今日は東京インターナショナルオーディオショウのタイムロードのブースで開催されたCHORDのファンミーティングイベントに参加して来ました。イベントはジョンフランクスとロバートワッツによるCHORD誕生の背景と技術的な解説を中心にして適時試聴を入れるというものです。
通訳はおなじみジェフリーさんです。下の写真は左からジェフリー、ロバーツワッツ、ジョンフランクスです。
ジョン・フランクスは自らの背景とCHORDの誕生について語りました。彼は飛行機のアビオニクス(電子機器)の仕事をバックグラウンドにしています。飛行機は故障時の対応がシビアなので、対策については根本的なところを治す必要があります。その思想がオーディオにも活かされているということです。
ジョン・フランクス (CHORD代表)
彼のアイディアは高周波電源の技術をアンプにもちこんだことですが、20年前当時はそれはなかなか評価されなかったそうです。そこにBBCがノイズに厳しいスタジオで評価してくれ、通常は一年かかる評価を二週間で評価してくれるほどCHORDの技術に惚れ込んだそうです。そこから口コミで伸びて行ってあのスカイウオーカースタジオにも採用されるまでに至りました。(そこでルーカスのサントラを384kHzで試聴します)
そして20年前に若いロバートワッツとラスベガスで「運命的に」会います。彼は普通のDACの20倍くらい高い既成のチップでないFPGAベースのDACを作っていました。それが発展してDAC64となって評価されたわけです。DAC64は音質は抜群でしたが、かなり熱くなる難点がありました。
それが20年前のことで、それから今のHugoに至るまでムーアの法則で進化して、高性能と低消費電力を両立するに至ります。つまりはワッツとフランクスの先見の明が今日をもたらしているわけです。
ロバート・ワッツ (デジタル設計)
ワッツはまずオーディオマニアであるということがスタートで、子供のころからアンプを作ってたそうです。そのうち-200dBなんていう知覚できないようなノイズが実は音質に影響するということから興味を持ち、音は耳ではなく脳で聴くということから研究を深めています。
実際Higoを設計する際にもリスニングによる差を重視して行ったということです。これはタイミングが重要であり、計算する上でのタップ数(細かさ)がキーとなります。タップが大きければ音の止めと始まり、イメージングもはっきりしてきます。つまり元の音に近づけますが無限大はできません。
そこでFPGAの性能向上とともにDAC64->Qute->Hugoとタップ数も進化していったわけです。
Hugoの性能はロバートワッツ自身も予想していたけど、自分でも驚いたのは自然でタイミングに優れた音楽性の高さだそうです。
次に私と和田先生がファン代表ということで一言述べさせてもらいました。
私はこの最高の音をポータブルにもたらして、新しい世界を見せてくれたことに感謝し、和田博己さんがDAC64についての導入時からHugoへの期待について語りました。
Q&AではRCAの最大出力値からボリュームのステップと色の関係までHugoの質問がありました。
このミーティング通じて感じたのはロバートとジョンの絆の深さで、二人の絆はオーディオマニアということ、またアナログ(ジョン)とデジタル(ロバート)という住み分けも良い方に働いているようです。
ジョンフランクスは情熱的なオーディオ愛好家ですが、ロバートワッツは物静かなイメージもあります。しかしHeadFiの書き込みのように熱いオーディオ魂を秘めた人でもあります。
CHORD製品が単に性能が高いだけではなく、音楽性も高く評価されてるのはそうした二人のオーディオ魂から来ていると感じました。
他には新製品でプロトタイプのhugoアンプ(モノブロックで8Ω70W出せるスピーカー駆動できるタイプ)などの情報もあり、最後には新製品の黒いHugoとHugoケースも披露されました。自分の携帯をつけて使いやすいように考えられサムストラップ(グリップ)も操作性を意識しています。
ブラックHugo
HugoケースとAK100mkIIとタイムロードさんのOP-TL1ケーブル
片側は余剰ケーブルの巻取りと、ぶつけたときのバンパーを兼ねています
なかなか濃い一時間でした。最後にロバートワッツとジョンフランクスのサインをHugoにしてもらいました ^.^
実はこのあとさらに彼らとオフレコ話をしました。ちょっと内容は書けませんが、ジョンが話して良いと言ったのは、この後も興味ある製品が出てくると言うことです。私も聞いてそれちょうだいって言いたくなりました。また私もこういうの作って欲しいといろいろお願いしました。
ブラックHugoとジョンとロバート
思うにオーディオ世界へのHugoのインパクトは大きく、私はHugoはポータブル世界に大きなインパクトがあったと感じてますが、実は同様に従来のハイエンドのオーディオ世界にも性能対価格やサイズでも大きなインパクトがあったと思います。またCHORDにとってもターニングポイントになるような製品だと思います。
Hugoはオーディオにおける新しいジャンルを作ったと言っても過言ではないし、新しいスタンダードを作りました。
これからもCHORDの動きに要注目です!
Music TO GO!
2014年09月25日
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