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2016年02月01日

Triple.fiの進化、JH Audio TriFi レビュー

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いまはイヤフォンの黄金期と言っても構わないでしょう。10万円をはるかに超える高性能イヤフォンが駅前の量販店でさえ簡単に手に入ります。とはいえ、昔はイヤフォンなんかはただのWalkmanのおまけ程度、形もラジオについているような昔ながらのイヤフォンと変わり映えはありません。
それがいまのようにカナル型(インナーイヤー型)の高性能イヤフォンの隆盛につながる流れがはじまるのはだいたい10年ほど前にさかのぼります。その理由はこの時期にプロ用のステージモニター(IEM - In Ear Monitor)がコンシューマー用イヤフォンに影響を及ぼしてきたからです。

そのころ、iPod、MP3プレーヤー、ポータブル・ヘッドフォンアンプなど様々な新製品に魅了された日米のユーザーたちは、音の出口であるイヤフォンでもより高い音質を目指していました。彼ら(私も含め)は市場の製品に飽き足らず、ネットコミュニティを通じて情報を交換し合い、しだいにプロ向けの製品に目を向けはじめました。
そしてShure、Westone、UE、Etyなどのプロ用メーカーがコンシューマーから注目され、コンシューマー市場に参入を始めます。
(たとえばShureのE2cのcは従来と異なるコンシューマー向け販路モデルを示しています)
そしてプロ市場からのIEMという新しい遺伝子を組み込まれて、コンシューマー向けイヤフォンは新たな進化をはじめました。

その時期に重要な役割を果たしたイヤフォンの名機が昨年あらたに生まれ変わりました。ひとつは先にレビューしたWestone 3をベースにしたWestone 30、そして今回レビューするUE Triple.fi 10proをベースにしたJH AudioのTriFiです。これらの当時のオマージュと言える新作を語ることで、この10年というイヤフォンの歴史を俯瞰するにはよいタイミングと言えるかもしれません。
またどちらも日本限定という点もこの間の日本市場の発展を考えさせられます。

* ジェリーハービーとUE Triple.fi 10 pro

Westoneが自社のWestone 3を進化させてWestone 30を作成するのは説明不要でしょう。ではJH AudioのTriFiの場合はなぜ会社の違うUEのTriple.fi 10 proがベースなのかというと、そこにジェリーハービーという偉大なエンジニアの作品というつながりがあるからです。今回の記事はジェリー自身に聞いたTriFiの情報を参考にしています。

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ジェリーハービー

1995年、ジェリーハービーはヴァンヘイレンに請われて彼としては初めてのイヤーモニター(以降IEM)を作ります。それは好評であり、彼はUltimate Earsという会社を作り、そのIEMはUE5となります。
そしてUltimate Earsは順調に大きくなっていきます。

2006年2月、HeadfiではCESで発表されたShureの新型イヤフォン、E500の話題で持ちきりでした。価格の高さの話題性もさることながら、トリプルドライバーというスペックはみなの期待を集めていました。しかしそのころ、一つのうわさが書き込まれました。"UEがトリプルドライバーの新型を開発しているらしい"。
その噂はすぐに広まり、"Super.fi 10か?"、"UEの新型はカスタムのUE10ベース"、"E500と同等以上か"などと、またたく間に新型イヤフォン論議に火を注ぎます。やがてさらにWestone 3が加わることで高性能イヤフォンの新世代に対しての期待感が燃え上がっていきます。
そしてそのUE新型の名称はSuper.fi XXXであるらしいという情報が伝わってきます。
ジェリーに聞くと、このSuper.fi XXXという当時の名前は本当で、XXXはトリプルドライバーを意味していたそうです。しかしこれはあくまで内部コード名であり、XXX(トリプルエックス)は同時に成人指定映画という意味も持つのでいずれ名称変更が必要になりました。そこでHeadFi上で名称公募が行われます。

