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2016年06月06日

RoonとDLNAとブリッジ

Roonフォーラムをちょっと眺めていたらひとつスレッドが目に留まりました。それは「RoonではDLNA機器が使えないのか?」というものです。
いやいやそれはRoonとDLNAではそもそも違うもので、、とひとりごちていたら、それはどちらかというと質問というより要望だと気が付きました。Roonはたしかに使ってみるとすばらしいライブラリ管理能力や使いやすさを提供してくれます。それではなんでRoonでは私の素晴らしい音質のLINN DSに再生できないのか?というわけです。
ネットワークオーディオ機器はRoonReady化、つまりRAATというプロトコルへの対応がされていなければRoonでは使えません。いかにRoonが使いやすく音質も良いと言っても、今年のミュンヘンのハイエンドショウでRoonReady化が進んでも、やはりネットワークオーディオ機器のメインストリームはいまでもDLNA/uPnP機器です。

それ - つまりRoonのDLNA/uPnP対応 - を実現するためにはRoon自体がuPuPに対応する必要がありますが、RoonとDLNAではアーキテクチャが大きく異なります。
Roon Core=DLNA メディアサーバではなく、Roon Output=DLNAメディアレンダラーでもありません。Roon Coreでは音源管理とともに音源のデコードも行います。DLNAレンダラーでは音源をデコードしますが、Roon outputでは音源をデコードしません。
もしRoonをuPnPに対応させるなら、Coreに音源をデコードする代わりにストリーミングでレンダラーに送るという新たな機能が必要になります。それは大きなことでしょう。

いずれにせよRoonのなかの人の答えはすぐにそうした対応はないけれど、そちらのデバイスがRoonReadyになるまでRoonBridgeでしのいでおいてください、というものです。
これは具体的に言えば、RoonBridge化したPCやラズベリーパイにデジタル出力を付けて、デジタル入力のあるLINN DSのようなネットワークプレーヤーに接続してくださいというわけです。つまりなんらかの形のブリッジを使うと言うことです。

Phileweb記事のPlayPointのところでも書きましたが、そのRoonBridgeとかPlayPointのような機器はネットワーク上のトランスポートと言ってもよいですが、こうした機器はネットワーク・ブリッジとも呼ばれます。もともとブリッジというのは二つの世界を橋渡しするものという意味です。これであればネットワークデジタル転送の世界(uPnPやRAAT)とシリアルデジタル転送の世界(USB、SPDIF)を橋渡しするものです。Sonicorbiter SEやPlayPointなどもブリッジ製品です。

USB DACおよびPCオーディオの黎明期では直接USBを入力できるDACが少なかったので、hiFaceのようなDDCが活躍したのを覚えている人がいると思いますが、そのDDCのネットワーク版と言えるのがブリッジです。デジタル信号をデジタル信号に変換すると言う意味では、DDC(Digital to Digital Converter)と同じです。DDCではUSB to SPDIFでしたが、ブリッジではuPnP to SPDIFのように機能します。
またブリッジを使えばUSB DACをネットワーク対応することができるともいえます。

シリアルデジタル転送の世界(USB、SPDIF)ではケーブル長に限界がありますので、ネットワークデジタル転送をかませることでオーディオ機器のレイアウトに自由度ができるのはRoonの大きな利点です。
以前はResolution AudioのCantataのようにUSB over IPの機能を使って、この長さの限界を突破する試みもありました。こうした機器に比べればRoonはDACをネットワーク化するのにかなり現実的な解法です。
デジタルオーディオのデータをネットワークで搬送するいわゆるAudio over IPには、最近ではほかにAVB(Audio Video Bridge)、RAVENNAやDANTEなどがあります(もっとあります)。RAVENNAはMergingのNADACで知っている人も多いと思いますが、これらはまたちょっと別の話になります。またDARKOの記事にあるようにNADACがRoonReady対応を表明したことで状況も流動的です。RAATはAES67系ではないと思いますが、そこまではわかりません。


しかしLINN DSのようにすでにRJ45ネットワークの口を持っているネットワークプレーヤー(海外で言うストリーマー)にデジタル入力を使って別の機器(ブリッジ)でネットワーク対応させるのは抵抗がある人も多いと思います。
PlayPointは優れたブリッジですが、出力先はexaSoundのUSB DACのみです。安価なブリッジのSonicorbiter SEから光デジタルでLINN Klimax DSにつないでも、LINNオーナーは良い顔をしないでしょう。


もうひとつの可能性はソフトウエアブリッジです。ネットワークブリッジという言葉は普通にIT機器でも(別な意味で)使いますが、やはりハードウエアとソフトウエアがあります。
方法はRoonのSqueezeboxサポートを使用して、Squeezebox(LMS)側でuPnP変換のLMSプラグインを使用するという方法です。Roonから見るとLINN DSはSqueezeboxデバイスとして見えるでしょうが、それは設定の話で、使うときはあくまでひとつのゾーンです。
これは実際に試した人がいます。これでLINNのKlimax DSに接続しようとしたが、エラーで出来なかったようです。


いずれにせよ、RoonでuPnPが実装できれば便利なのは間違いないとは思います。多少作るのが難しいとは言っても、すでにRoonではAirPlayとSqueezeboxという二つのプロトコルを持っていますので、uPnP/DLNA対応というのは出来ないわけではないでしょう。ただRoonでuPnPを実装してしまうとRoonReady化、つまりRAAT化が進まなくなりRoonの利点も限られたものになると言う戦略的な打算があるのかもしれません。
posted by ささき at 21:27 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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