最近オーディオ分野でも応用が目立ってきたクラウドファンディングですが、Foobar2000の作者がdBpowerAmpと組んでモバイル版(iOS,Android)のFoobar2000をクラウドファンディングで立ち上げようとしています。クラウドファンディングはKickstarterを使っています。
https://www.kickstarter.com/projects/1977265610/foobar2000-mobile
ちょっと見ると面白そうですが、このプロジェクトを見ると二つの点が気になります。
一つ目はFoobar2000の良さの一つであるコンポーネントによる進化・カスタマイズについて触れられてないことです。
iOSはセキュリティのためにサンドボックスという仕組みを設けているために、こうした点ではもともと不向きです。サンドボックスと言うのはあるアプリが保護された空間でのみ実行できる仕組みで、このため他のアプリのファイルも読みにいけません。Androidももっとゆるいですが似たような仕組みになってます。
つまり機能拡張できるのはアプリ開発者がビルドして更新するしかありません。
(ちなみにiOSではサードパーティードライバーがインストール出来ないのは管理者権限もありますが、そもそもMacOSと違ってカーネル拡張の仕組み(Kext - 動的リンク)がありません)
その代わりモバイルFoobarではソーシャルやクラウドを生かした仕組みを提案してますが、それもストレッチゴール(目標達成後)での実現ですし、カスタマイズ自在というFoobarとは別物になると思ったほうが良さそうです。
もう一点はクラウドファンディングとしてのうまみ(特典)が薄いことです。
Tシャツやイヤフォンなどもありますが、これならいらないよ、という感じ。クラウドファンディングとしては製品を安くほしいところですが、大体がベータテスターになれる権利で100ポンド以上と高いです。
製品版は無料と有料版(全機能)になるようです。有料版のロック解除コードがPerkになってれば良いんですけれども。
以上の点からFoobarに思い入れがあってどうしても支援してあげたい、レポートして行きたい、という向きには良いですが、私は単に製品が出て良さそうなら買うということにしようかと思います。立ち上がりもやはり鈍いですね。とはいえ、期間中にどうなるかわからないのもクラウドファンディングなんでウオッチは入れてます。
Foobarの良さは他にWinAmpくらいしか選択肢のない時代にあったと言う点もありますが、しかしいまはもうモバイルの世界にはNeutronとかHF Playerとかオーディオ向けとしては高度なものがありますからね。おそらくはこうしたオーディオ向けというより、いまPCの世界でもそうであるように一般向けとオーディオファイル向けのブリッジ的なところに行くとは思います。
さてFoobarというブランドをどう生かして行くのか。
*4/14 プロジェクトはキャンセルされました
Music TO GO!
2014年04月12日
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