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2016年02月10日

AK380 CopperレビューとAK380とAK320

Astell & Kernが第三世代のプレミアムモデルであるAK380 copperを2/12から発売します。数量限定で販売すると言うことです。

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AK380のキャッチフレーズは"THE EVOLUTION OF A MASTERPIECE(傑作のさらなる進化)"だったわけですが、このAK380 copperでは"A New Approach to Music"(音楽への新しいアプローチ)と設定されています。つまり傑作であったAK240よりもさらに進化した第三世代のAK380が、新しいアプローチを取ったわけです。それが99.9%の高純度胴をボディ素材に採用したことです。
Astell & Kernではボディ素材にこだわって、AK240でもAK240SS(ステンレス・スチール)というモデルを開発しています。その進化ということもできるかもしれません。

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実際にAK380とAK380 copperの違いはボディ素材の違いという一点で、回路もソフトウエアもAK380と同じです。AK320とAK380はDACチップやクロックは同じとは言え、XMOSがないなど、回路は違いますから音が違っても納得するわけですが、AK380 Copperのアプローチはユニークです。

アユートの販売ページは下記です。
http://www.iriver.jp/products/product_119.php

* AK380とAK380 copperの違い

・ ボディ素材

Ak380 copperでは銅(純度99.9%)をボディ素材に採用しています。

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銅は比重が高く、シールド効果があり導電性が高いため、電気的な特性は良いと言えます。AK240SSのときはDAPのグランドに筺体を使用するために、電気的な特性の変化で音質が変わるという説明がありましたが、AK380 copperではその点をさらに突き詰めた素材と言えますね。
また電気的な特性から離れてみると、この銅のシャーシを持ったAK380 copperはかなりユニークで魅力的なスタイリングをDAPにもたらしています。無垢の銅ブロックから一台当たり4時間かけて切削し、1.7kgからわずか175gを作りだすという作業はかなり手間のかかるものです。表面のヘアライン加工も職人による手作りで、さらに表面には酸化防止のコーティングがなされています。
Ak380に比べたずっしりとした重みや、輝く質感の高さはプレミアモデルの持つ喜びをもたらしてくれます。


・ 背面素材

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もうひとつの筺体の変更がこの背面素材です。AK380 copperではカーボン繊維とケブラー繊維を併用した素材で、その青い色味がかった素材感が特別さを感じさせてくれます。

・ 付属ケース

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Ak380 copperではルイヴィトンのバッグでも使われている、トルコ産の最高級の天然皮革である「The V1」を採用しています。このあたりもプレミア感が感じられます。

* AK380 copperの使用感と音質

箱はAK380と同じ大きなタイプの箱ですが、箱自体が銅色に塗られています。箱はAK380同様に積層されて、内箱にAK380 copperが収まっています。この箱におさまっている状態でAK380 copperはただならぬオーラを発しています。

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手に取ってみると、その明るい赤銅色に輝くハガネのような色彩感覚は他のプレーヤーとはまるで異なった魅力を持っています。これはちょっといままでにない質感で、持っているだけでも特別感を味わえます。ロクサーヌカスタムのカーボンシェルのときも箱を開けた時に美しくて声をあげてしまいましたが、これも声を上げるくらいカッコ良いと感じられます。単に銅の質感だけではなく、ヘアライン仕上げがとてもよくマッチしています。

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ジュラルミンとかステンレスだと先進的というかモダンな感覚ですが、この赤銅の質感はちょっとスチームパンク的というか、レトロフューチャー的というか、新しさとともに昔の道具が持つ古き良き質感を取り交ぜたような不思議な感覚があります。
AK380 copperの魅力はまずなんといってもこのデザインでしょう。
(ただし使用において注意事項もあるのでアユートさんのホームページを参照ください)

ステンレススチールでも通常モデルに対しての高級感というのはありましたが、Ak380 copperの場合は高級感もさることながら特別感と言った方が良いように思います。これは強烈に物欲を刺激されると思いますね。よく考えたなという感じです。
また背面のカーボンも青く見える材質が使われていて、ここも高級感というか特別感を感じさせてくれます。持った時のずっしりとした感じも、そうした質感の違いが本物を主張するように感じられます。

箱から出すと音を聴く前にいつもはじめに写真を撮るのですが、ここでも他のプレーヤーとは輝きが異なるので写真の露出をつかむのがかなり難しく、他の記事の倍の時間をかけてしまいました。オートだと露出(明るさ)が狂うので、マニュアルで設定して撮りました。その点でもやはり他とは違います。

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そしてAK380 copperは外観だけではなく、音質も向上しています。箱から開けてもすぐわかるくらい差はかなりはっきりと感じられ、正直言って同じAK380の回路を使ってるとは信じられません。AK320なら回路も違うだろうからまあ納得はできますが。AK380に慣れている人ならば、特にとなりにおいて聴き比べをしなくても違いがあることはわかると思います。
本当は設計し直したんじゃないかと疑りたくなるけれど、もし再設計してこの音出すとすると、抵抗とかコンデンサをグレード高いものにして、電源の低ノイズ化をさらに徹底して、ケーブルもより高品質にした感じでしょうか。一番近いたとえはオーディオで電源をクリーン電源に変えた感じのような気がします。AK240SSのときに説明のあったグランドによる差というのがさらにはっきりと出ているのでしょう。

