本日は夏のポタ研に行って来ました。以下写真はSONY RX100M3です。
まずはAK500Nの発表会です。
AK500はハイエンドオーディオを志向するAstell&Kernのひとつの目指す姿を実際に作ってみたものと言えるでしょう。ネットワークプレーヤーとPCレスのリッピング機能、SSDストレージ、USB DACなどまさにPCオーディオ全部入りの豪華仕様です。デザインのユニークさもポイントですね。
デモではトラブルもありましたが、大勢のメディアが詰めかけ、質問も熱心で注目度の高さを感じさせました。
またDENONのポータブルヘッドフォンアンプが発表されました。
プレゼンではまず長いオーディオの老舗ブランドとしての歴史からヘッドフォンへの参入、そしてポータブルという道のりで紹介がなされました。
DA10はポータブル版のDA300ともいうべき多くの特徴を持っています。まずAdvanced AL32ですがこれはまずビット拡張で32bitにしてからアップサンプル(時間軸拡張と言っている)をしています。DENONではAL32がDACに内蔵されているデジタルフィルターの代わりをしているということです。アーキテクチャの踏襲という意味ではSX1をデスクトップにしたのがDA300で、町に持ち出すのがDA10ということ。まずアルファプロセッシングありきで設計がなされ、PCM1795はフィルターをパスするのに好都合という側面があり、つまりAL32に向いているDACチップだということです。この効きと言うのはデータの下位ビットに相当するところで、例えば静寂の部分から音の立ち上がりが滑らかと言うことです。AL32はFPGAで実装されているようです。
DA300のレビューのときも書きましたが、DACマスタークロックデザインも取り入れています。ピュアオーディオ製品ではクロックのマスター・スレーブというのは良くありますが、ポータブルでは初めて聞くように思います。
まさにDA300が手のひらに入ったというイメージですが、今回はゲイン切り替えも付いているように改良されています。ただユーザー意見を聞いてくれるのは良いのですが、DA10ではアナログ入力もあるので入力端子とヘッドフォン端子が逆側にあるとバッグの中で立てた時にケーブルが邪魔になりますのでこの辺も改良して欲しかったところです。
もう一点、デザインはiPhone5に合わせたようですが、iPhoneと組み合わせたときのRF対策もApple基準の範囲で行っているとのことですが、QuickStepみたいにRFフィルターの採用などもう一歩突っ込んで欲しかったところ。
他方でヘッドフォン端子はラインアウト端子を兼ねていて、Fix切り替えスイッチで2V固定出力というのは良いですね。三段システムでDACとして使いたい人もいますからね。
使い勝手としては割と良くてスイッチ類もわかりやすいと思います。
USBはAもBも付いてるのでiOSからのデジタルはホスト(いわゆるiDevice方式)でもデバイス(いわゆるUSB DAC方式)でも受けられます。
あとあまり深く突っ込みませんでしたが、charge スイッチon/offに関係なくiPadからのUSB出力が受けれてるのはちょっと興味深かったですね。つまりCCK経由なのにiOSが電流オーバー警告だしてないで、常にセルフパワーになってるようですがプロトだからかも。
だいたい70%の音の出来だそうですので細かい音のコメントはしませんが素性は良さそうです。
電池の持ちは7.5時間と短めですがAL32 FPGAがかなり電池食ってるようです。
電源の容量は大きいんですが、DSDのときはAL32を止めるなど工夫しているそうです(DSDではAL32効かないから)。
プレーヤーも出るかもってオフレコ話もありましたが、プレーヤー部分とDAC部分が一体になっているハイレゾDAPが一番マスタークロックデザインの恩恵を得るのではないかと思いますので、ぜひDENONさんにはマスタークロックデザインでAL32使ったハイレゾDAPを出して欲しいですね。
JabenではGlove Audio、Calyx M、Hidisz AP100などを出していました。
Glove AudioはLinumバランスW60で聞いた。音が洗練されていて、パワフルなところもがっつりきてくれるのが良いですね。
Calyx MはJaben Japanが正式扱い決定です。Calyx Mについてはレビュー記事を近日公開します。
テックウインドさんのWestoneはW60が好評で生産が追いつかないそうです。いいものはちゃんと売れますね。
カスタムのES60もデモ機を聞いてみましたが、かなりクリアで厚みのある素晴らしい音でした。2穴です。Westoneもさすが老舗でJHAやNobleには負けてません。
Astell&Kernは第二世代A&Kを中心に展示してました。たくさんのイヤフォンやCyper labのpiccoloなどシステムとしての展示も力を入れてるように見えました。
こちらは隠し玉のドイツのMundorf(ムンドルフ)のAK240用のバランスケーブル。参考出展販売予定をしてます。すごいレアケーブルとのこと。AK240を据え置き化したい人には良さそうです。
トップウイングブースではHE560とiDSD microがメインで展示をしていました。HE560は出だし好調でよく売れてるようです。iDSD microとHE560の組み合わせはさすがに音質レベルは高いですね。能率の低いHE560でも十分なってるように思います。
iFIの良いところは基本性能もすんごく高いんですが、XBassや3-Dのような普通ギミック的に言われる機能でも破綻しないで自然で良く効くこともあげられます。この辺は確固たる技術的な裏付けもあり、さすがトルステン博士。
Wagnusさんでは今回から代理店としてNobleを展開していました。NobleのカスタムがWagnusさん担当です。
Wagnusさんで購入すると通常WizardオプションのSilver Negget(銀箔)が無料オプションでつけられるそうです。またWagnusさんのケーブルをつけるとケーブルが22%オフになるそうです。
Fitearではfitearを展開。人気のようで試聴の列が途切れずに続いていました。
ちょっと面白かったのが中村製作所のヘッドフォンコンディショナーです。これはアンプではなく、パッシブで音をきれいに整えるというものです。
ユニークなことにバランス対応されていて、さらに出力を入力と別にできるのでAK240からバランスで出して、ヘッドフォンは3.5mmというのが可能です。
音もパッシブでも変わってスムーズであったみのある音に変わります。DAPの場合にイヤフォン端子取りのつなぎ方ではアンプにつなぐよりこういうパッシブの選択肢が良いかもしれません。
FostexではTH500RPをゆっくり聴きましたが音のつながりがスムーズでDSD再生に特に向いてる気がしました。
アナログスクエアペーパー(A2P)では
世界初というSITを採用したポータブルアンプを参考出品していました。最近?では元アスキーの西氏のデジタルドメインがSITを採用したアンプを設計して話題になったように思います。
SITを使うと真空管的な考えで回路設計ができてかつ真空管のようなインピーダンスマッチのためのトランスが不要ということで小型化ができる利点があるそう。ポータブルには向いた素材なのかもしれません。
まだまだ開発中ということで今後が楽しみな製品です。
SITトランジスタ使ったポータブルアンプとか、マスタースレーブクロックを採用したポータブルアンプとか、ますますオーディオ世界のミニチュア感が進むこの分野ではありますね。
Music TO GO!
2014年07月19日
この記事へのトラックバック