Computer AudiophileにボブスチュアートがMQAの質問に答える形でかなり大量のQAが掲載されてます。下記リンクです。
http://www.computeraudiophile.com/content/694-comprehensive-q-mqa-s-bob-stuart/
寄せられた全質問に答えたようで質問自体が玉石混交ですが私の興味あるところだけピックアップしてみました。いままで知りたかったことがほとんど答えられてます。
まずQ36を見るとMQAはロスレスか?という問いには、ロスレスがベストとは限らないと前置き付きで、「close-to-lossless」と言ってますが、端的に言ってMQAは「ビットパーフェクト」ではないということですね。ただそのあとは、ロスレスはデジタルドメインの話だけど、最終的にはアナログから撮った音をアナログで出すよね、そこでの音が重要であり、その運び方が重要なのさ、という感じの言い方のように思えます。
MQAにはロスレスかどうかの他に、そもそも真にハイレゾかどうかという疑問もありますが、そこはQ37-2でやはり突っ込まれてます。このオリガミ処理自体は可逆的なロスレスであるって感じでしょうか。
またMQAの売りとしてよく言われている「時間軸的なうんぬん」というのも、カタログ言葉でなく結局技術的にいうと何のこと?という疑問がありますがそれはQ62やQ63にも時間的な正しさ(というか時間的なブレ・ボケ)とは何かについて解説されてます。それとQ15を見るとインパルス応答の図で別に解説されてます。
あともう一個私が最近気になってるのは、MQAはDACやスマホなど箱物には内蔵するけど、PC上の音楽再生ソフトでは対応しないんじゃないか?ということですが、これもQ43で答えられてます。Q43-1はそもそもそれが可能か、Q43-2はそれやってもMQAの恩恵はあるか、Q43-3はサードパーティー(音楽再生ソフトの製作者)がそれできるか、ということです。
答えは1はもちろんできる、2は差はない、ただしDACに付随しているソフト(上の箱物)のほうがDAC知ってるので音が良いでしょうという感じ。
3は微妙な答えですが、2で示したようなDACの良さを引き出せるようなソフトを待ってるよ、って感じですが、ここについては別途アナウンスするようなのでまだ方針が決まってないのではと思います。おそらくは許可制になるとまずメリディアンつながりでRoonだと思いますがわかりません。
(ちなみにQ76にありますが実際はMQAはメリディアンではなく別会社ということ)
似たような質問はQ44でもありますがこちらはPCというより、SonicOrbiterやPlayPointのようなブリッジ製品経由(ネットなどデジタルで受けてデジタルのUSBやSPDIFで出すというような)という感じなので箱とPCの中間ですね。質問者もひねってます。
これも答えは似たような感じで、DACに最適に出せるやり方が分かってるならということで暗に汎用品は除外したそうです。ただこれも後にアナウンスするということで、ベンダー個別に対応するように思えます。保証問題もありますからね。
またこの辺はQ47のDACプロファイリングにもかかってくると思います。
Q45はデコーダはFPGAでも作れるかということだと思いますがこれは実際に作ってるとのこと。
Q74ではMQAはリアルタイムでも将来的にはエンコード可能(ライブ配信とか)と書かれてます。
あとこれが一番ハードなQAなんですが、HQ Playerの作者がMQAについて実はデコードされないと(デコーダがないと)音質はCD品質より劣化してるのではないか、ということと、実はFLACより効率悪いんではないかという否定的な分析を書いてます。これは海外ではMQA論でよく参照されてますので興味ある方はチェックしておいたほうが良いと思います。
http://www.computeraudiophile.com/blogs/miska/some-analysis-and-comparison-mqa-encoded-flac-vs-normal-optimized-hires-flac-674/
これもQ82に回答されてます。この辺はボブスチュアートとの真っ向勝負ですがまあ私にはお読みくださいとしか。。
最後に用語集があるのでそれを先に見たほうが良いかもしれません。例えば"Kernel"とかです。
結局先送りの回答もありますが、だいたいの今までの疑問には全て答えてるように思います。私はすっ飛ばしてましたが基本的なことからスタジオでのことやライセンスまでかなり広くカバーしてます。これを見ればMQAは皆わかるというか、これを見ずにMQA語るなかれみたいな。(Q82はあと引くと思いますが)
Music TO GO!
2016年04月10日
この記事へのトラックバック