そして同年9月、その新型イヤフォンの名称がUE Triple.Fi 10 proと正式に決まりました。日本ではよく10proと呼ばれますが、私は10proって略すとUE10pro(カスタム)と区別ができないなあと思って、HeadFi略称のTF10を使っていたのですが、カスタムを普通の人が買うなどとはまだ遠い時代の話です。
TF10の発売開始は遅れ、一般に行きわたり始めたのは年を越した2007年となりました。私は4月にEarphone Solutionからリミテッド版(プリオーダー分でケースが付く)を入手し、ブログに記事をアップしました。
Triple.fi 10 レビュー

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Triple.fi 10 proとRSA Tomahawk

そしてここからジェリー・ハービーという名前が一般のオーディオマニアにも知られるようになります。
なぜならTriple.fiが出た時にその箱に設計者としてジェリーハービーの名前が書かれていたからです。ジェリーは当時を振り返って、あれはUEがやってくれた最大の功績だったよ、と冗談めかして語ってくれました。ジェリー・ハービーという名を世に知らしめたのはこのTriple.fiなのです。

Triple.fi 10はトリプルドライバー機で、低域に2基、高域に1基のBAドライバーを採用している2Wayです。TF10では低域の多すぎた前作(5 pro)がオーディオファイルに人気がなかったため、よりオーディオファイル向けのチューニングを施したかったというのがジェリーの方針だったそうです。
詳しくは2007年にレビューしていますが、簡単にまとめると音質の良いところは高域がきれいで切れがあり、低域がたっぷりあってスケール感があるということ。
また弱点としては音質ではよく言われたことですが、中域が引っ込む、ヴォーカルの明瞭感がいまひとつというところでしょう。
また装着性でも筺体が大きくて装着に難がありました。しかしこれは当時のトリプルドライバー機には酷かもしれません。ちょっと前のイヤフォンなどはクロスオーバーがイヤフォン内に入らずに外に出ていたくらいですから。

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Triple.fi 10 proとRSA Tomahawk

そのころ、UE社内では製作者であるジェリーとUE経営側の対立が深刻化していました。UE経営側はTriple.fiを安く作れと指示したのにもかかわらず、ジェリーは音質を優先するべきだと主張したことで対立がおこり、製作は隠れて行うほどだったと言います。ジェリーは初志を貫き、10年後にいる我々にとって、どちらが正しかったかは言うまでもないことでしょう。

その後ジェリーはUEを離れます。スティーブジョブズやマークレビンソンがそうであったように自ら作った会社を出たわけです、みずからが本当に作りたいものをつくるために。
そしてジェリーはJerry Harvey Audio - JH Audioを設立します。

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JH Audio JH13

2009年のCanJamでJH AudioはJH13 proを発表します。それは片側6機のドライバー、各帯域に2基ずつのドライバーを配置するという画期的なものでした。そしてUEもUE18を発表し、さらにJH AudioはJH16を発表するなど、一般ユーザーも巻き込んだ戦火はカスタムに広がります。そしてこのころから一般ユーザーがカスタムを強く意識しだしたと思います。
このように、この10年のイヤフォンの進化の陰にはジェリーハービーがいました。その代表作のひとつはやはりTriple.fi 10 Proになるでしょう。
その高い音質はユーザーを集め、Triple.fi 10はロングセラー機になっていきますが、それも惜しまれつつ生産終了してしまいました。

* JH Audio TriFi

そしてTriple.fi発表から10年の時を経て、Triple.fiの正統な後継機が同じジェリーハービーの手によって設計されました。それがTriFiです。

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ミックスウェーブのTriFiページは下記リンクです。
http://www.mixwave.co.jp/c_audio/c_news/caudio_news151217_02.html
TriFiは日本のみ販売、1000個限定でミックスウェーブから販売されます。これはTriFiは日本からの強い要望によって出来たからということです。たしかに海外に比べると10pro人気は高いように思えます。

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価格はTriple.fiの発売時の正式価格(米価格)と同じくらいだと思いますので、米国価格では10年前からの据え置きという感じです。ただし日本価格が当時よりやや高めと感じるのはこの10年の間の円ドル為替差によるものだと思います。
日本限定といってもWestone 30とは異なりチューニングに特に日本の音楽を考慮しているわけではないということです。これは別に刊行される予定の日米カスタム開発者座談会でも出てきますが、ジェリー自身は特定の音楽をリファレンスとすることは好まないということです。

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AK320とTriFi

TriFiのドライバー構成はジェリーの話によると、Triple.fiと同じく低域x2、高域x1の2wayだそうです。あえてTriple.fiと同じ構成を取ったわけですが、中身は大きく異なります。まずドライバーは高域も低域も刷新されています。低域ドライバーは新しくより高性能のもので、より量感が出てよりクリーンであるということです。高域はさらに上に伸びているということ。そして今回新しくFreqPhaseを採用しています。これは前はなかった技術なのでこの導入が目玉の一つです。そしてもちろんクロスオーバーも新設計されています。
つまり前と同じ「クラシック」な低域x2、高域x1というデザイン構成を最新の技術(ドライバー、クロスオーバー、FreqPhase)で作り直すというのがTriFiです。そこがまたTriple.fiの直系たる所以です。実際にFreqPhaseは音場だけではなく、高域の伸びの良さにも関係しているということで、技術は単体ではなく相互補完関係にあります。
ジェリーの言によると、TriFiを設計した狙いは以前のものよりさらに良い音質、さらにより良い装着性を目指したということです。彼の言葉のなかでもよく「前と比べると」という言葉が出てきていたので、やはり設計には前のTriple.fiを意識してそれが根底にあったことがうかがえます。

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外観は以前のTriple.fiとは大きく異なりますが、よりコンパクトに作られていて前の大きくて装着性に難があった点を改良したことが分かります。形状はギターのピックを模したもので、これは最近のJH Audioユニバーサル機の特徴を引き継いだものです。
またフェイスプレートは限定品らしく、マザーオブパール(真珠母)というユニークで高級感のある素材を採用しています。これは名前の通りに真珠の母体になる貝殻の虹色の光沢部分のことです。主に装飾品につかわれますが、イヤフォンに使われるのは珍しいことでしょう。
本体カラーはTriple.fiを思わせるブルー(ブルーパールカラー)で、マザーパールのフェイスプレートは限定品ならではの豪華さを感じさせます。
ケーブルは2ピンでリケーブルできます。

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肝心の音質ですが、TriFiはかなり低い音まで再現し、低域の量感がたっぷりあってTriple.fiの直系を感じさせます。低音域は強調感はあるが膨らんだりするものではなく、すっきりと質感の良い表現です。ジェリーはTriFiではTriple.fiよりも数dB低域を上げたと言っていました。それと新型ドライバーの効果か、低域はたっぷりとありながら質感の良いすっきりとした再現を可能にしたと思います。ベースのパンチ・アタックも気持ち良いものがあります。
深くて量感がある低域が音楽の迫力と雰囲気を上手に作り上げてくれ、エレクトロ系のロックやポップには特に良く合うと思います。
クラシックでもオーケストラの迫力を十分感じられます。旧Triple.fiの頃はEty ER4などが普通だった頃なので、旧Triple.fiでオーケストラが楽しめるというところに単に感動したものだけれども、それをちょっと思い出しました。スケール感が良いのは音場の広さにFreqPhaseが効果的だからだそうです。

