Music TO GO!

2017年07月11日

ユニークなハイブリッド・ドライバーの新鋭ブランド、AZLA(アズラ)レビュー

韓国の新鋭イヤフォンブランド、AZLAがデビューします。国内ではアユートから発売されます。
AZLAはiriver社で国内営業を統括していたAshully Lee氏が今年立ち上げたブランドで、今回の製品名もブランド名と同じくAZLAとなります。それだけこの初回の製品にこめた思いが強いと言えます。

ファイル 2017-07-09 11 04 22.jpg
AZLA silver

色はLunatic Silver(シルバー)とMeteor Gray(グレイ)の二色があり、透明のシェルの中に見えるドライバーの色とバックカバーの色の違いとなります。価格はオープン(参考直販価格 49,980円税込み)で発売日は調整中ということです。

ファイル 2017-07-09 11 01 48.jpg
AZLA Gray(下)とSilver(上)比較


* 特徴

AZLA(アズラ)とはフランス語のAZUR(天空)とラテン語のLAPIS(石)の「天空のかけら」を意味しているとのことです。ちょっとジブリアニメを連想しますが、これはいままでになかった新しい音の世界を意味しているということで、目指すものは新次元のサウンド、そして聴いて楽しい音を目指して、開放型のようなすっきりとした空間表現と、密閉型のような豊かな低域を両立させることだそうです。
それを実現するため、AZLAには大きな特徴が二つあります。


AZLA テクノロジー イメージ動画

1. BAとダイナミックの同軸ハイブリッドドライバー構成を採用 (BED)

AZLAはBAドライバーとダイナミックドライバーを同軸で組み合わせたハイブリッド構成を採用しています。このためにふたつのドライバーの位相差を減らすことができるとのこと。これはあたかもシングルドライバーのようにふるまえるということで、音場とか立体感で有利になるでしょう。
ドライバーの担当はダイナミックドライバーはフルレンジ的な使用をし、BAドライバーは中高域を担当しているということです。

BED02.jpg
BAとダイナミックドライバーの同軸配置

ドライバーはDynamic Motionの協力を得ているということで、ダイナミックドライバーは11mmでダイアフラムの素材は2層素材を特徴としているということです。また同軸の構造についても、磁石でなく振動板に特色があって他メーカーとは異なる独自の特徴があるということです。

2. 中は開放、外は密閉の独自のエアフロー技術 (Infinity sound technology)

イヤフォンはドライバーとシェルの二重構造になっていて、中のドライバーユニットにはダイナミックドライバーを効率よく動かすための空気抜きのベント(ポート)がありますが、透明の外殻(シェル)にはベントがありません。つまりイヤフォンの形式としては密閉型ですが、ドライバーの外に適当な空間があって、そこがチャンバー(空気室)のようになって、ダイナミックドライバーの背圧を適度に逃がして効率が高まるようです。これでクリーンなベースが確保できるということです。

infinity_sound_technology01.jpg
ハウジング内のエアフローの概念図

この二つの技術によって作られたドライバーをInfinity driverと呼ぶそうです。中のドライバーはアルミの切削加工による2ピース構成で、シェルはUV加工されたポリカーボネイト製です。ポリカーボネイトはイヤフォンに使われる一般的なシェルの材質よりも加工は難しいが、より傷に強く透明度が高くてきれいということで採用したということです。

07_REN.png
イヤフォン構造

また隠れたところでは内部のケーブルも芯の数が多いものを採用しているのがひそかなポイントだそうです。

ファイル 2017-07-09 10 59 41.jpg
AZLA Gray

またメインのドライバー以外でもマニアックなこだわりを見せているところがAZLAのポイントです。
最近では標準ケーブルに高級ケーブルをはじめから添付する例が増えていますが、AZLAでも香港Labkable(ラブケーブル)社製のSilver Galaxy Mix MKIIをベースにしたAZLA専用設計のケーブルが標準でついてきます。これは高純度銀と6N OFCのハイブリッドで、単体で買ったとしてもそれなりの価格になりそうです。2.5mm 4極版もそう遅くない時期に出すということです。

