Music TO GO!

2015年02月11日

米国ハイレゾ論争事情

アメリカでも昨年CEAが日本のハイレゾロゴ取り入れたり、ハイレゾ規格を制定したりと、日本のようなハイレゾムーブメントみたいなものはあります。
日本とちょっと違うのはPONOの存在が意外と大きいことです。そのバックにいるニールヤングですね。
日本だとソニーを中心としたメーカーがハイレゾを宣伝してる感じですが、アメリカだとニールヤングが声高に矢面に立ってる感は強いと思います。

昨年PONOが出るあたりからPONOとハイレゾに対してのバッシングの傾向があったんですが、今年になってから加速してきて今ではITメディア対オーディオメディアという感じの対立の構図が出来てきたように思います。

まず米国ギズモの"Don't Buy What Neil Young is Selling"ニールヤングが売ってるものは買うな、っていう記事が書かれました。
http://gizmodo.com/dont-buy-what-neil-young-is-selling-1678446860
論旨はハイレゾってすごく違うというけど、ダブルブラインドテストで科学的に実証できないよね、あと"$400"もの高価な機材が意味があるの?という感じ。
記事の日本語版もあります。下記リンクです。
http://www.gizmodo.jp/sp/2015/01/pono_1.html

米ヤフーでもPONOレビューで批判記事が出ています。iPhoneとPONOでABスイッチでブラインドテストしたけど、大体の場合はiPhoneの方が良いと感じた、これは裸の王様の現代版だとしてます。
https://www.yahoo.com/tech/it-was-one-of-kickstarters-most-successful-109496883039.html
ただこの後でフォロー記事も書いてるんですが、この人の言い分としては(オーディオファイルが差を語るのはともかく)PONOは一般向けだし誰が聴いても差があるって言ってるでしょ?だと思います。
https://www.yahoo.com/tech/the-ponoplayer-review-criticism-and-follow-up-110040409129.html


それに対してニールヤングは「PONOは始まりにすぎない」としながら、こうした批判には「“Science says it doesn’t matter, but who cares about science?” 科学はそれが意味ないっていうけど、誰が科学なんか気にするんだ?」って言ったりしてます。
http://www.digitaltrends.com/music/neil-young-pono-ces-rolling-stone-ponoplayer-hi-res/?utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_content=dmfNOR&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter#!dmfNOR

そしてオーディオメディアもギズやヤフーなど一般ITメディアのこれらの記事に反撃してます。

AudioStreamでは、こういう話はこれまでやってきたよね、いま2015年だよってはじめ、いろいろと反駁してます。
http://www.audiostream.com/content/gizmodos-garbage-dump-pono

Real-HDではヤフー記事を書いた人はオーディオファイルだけどアナログテープ派でハイレゾデジタルオーディオにそもそも批判的ではということも書かれてます。ちょっと宗教戦争っぽくもなってきてますね。
http://www.realhd-audio.com/?p=4118

フォーラムでもComupter Audiophileではこれらを受けて「ここではダブルブラインドテスト話題を禁止すべきか?」という話題が投稿されたりもしてます。「主観主義」対「客観主義」と言ってる人もいますね。
http://www.computeraudiophile.com/f8-general-forum/should-blind-testing-discussion-be-banned-computer-audiophile-poll-23277/
ちなみにHeadFiでは下記のケーブルフォーラムはダブルブラインドテストの話題は禁止です(不毛に荒れるから)。
http://www.head-fi.org/f/21/cables-power-tweaks-speakers-accessories-dbt-free-forum
DBT-FreeはDBTはDouble Blind Testでfreeは日本語的には自由にして良いって勘違いされますが禁止の意味です。Smoke free areaは禁煙場所という意味なのでご注意。

そして今度はAudioStreamでPS AudioとBlue Coast Recordsが米ギズモや米ヤフーに挑戦状を突きつけたと記事になってます。
http://www.audiostream.com/content/ps-audio-and-blue-coast-records-high-res-challenge

PS Audioは米ギズモ記事への反論を書いてます。
http://www.psaudio.com/pauls-posts/warning/
ハイレゾの差がわからないっていうのは馬鹿げている(absurd)ので、飯おごるからうちのオーディオルームでブラインドABテストしようよ、という感じ。

Blue Coast Records(DSDで有名なクッキーさん)はここで米ヤフー記事への反論を書いています。
http://positive-feedback.com/Issue77/pogue.htm
ブラインドテストは私は30年近くやってるけどフェアなテストは難しい、私のスタジオでフェアなテストの手伝いをするよ、あなたの宗旨替えを強いるつもりはないからさ、っていう感じ。

さてこの論争の行方やいかに。
posted by ささき at 23:13 | TrackBack(0) | ○ PCオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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