありません。筺体はかなりソリッドで入力はミニのみです(RCA端子はない)。
音は刺激的な音を避けた音楽性重視で、デュアルモノの効果か音場は広くクロスフィードのような機能はそれゆえ不要とか。据え置きの中級クラスにも匹敵するようです。
検索するときは"SR-71"だと死ぬほど出るので"Emmeline"をキーワードにつけましょう(笑)
レビューは次のようなページがあります。
http://ipodstudio.com/reviews/showproduct.php/product/74
http://www.6moons.com/audioreviews/emmeline/sr71.html
http://www.enjoythemusic.com/magazine/equipment/0105/emmlinesr71.htm
SuperMacro Version3
Xinのホームページ
http://www.fixup.net/
対してSuperMacroは小型とは思えないほど多機能で、電源は充電池(AAAx8)です。大きさ的にはSuperMacroがSR-71よりやや小さいですが、充電池のために重さは同じと言います。重さは6.5オンスといいますのでだいたい200g弱のようです。こちらはAC電源も使用ができます。(ただしこちらもRCA接続はありません)
特徴としてはオプションが多くて、なんとインピーダンススイッチでER-4Pを4S相当にできるとあります。つまりあの変換ケーブルが不要なわけです。他にも低音ブースト機能やクロスフィード、またゲイン切り替えまであります。
これらのオプションのために専用の基板があるほどです。そのためホームページの写真のように内部は二枚の基板で構成されています。
またホームページにはOPアンプのリストがあって、マニュアルには取り替え方の指示まであります。Head-Fiあたりのレビューを読むとバッファオプションも変えられるようですが、クロスフィードのあるなしはともかく、オペアンプの選択やバッファーオプションと電流やインピーダンスの関係などちょっと専門的な知識がないと選択が分からないという感じです。
それともうひとつの特徴としてバージョンアップが多いこともあげられます。現在は3月に出たばかりのV3が最新で音的な向上がかなりあるようです。音的にはV1のころはかなりダイナミックで高音も低音もメリハリがあったということです。ただしV3になってかなり落ち着いてきたようでHI-FI志向を目指しているようにも思えます。
検索するときは旧名称の"SuperMono"も良いキーワードかもしれません。
レビューは次のようなページがあります。またXinの上記ホームページからもレビューがたどれます。
http://www.misticriver.net/boards/articles.php?action=viewarticle&artid=12
下記にはオペアンプの交換レビューなどもあります。
http://www4.head-fi.org/forums/showthread.php?t=119401
このようにとにかく味のある良い音を聴きたい人はSR-71で、いろいろこりたいひとはSuperMacroという住み分けもありかもしれません。
音については実際聴いてみないと判断できませんが、レビューから推測するとだいたいSR-71とSuperMacroV3はほぼ拮抗で、他のエントリークラスのものとはかなり差があるということのようです。
もうちょっと高いものではHeadRoomのCosmicやRayのXP-7もありますが、このクラスになるとiPodと組み合わせるには大きいということになると思います。ポータブルCDPと組み合わせるなら良いかもしれません。
またRayもXinもより小型のものを製作中とのうわさもあります。
こうした高音質指向のほかの流れとしては小型のヘッドホンアンプへのUSBの搭載があります。これはPCにつけることを前提としたもので、BitHeadやPorta CordaIIIなどがあります。
またポータブルアンプの全リスト?はこのHead-Fiのスレッドにまとめられています。
http://www4.head-fi.org/forums/showthread.php?t=103327
Music TO GO!
2005年06月22日
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とても興味深いメーカーWebsiteを教えていただき感謝致します。
やはりいいモノって存在するものですね。
音を聴いた訳ではないですがピュアオーディオの質感と新しい質感が同居している様にデザインからして見受けられます。
日本には発送しませんから、海外の知人経由日本送りでもって狙ってみようかな?(笑
私はCREEK-OBH21とDrHEAD(改造有り)、試しに買ったオーテクのHA20を使っています。
最初の二機種はなかなかですがHA20は駄目でしたね、、、
ご紹介いただいたWebsiteからHeadRoomのMicroタイプのAmpとDACとを二段使用しようと思い、オーダーしてしまいました、、、
9Vバッテリー×2=20hoursオーバーなので旅行先では充分活用出来るはずです。
幾つかあるメーカーで各々魅力的なんですがCardas製のミニジャックケーブルをオプションしていたのがポイントになりました。
私はRCA×2>>ミニプラグ変換で使いますのでCardasのは買いませんでしたが同社のラインケーブルは好きな音質なので一本所有していました。
最近はMITの1mラインケーブルの細めのものを50cmにカットしてプラグを付けて使っています、、、
有名ブランドのものでも何でも必ず分解してしまう変な癖がありますもんで、つい(笑
MITだとターミネーターの箱なんかがあってカットもむずかしそうですね。最近のZuケーブルなんかはHD650用のケーブルも作ってますからこの辺を楽しむのにいつかHD650も買おうとは思っています。
ポータブルで使うにはケーブルの太さに制限を
付けないとなりません。
私のMITはMITでもケーブルの細めなAv1という
普及品レベルのケーブルになります。
上位のものは太さが半端ではなくポータブル向け
には合致しません、、、
Av1は評価も良かったので買いましたが裏切られる
ことはありませんでした。良かったです。
ターミネーターも小ぶりで9V電池程度のものが
2個付いています。