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特筆したい点は低域の量感がたっぷりあるのにもかかわらずヴォーカルが埋もれずに明瞭に聞こえる点です。ヴォーカルの質も高く、肉質感豊かに細かい声の震えも良くわかります。ここが旧Triple.fiとの大きな違いでしょう。
Triple.fiは初期の2way機であることを考えると致しかたないと思いますが、10年も時間が経った今、最新の技術でそこを作り直したいと設計者が考え、ユーザーが改良されたTriple.fiを望むのは当然のことかもしれません。
この辺の音のコメントを話したところ、これはクロスオーバーの改良とFreqPhaseの効果だと言うこと。3wayなみにスムーズな周波数特性を2wayが持つというのもこの時間の流れを感じます。またFreqPhaseがさまざまなところで効いているというのもわかります。

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AK JrとTriFi

私が第一印象として感じた前のTriple.fiとの音の相違は前のTriple.fiでは全体にやや硬めで荒削りだった音が、TriFiでは滑らかで前よりも柔らかく聴こえるということです。それとTriple.fiの特徴の一つだった高域の強さがTriFiでは少し穏やかに出ているように思います。
TriFiを聴くと低域が多いからといって決して低グレードの入門機と一緒にすべきものではなく、上質な音再現力を持っているのがわかります。ただ高性能イヤフォンではプロ用も兼ねてバランスの整った音造りなのに対して、TriFiではコンシューマーの音楽鑑賞用に割り切って低音域を強調気味に作ってると思います。

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プレーヤーとしてはAK Jr、Pono、ZX1などが相性が良く価格的にも適合するあたりだと思います。デジタルアンプのZX1と組み合わせるとTriFiの音の整って再現域の広さが分かり、強調感のある味付けのAK JrやPonoでは音楽的に楽しく聞くことが出来ました。
さらにAK320やPAW Goldなど良いDACを搭載した上級機と組み合わせると音の細かさがさらに感じられ、より端整で整った歪み感の少ない音再現が感じられるので、音再現の力の余力は十分あってTriFiのポテンシャルは高いと思います。
iPhoneとの組みあわせでもわりとバランスの良い音再現がありますが、物足りなく感じるでしょう。やはりそれなりの良いプレーヤーと組み合わせたいところです。

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TriFiとBeat Signal

またこれまでのコメントは標準ケーブルで書きましたが、音質面で一言書いておきたいのはTriFiはぜひリケーブルして使ってほしいということです。リケーブルしたうえで、他のリケーブルしたハイエンドイヤフォンと比べてみればTriFiの真の力、ポテンシャルの高さがわかると思います。(ただ2ピンプラグが固いので注意が必要です)
試しに2pinの高性能ケーブルであるBeat Signalを使ってAK320と組み合わせてみましたが、別物っていうくらい高い音質を発揮します。封印されてた能力が解放されたっていう感じです。
高域もキレが格段に上がり、低域はソリッドでパンチがあるのに加えて、全体的な解像力の向上は驚くくらい。逆にSignalはよいけれど低音がもう一つほしいと思っていた人にはTriFiとの組み合わせはうってつけだと思います。Signalの低域のゆるみないレスポンスが、低域多めのTriFiとあいまって驚きますね。SignalもTriFiも新たな面を発見する素晴らしい組み合わせです。
TriFiとSignalを足して10数万のイヤフォンと考えてもよいくらいだと思います。ちょっと三発の2wayとは思えないくらいのレベルというか、2wayならではのシンプルさゆえの良さかもしれません。
わりと低価格のLinumでもかなり顕著な性能向上があります。特にクリアさ・解像感の向上は大きいですね。ケーブルは好みですので、ぜひ自分なりのTriFiを見つけてください。そうするとジェリーが作りたかった、Triple.fiよりよりよい上質な進化がわかるのではないかと思います。

(追記:なお国内リリースでは当初TriFiは3wayと記されていましたが、JH Audioの英語リリースに3Wayと記載されていたからのようです。再度確認した結果はやはりTriple.fiと同じ2Wayということです。)

* UE Triple.fi 10 proとJH Audio TriFi

それではオリジナルと実際に聴き比べたらどうかということで、今回久しぶりにTriple.fi 10 proを聴いてみました。私の当時のものはすでにないので、わりと最近のものを借りて使いました。