音の差はAK320とは異なって、AK380と同じ傾向・個性だけれど、すべての面において一段良くしたという感じだと思います。
より全体的に深みと広がりがあり、より音楽的に滑らかで豊かです。また性能的な感覚でも、より高域が伸びやかで、より低域が深いワイドレンジ感もあります。音場と言うか包まれるような音空間が心地よいですね。さらにエージングが進むと抜けが良くクリアに聞こえてきます。
個人的感想かもしれないけれど、通常モデルとの音の差はより「美しい」と感じられるところだと思います。バロックバイオリンとか古楽器系の弦の鳴りが心地よく、聞きなれた曲を聴くのがより楽しみになります。
いつものライブラリをAK380から移して聴いていても、AK380 copperでは、この曲こんなにカッコ良かったっけ?と思って液晶の曲名を見返したり、音再現にはっとするような瞬間を感じることがあります。もしかしたら電気的にはちょっとした違いかもしれませんが、音楽を聴く上では大きな違いになっているように思います。

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AK380AMPとの相性も良いのですが、残念ながらAK320同様に色が合わなくなります。できればAK380 Copperはカッコ良いので単体で手に持って使いたいですね。でもAK380AMPのcopperバージョンがあれば。。と思っていたら、なんとAK380 copperのAMP版がポタ研で出展されるとのこと。これも楽しみです。

Ak380 Copperはまさにプレミアムモデルというのにふさわしい独特な魅力を持っていると思います。
こうしたデザインと質感のカッコ良さ、持つ喜びと音質の違い、またトルコ皮革製の特製ケースを考えるとAK380標準モデルとAK380 Copperの価格差は意外と小さいのではないかと思います。

* Ak380 copperとAk380とAK320のまとめ

それではAK320、AK380、AK380 Copperの兄弟ともいえる3機種の差について、AK380の標準モデルを基準にしてまとめてみたいと思います。

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まず使用感ですが、それぞれ機能的には同じということもあり、使い方に変わるところはありません。ただし手に持った感覚がそれぞれ違います。
AK320では右手の片手で操作ができ、特有のボリュームもそうして使うといっそう使いやすく感じます。またやや小さくて持ちやすく思います。
AK380 Copperはずっしりとした重さがあって、このなかでは一番重いのですが、単体で持つ分にはそう重くは感じないでしょう。ただ通常のAK380に持ちかえるとAK380が軽く感じられます。

デザインと外観についてはやはりAK380 Copperがいち抜けして独特のオーラを持っています。この存在感はさすがで、元ライカのデザイナーがまた関与しているかはわかりませんが、そうした優れた道具を持つ喜びというものを感じさせてくれます。AK320も他のブランドのプレーヤーに対してはずっとすぐれた質感がありますが、やはり通常のAK380のジュラルミンの質感もなかなかすぐたもので、これらはいずれもAstell & Kernというトップブランドの名に恥じないものでしょう。

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音の差は3機種間で驚くほどあると思います。ただその差の傾向が違います。AK320とAK380標準モデルとは違う音の個性があります。AK320はやや強調感があって若い躍動感があります。ロックやポップに会うでしょう。
AK380標準モデルとAK380 copperは同じ音傾向ですが、AK380 copperでは音質全体を一段ブーストアップした感じです。AK380 copperではより深く豊かになり、音が洗練されて濁りがより少ないピュアで綺麗な表現ができます。細かな音に満ち溢れてじっくり聞きたい音楽に向いています。

もちろんAK380標準モデルも標準器のようにリファレンス的で優れた音質再現です。AK380標準モデルはAK380AMPと組みで使って完成された音が楽しめるように思います。対してAK320は独特の強調感で単体で使いたいし、AK380 Copperも単体楽しみたいプレーヤーだと思います。
組み合わせるイヤフォンはAK320はキレが良くアタックがあり、元気なイヤフォンが良いように思いますね。Ditaとか、マーべリックカスタムとか。AK380とAK380 Copperはより厚みがあり豊かなイヤフォンが向いているように思います、JH Audio Laylaとか、AT T8iEなどでしょう。

価格的な点からはやはりAK320のアドバンテージが大きいですね。また価格的な差としてはAK380とAK380 Copperは十分に見合う差があると思います。むしろ価格差が銅のボディを作る手間を考えると思ったほどないようにも思えますね。ただしAK380 Copperは個数限定でもあり、あくまでこのファミリーのなかでは特別モデルと位置付けたほうが良いでしょう。やはりAK380は第3世代のトップモデルであるという位置付けは変わらないと思います。

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AK380ファミリーとでも言うべき、これら第三世代機の間でもけっこう違いはあります。ぜひ店頭で手にとって質感を感じ、試聴して個性の差を楽しんで選んでください。
posted by ささき at 22:28 | TrackBack(0) | __→ AK100、AK120、AK240 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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