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2016年06月17日

Campfire Audioの新フラッグシップ、ANDROMEDAレビュー

ANDROMEDA(アンドロメダ)はCampfire Audioの新しいフラッグシップとなるもので、バランスドアーマチュアの5ドライバー形式を採用しています。

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ドライバー構成は高音域x2、中音域x1、低音域x2となります。ドライバーは新規の中音域ドライバー以外はJUPITERと同じものだそうです。またANDROMEDAではJUPITERで好評だったレゾネータ―チャンバー方式を採用しています。レゾネータ―チャンバーは高音域ユニットに適用されます。
このことから、ANDROMEDAはJupipterの発展版ととらえることができます。
明日、6月18日から発売で価格はメーカー希望小売価格が129,300円です。発売元のミックスウェーブのリンクはこちらです。
http://www.mixwave.co.jp/dcms_plusdb/index.php/item?category=Consumer+AUDIO&cell002=Campfire+Audio&cell003=ANDROMEDA&id=34

手に取るとまず分かるのはANDROMEDAは珍しい緑色のハウジングに包まれているということです。これはおそらく山の緑なのだと思いますが、アウトドア派のKenさとんが好きな色なんだそうです。外観もかなりがっしりとして丈夫そうです。角くてねじが見えるところなど質実剛健な機械っぽさはやはりアウトドア機材のイメージなのでしょうか。
ケースは高級感のあるものです。チップにはコンプライも入っています。

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また次に気がつくのは標準ケーブルがLyraやJUPITERの世代とは異なっているということです。前と同じようにきれいなケーブルですが、これは前のケーブルよりも良さそうです。実際にこの新ケーブルがANDROMEDAの第二のポイントとなります。

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ANDROMEDAの特徴としては、JUPITERに中域ドライバーが追加されたということ、高音域にはJUPITER同様にレゾネータ―チャンバー(チューブレス設計)が採用されていること、そして標準ケーブルが新しくなっていることの3点が大きいと思います。
またこの3点はいずれも音質面で大きくANDROMEDAの音に寄与しています。

ANDROMEDAを聴いてみてまず感じるのは高い透明感、瑞々しく生々しい中高域と厚みのある中域、そしてタイトで張り出し感の少ないフラットな低音域です。この透明感が高くて生々しい中高域はJUPITERゆずりでレゾネータ―チャンバーが効いているところだと思いますが、ANDROMEDAとJUPITERをくらべて大きな差があるのは厚みがある中域です。つまり一枚ベールを取ったような中高域の生々しい 鮮やかな鮮度感はJUPITERそのままで、全体に厚みが加わった感じですね。JUPITERでは薄味に感じられるところがありましたが、ANDROMEDAではほどよく濃くなりました。JUPITERより厚みがあり豊かで、より周波数的に整ってます。
特にヴォーカルがよくなった感じですね。女性ヴォーカルが艶っぽく、くらべるとJUPITERはちょっとドライでした。ヴォーカルは耳に近く臨場感あるところも良い点です。

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Complyをつけると低域に重心が移るので、ヘビーな曲には良いが、中域重視で標準フォームの方がANDROMEDAには向いていると思います。

もう一つ特記して置きたいことは、付属ケーブルがJUPITERよりもだいぶクリアになったことです。ためしに慣れたJUPITERで前の標準ケーブルと今回のケーブルを比べるとかなり今回のケーブルの方が透明感が高く、音の広がりが良いことに気が付きます。今回のはほんとにはじめからリケーブルされたものを売っていると言って過言ではないと思います。
まじめな話、下手にリケーブルするとかえって音質が下がるかもしれないので慎重に交換ケーブルは選んだ方が良いと思います。リケーブルしないほうがよいかも、と書くことはめったにありませんが。。
また引き締まった低音域はケーブルによるところも大きいかなとも思います。解像力とかクリアさというだけではなく、周波数特性的なイヤフォンとの相性もあるので、標準ケーブルで良いというのはそうしたメリットがあると思います。
ただ今回残念なのは2.5mmバランスケーブルが付属していないということです。

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MojoやAK380シリーズのような高性能プレーヤーやアンプで聴くと標準ケーブルでも今までリケーブルして得られるような「ハイエンドっぽい」音の世界が感じられます。上質で端正なところがAK第3世代とよく合います。
ANDROMEDAは基本性能が高く、素姓も素直なのでケーブルを変えたり、DAPを変えることでさまざまな味が楽しめます。たとえばAK300をつかうと標準ケーブルでもパワフルになり、低域の量感も高くなります。
AK320だと透明感が高く、ANDROMEDAの透明感と済んだ中高域の魅力を引き出すにはうってつけだと思います。AK320は単体でも良いけれども、AMPをつけると良さが一層引き立つように感じられますね。

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AK380ではわずかな暖かみの感じられるようなオーディオっぽい音楽性の高さも感じられます。AK380はイヤフォンによってはモニターライクで無機的に聴こえる場合もありますが、ANDROMEDAではJUPITERよりもAK380によく合うようになり、かつAK380の良さも引き出せるようになった。よい組み合わせの相棒という感じです。

まとめ

ANDROMEDAはJUPITERの良さはそのままに、厚みが増して豊かさを感じさせる音になりました。追加の中域ドライバーの力は大きいと思いますし、差はけっこうあると思います。
さらに向上した標準ケーブルもKenさんブランドとしての良さを感じさせてくれます。

ANDROMEDAという名前はアンドロメダ銀河から来ています。そのくらい知っていると言われるかもしれませんが、おそらくアンドロメダ銀河が肉眼でも見える銀河であり、すごく大きいということは知らない人も多いと思います。その大きさは実に月の5-6倍もあります。ただし実際はとても遠くて暗いので普通は気がつかないだけです。
仮にアンドロメダ銀河が十分明るかったらこう見えるはずという画像がこちらです。
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(画像の出展はこちらです)
SFにありそうな光景ですが、ほんとうにこんなのがいつも空に浮かんでいるわけです。なにしろアンドロメダ銀河への距離は230万光年もありますが、直径が20万光年もありますからね。
まさに稀有壮大な話ですが、Campfire Audioで星座の名前を用いてきたKenさんがANDROMEDAという名前にこめた期待感をここから感じ取ってもらえれば、と思います。
posted by ささき at 22:17 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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