それにポータブルオーディオ界隈で良く使われるDignis製のイヤフォンケースも付属してきます。
ファブリック製のケースは撥水加工のあるコーティングがなされ、内部の仕切りにも工夫があるのがポイントだそうです。

* インプレッション

外観は近未来的なカッコ良さがあり、インナードライバーのアルミとアウターシェルの透明なポリカーボネイトが良い組み合わせです。標準でリケーブルされたような高級ケーブルが付いてくるのも良いですね。
装着感は良好で、シェルが耳にすぽっと入るのもきちんと固定されている感じがあります。

ファイル 2017-07-09 11 06 08.jpg
AZLA silver, AK70

再生のリファレンス機としては、Astell & KernのAK70とAK380、SONYのWalkman WM1A、WM1Z、そしてiPhone6だそうです。スマートフォンでの仕様も考慮しているそうです。
ダイナミックが入っているので50時間はエージングしてからAK70で聴きました。(100時間やるとレビュー書く時間なくなっちゃうので)

ファイル 2017-07-09 11 05 05.jpg
AZLA silver, AK380

聴いてすぐに感じるのは立体的に空間が広がるような独特の音世界と、躍動感があり低域のたっぷりとしたインパクトのある個性的な音です。支配的なのは厚みとか重みのあるダイナミックの音ですが、中高域に傾聴するとアコースティック楽器の音もきれいで明瞭に聴こえます。
モニター的に録音の粗を探すのではなく、好きな音楽を聴いていると音楽世界に没入できるようなイヤフォンです。

ファイル 2017-07-09 11 06 25.jpg
AZLA silver, AK70

低域は量感があるだけではなく、深みとインパクト感があります。低音のドラムスやベースのアタック感は緩くはありませんが、鋭利と言う感じでもありません。低域はたっぷりとありますが、ヴォーカルが埋もれるほどではなく、声ははっきりと聴こえます。中高域の解像感も十分にあり、アコースティックギターの鳴きや残響感もリアルに聴こえます。
躍動感があってAK70にはよく合いますね。AK380を使用するとさらに立体感の良さが際立ってきます。380のようにDACが強力なプレーヤーでは楽器の重なり表現が見事です。

ファイル 2017-07-09 11 05 30.jpg
AZLA silver, iPhone6

iPhone6でもそれほどボリュームを上げずに7割程度で音量は取れます。FLAC Playeで上原ひろみのAliveなんかを聴くとやはり音の広がりが良くたっぷりと低音が乗ったダイナミックな音が楽しめます。音再現も滑らかで楽器音もきれいです。ただ立体感に関してはやはりDAPを使った方がより感じられますね。独特の立体感がiPhone直ではいまひとつです。


* まとめ

AZLAは個性的なイヤフォンで、デザインも個性的でよく、音も個性的で良いですね。
まず立体的な広がりのある音再現が独特であり、ベースを軸にしたダイナミックな音作りも楽しめます。ヴォーカルや生楽器もなかなか良いです。
アユートさんが言うには、この価格帯での新しい定番にしたいということです。ケーブル等も含めてたしかに価格を超えた内容があって、コストパフォーマンスは良いし、マニアにも訴求するような個性もあると思います。
特にAK70ユーザーにはお勧めのイヤフォンです。

AZLA_img01.jpg

AZLAは楽しい音作りというターゲットがあって、ダイナミックドライバーを選びBAで強化し、そのため同軸ハイブリッド化し、
低音と音の広さ・開放感のために独特のベント構造を撮った、ということで、明快な作り手の主張を明快なロジックで作り上げたイヤフォンだと思います。
それにマニアックなケーブル ケースがついて、少し上のマニアにも訴求できるというところもポイントでしょう。
実際の音にもそれが結びついていますし、なかなか面白いブランドが出てきたと思います。
posted by ささき at 11:00 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/451646591
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック