本日フェンダーのIEMの新製品発表がありました。私は司会を務めました。
フェンダーでIEMをやるのはプレイをしないフェンダーファン向けということで、フェンダーの理念を伝えたいということ。
発表されたのは二機種でまずローエンドのCXA1、これはリモコン付きでフェンダー初のコンシューマ向けモデルです。
注目はハイエンドのFXA9です。6ドライバー機でハイ1、ミッド1、ロー2、サブウーファー2です。
フェンダーIEMの母体であるAurisonicsはハイブリッドデザインで知られてますが、A9はオールBAデザインでハイブリッド的なノウハウも加えてるところがポイントです。これはミュージシャンがオールBAを望んだからということです。
これはどういうことかというと、A9のポイントは低音で特に超低音です。まず気がつくのはオールBAなのにベント穴(ポート)が空いてます。これをデールロットに指摘したら「お前がそこに初めて気がついた」って言ってました。
サブウーファーは3Dプリントで造形されアコースティックチャンバーのように他のドライバーと隔絶されてます。ここに二基のサブウーファーだけ外部にベント穴(ポート)が通じてます。これで低域のレスポンスの良さ(60Hz前後)と開放感のある広がりがえられるとのこと。
ポート穴は外に通じてますが、試してみると外に音は漏れないようで、外の音もあまり聞こえません。IEMとして遮音性は極めて良い方です。たぶん超低域だけ隔離してポートに繋いでるからだと思います。
もう一つのポイントはA9ではサブウーファーのクロスオーバーがなく、音導管の太さと長さでアコースティックにローパスさせる方式を取っている点です。これもデールができるだけ電気的にクロスオーバーを使いたくないからだそう。ハイとミッド、ミッドとローは電気的にクロスオーバーがあります。
また低域以外では24金をノズルに使うことで音に変化がないことを狙ってるということ。デールからお墨付きのある熟練工(一人のみ)のハンドメイドの製作も良い点です。
聴いてみると音の広がりが独特で開放感があります。躍動感もあってヴォーカルが良いですね。Aurisonicsらしい音ですがオールBAのためにもっと洗練されている感じです。
ヘッドフォン祭ではぜひ完実さんのブースでお聞きください。
Music TO GO!
2017年04月28日
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