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UE Triple.fi 10 pro

ひさしぷりに使ってみると装着は思ったほど難ではありませんが、これはこの10年の間にこのタイプになれたからかもしれません。やはり依然として大きくて装着しにくいということはあると思います。
TriFiはずっとコンパクトで極めてすっきりと装着することができます。ステムをみるとTriple.fi ではおなじみのUEのブタ鼻がわかりますが、ステムを比べても同じ2穴でもTriFiの方が細くて入れやすく出来ています。全体的にもTriFiは軽いですね。実のところFreqPhaseでは音導管の長さにより全体に大きめになりやすいようですが、その辺もTriFiではうまく処理されているようです。

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左がTriFi

しばらく使っていませんでしたが、最新のAK320などと合わせるのは新鮮な感じがします。
端的に言って、いま聴いてもよいですけれども、いま聴くと物足りないという感じもします。それが10年の変化というものでしょうか。

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AK320とTriple.fi 10 pro

全体にバランスよく、過不足はあまりなく聞こえます。それがオーディオファイル向けに設計したという感じでしょうか。低域もたっぷりあって、高域もシャープで悪くないのですが、全体にいま基準だとちょっと寸詰まりの間がします。音の広さも昔は広大だと思っていましたが、ER4sとかの時代ですからね。。
また中域表現の弱さはやはり感じられるところはあります。

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同じ曲でTriFiとTriple.fiをくらべてみました。まずTriFiの方が若干能率は良いようです。
Triple.fiからTriFiに変えると、ぱっと開けて広く感じられます。また見通しがクリアになって、楽器の音の形もより明瞭感が増して歯切れよくなります。なによりTrFiに変えるとより帯域全体に滑らかにつながり良く聞こえる感じがします。

特にTriFiでは中音域・ヴォーカルはより鮮明に聞こえるようになり、Triple.fiより前に出る感じがします。もうひとつはっきり分かるのは低音域がTriFiの方がより量感があって、かなりたっぷりとした低音域の豊かさを感じさせます。中音域が生きたことにより、より低音域を出すことができたという感じでしょうか。高音域はTriFiの方がより上に伸びているがきつさはむしろ少なめでしょう。比較するとTriple.fiは全体に痩せて荒く感じられます。

同じ2Wayの同じドライバー構成だから比較するとよくわかりますが、やはり全体の自然な感じが違います。TriFiの方が低音域がたっぷりあるのに逆にTriFiの方が自然に感じられるというのは興味深い点です。音場・音像の明瞭さもそうですが、これが10年間の進歩というものかもしれません。

* まとめ

TriFiを聴くと、Triple.fiの問題を一つ一つ減らしながら、全体を現代的にアレンジして進化させている、と感じます。
大きくて装着しにくかった筺体はコンパクトになり装着感は快適です。ヴォーカルが聞こえにくかった低域はいまやクリアで明瞭にヴォーカルが楽しめます。

音は良いけど荒削りだったTriple.fiが上質な高級機になった感があります。落ち着いているけれど伸びている高音域とか、全体に滑らかでスムーズになった点。そして
、低域の強さを音楽的に活かしている良さは引き継いでいます。これらにより、コンシューマー用として音楽を聴いて楽しめるイヤフォンになっています。
若い才能ある荒武者が、10年の修行ののちにFreqPhaseのような新たな技を習得し、弱点を克服し、長所を伸ばして成長して戻ってきたというかんじでしょうか。

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2wayのクラシックな構成でもいまの技術ならここまで出来るという挑戦でもあります。FreqPhaseなどジェリーのもたらした10年のイヤフォンの進化を語るにふさわしいイヤフォンと言えるでしょう。
posted by ささき at 10:34 | TrackBack(0) | __→ UE triple.fi 10 pro | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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