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2015年02月03日

単結晶銅を採用したJabenのイヤフォン用交換ケーブル、SpiralStrand

昨年の秋のヘッドフォン祭でも紹介しましたが、Jabenがヘッドフォン・イヤフォンのリケーブル用の交換ケーブルであるSpiralStrandを発売しました。長さは1.3mで主にポータブル機器のためのケーブルです。
購入は下記リンクをご覧ください。価格はバランスが17,200円(税込・送料込み - 2015/2/3現在)、アンバランスが15,200円(税込・送料込み)です。
http://jaben.net/jp/shopping/SpiralStrand.html

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SpiralStrand(PONOバランス) + Ultrasone IQ

* 線材に単結晶銅を採用

SpiralStrandの特徴はまずケーブルの線材に"Single Crystal Copper(単結晶銅)"を採用していることです。単結晶銅というとあのPCOCCが思い浮かびます。OCCはOhno Continuous Castingの略で製造プロセスのことですが、このOCCプロセスにより単結晶構造(Single Crystal structure)の銅線を効率的に製造することができます。単結晶銅の利点は結晶が単一になると境界がなくなるので信号がスムーズに行き交いできるということです。
この点について聞いてみると、たしかにあのPCOCCと同様なものであるということです。このOCCプロセスで作った古河電工のケーブルがPCOCCで、PCOCCは古河の登録商標です。一方でOCC同様なプロセスを使うことでやはり単結晶銅の線材は製作が可能ということだと思います。
PCOCCと言えば少し前に古河電工が製造停止したことでオーディオ界を震撼させたというか、話題になった線材ですね。その後にポストPCOCCとも言えるような線材も出てきていますが、これもそのひとつとなれば良い選択肢だと思います。

* 対応プラグの種類が豊富

次の特徴はとても多くのヘッドフォン端子の規格と、ヘッドフォン・イヤフォン側のプラグの規格に対応しています。特にバランス端子の選択が豊富です。選択は以下の通りです(Jaben Japanのページより転載)。 2.5mm バランスはAstell&kern第二世代用、角型ミニバランスはKobiconn(RSAタイプ)のことです。PONO(SONY HPA3)バランス向けが選択できるのもポイントです。3.5mmの普通の端子(アンバランス)もありますのでJaben Japanさんに聞いてみてください。

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Kobiconnバランス + FitEar, 2.5mmバランス + 2pin, 3.5mm + MMCX

A. MMCX <--> 2.5mm バランス
B. カスタムIEM用2ピン <--> 2.5mm バランス
C. IE8 <--> 2.5mm バランス
D. FitEar <--> 2.5mm バランス
E. MMCX <--> 角型ミニバランス
F. カスタムIEM用2ピン <--> 角型ミニバランス
G. IE8 <--> 角型ミニバランス
H. FitEar <--> 角型ミニバランス
I. MMCX <--> 3.5mm ペア(ソニー)
J. カスタムIEM用2ピン <--> 3.5mm ペア(ソニー)
K. IE8 <--> 3.5mm ペア(ソニー)
L. FitEar <--> 3.5mm ペア(ソニー)
なお、ソニー用のものは Pono のバランスモードにも使用できます。
以下はアンバランスです。
M. MMCX <--> 3.5mm アンバランス
J. カスタムIEM用2ピン <--> 3.5mm アンバランス
K. IE8 <--> 3.5mm アンバランス
L. FitEar <--> 3.5mm アンバランス

* 音の印象

またSpiralStrandは価格の割に音が良い点も魅力です。せっかくPONOバランスの選択があるので、PONOと組み合わせて試聴してみました。

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デジタルプレーヤーはPONO Playerで、イヤフォンはWestone W60(MMCX)です。主にLINNの24bitクリスマスプレゼント曲集から聞いています。

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左:標準ケーブル 右:SpiralStrand

はじめにWestoneの標準ケーブル(3.5mmステレオミニ)を使用してPONOに接続します。標準ケーブルでもなかなか良い音質で再生ができるところはさすがW60です。
そこで標準ケーブルからSpiralStrand(シングルエンド・3.5mmステレオミニ)に変えると、ぱっと音場が空間的に広がるとともに楽器やヴォーカルはより細かなニュアンスが伝わるようになります。さらに低音楽器はより低いところまで深みが増します。全体に上質感がまして感じられ、比較すると標準ケーブルでは痩せていたようにも思います。標準ケーブルでは粗さが感じられたところが、SpiralStrandだとなめらかに音の縁取りがなされる感じです。特に弦楽器の鳴りで感じられますね。SpiralStrandの方は楽器を上質なものにしたように感じられます。静かなピチカートなんかでもそれは顕著です。またThe Man who said..のジャズヴォーカルもSpiralStrandのほうが表情豊かで肉質感があるように感じられます。
差はかなりあるように感じられます。端的に言うと、ぱっと聞く全体の音の印象は透明感が高くシャープであいまいさが少ないというか、どちらかというと硬質感があってがっちりとソリッドでありながらも同時に滑らかで上質という感じです。音色はニュートラルで、特に暖かみも冷たさもないと思います。

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次にこのSpiralStrand 3.5mmシングルエンドからPONO(HPA3)バランス(3.5mm x2)に変えてみます。PONOではSONY HPA3用のケーブルがそのまま使うことができます。これはPONOのBlackDragonバランスケーブルを買った時にMoon AudioのDrewにも聞いてみたんですが、やはり同じだということでした。
使い方は右プラグをLineout端子に接続して、左プラグを普通のヘッドフォンアウト端子に接続します。PONO PlayerのPlaybackの設定でBalancedを選択すると対応するケーブルを使ってくださいとワーニングが出ますのでOKを押下します。

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PONO + W60バランス

3.5mmシングルエンドからPONOバランスにすると、さらに音は立体的に広くなるとともに、力強さが加わります。ブランデンブルグ協奏曲なんかも3.5mmシングルエンドだとただきれいに淡々となっていたというのが、バランスにするとぐっと力強く生き生きとして迫力も感じられます。PONOはバランスで大きく変わるのでぜひバランス化を試してほしいと思います。

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AK240 + FitEar彩バランス

このほかにバランスではAK240にFitEar彩のバランス(2.5mm -> FitEar)の組み合わせもかなりお勧めです。切れがよくパンチがあり、彩のわかりやすい音の良さがよくわかります。

SpiralStrandは春のヘッドフォン祭のJaben Japanブースで展示販売される予定ですので、興味ある方はぜひ中野にどうぞ。
なおこのほかにはJaben JapanではベイヤーのDT1350のバランスやCalyx系(CESで出た新型?)も展示されると思います。また今回JabenブースはAnalog Squre Paper(A2P)さんと合同になるそうですので、A2Pファンの方もJabenブースへお越しください。
posted by ささき at 22:29 | TrackBack(0) | __→ ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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