さる6/7に上野水上音楽堂で開催された「第二回」ノルディック・ケルティック・ミュージックパーティーライブを見てきました。ノルディック・ケルティックミュージックの音楽フェスです。
これはJaben Japanをやっている大島さんのブログ「クラン・コロ・ブログ」で知りました。
http://blog.livedoor.jp/yosoys/
実は大島さんは日本のアイリッシュ音楽研究の大家であり、本も何冊か執筆されています。私もオーディオ関係で知り合う前に大島さんの本は買って持ってたくらいです。
私もマイクオールドフィールドあたりからの流れで、こうしたトラッド音楽はそれなりに興味がありました。トラッド・アイリッシュ・ケルティックといろいろな呼び方はありますが、だいたいアイルランド近辺を中心としたケルト民族の伝承(トラッド)音楽です。地域的にはアイルランドだけではなく、フランスのブルターニュとかカナダ東部なんかのケルト文化圏でも盛んです。
最近ではそれに加えてスウェーデンとかノルウェーの北欧系(ノルディック)も浸透してきましたので、ノルディック・ケルティックとここでは称しているようです。こうした音楽は伝統音楽ですから海外だけでやっているように思いますが、実は日本でも日本人がトラッドを演奏するいわばジャパニーズ・トラッド系の音楽活動が盛んで、ひとつのジャンルを形成してます。日本人の感性に合うのはアイルランド民謡とロシア民謡と言われますが、日本人にも素直に入ってこれるものなんでしょう。
このノルディック・ケルティック・パーティーはNPO主催による無料のライブコンサートで、そうした日本人バンドによるコンサートです。昼の1時から夜の6時まで10ユニットの出演バンドが30分くらいずつ数曲演奏します。CDを何枚も出しているベテランから、飲み屋で知り合ったバンドまで多彩な顔触れです。
当日の様子は下記のFacebookページで写真などを交えてたくさん紹介されています。
https://www.facebook.com/nordiccelticmp
私ははじめ開演から少し見て、中座して渋谷タワレコのサクスフォーンカルテット・アテナのミニライブ見て、もどって有名バンドのシャナヒーとドレイクスキップを見るっていう感じでした。(アテナも音が厚くてけっこう良かった)
シャナヒーは大阪のバンドで女性グループです。
http://shanachie.jp/
Ljus / シャナヒー 3rd Album
当日はゲストの女性ヴォーカル・ほりおみわさんも加えて3曲ほど披露しましたが、なかでもちょっと感銘を受けたのが「花嫁ロジー」という曲で、これは最新アルバムのLjusの収録曲です。これはバラッドというトラッドでは特徴的な物語を歌に乗せて伝えるものですが、日本語歌詞で歌われるので新鮮な感じです。美しい娘が望まぬ政略結婚をさせられる日に、かつての恋人が現れて別れを告げ船で去り、それを追いかけた彼女が海に消えて泡となる、という美しくも切ないお話です。
アイリッシュ系だと、妹に嫉妬した姉が妹を川に突き落としておぼれさせ、その体は白鳥になって川を漂い、やがて吟遊詩人がその骨からハープを作ってその姉の家に行くと、勝手にハープが歌いだして姉の悪事を暴く、という物語パターンがあってペンタングルやロリーナマッキニットが歌ってます。
こうした物語系の歌ってとてもトラッドらしいところだと感じ入り"Ljus"を帰ってからさっそく注文しました。考えてみればその場で買ってれば良かったとは思いました。
もうひとつのドレイクスキップはやはり大阪のバンドで、関西勢の勢いを感じます。関西のバンドが関東でライブをしてくれるよい機会でもありますね。この辺は(比較的)有名なので私もCDを持っています。
ドレイクスキップは編成にパーカッションだけではなく、ドラムスを導入することで躍動感あふれるステージで聴かせてくれます。
http://www.drakskip.net/menu.html
[Official] Drakskip - Steering Through the Storm
ドレイクスキップの真ん中の人が持っている変わった楽器はニッケルハルパというスウェーデン音楽でよくつかわれる伝統楽器です。MCで「この楽器の名前分かる人は手を挙げて」っていったら、会場のほとんどの人が挙手しましたので、さすが来ているのは通な人ばかりです。ただ一方で知らない人をもっと呼ばねばならないという点もあるのかなあとも思いました。
当日は雨で最後の方はけっこう冷えてきたりしましたが、半野外ステージですから通りかかった人が音につられて入ってくるようになれば良いなと思います。
シャナヒーとドレイクスキップだけでも対照的ですが、こうしたジャパニーズ・トラッドの音楽ムーブメントの良いショウケースになっていると思いますし、ぜひ来年も開催してもらいたいと思います。
Music TO GO!
2014年06月15日
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