Kickstartのところでクラウドファンディングの良いところは、作り手と買い手の近しい関係にあると書きましたが、iFI Audioも面白いアプローチを始めています。それが"クラウドデザイン"です。下記のiFi Audio(日本)のFacebookページに情報が載っています。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=644038755663254&id=449735338455976
もともとLightHarmonicがKickstarterでLH Labsとしてコンシューマーブランドを立ち上げたのはAMRに対するiFI Audioのようなビジネスモデルを意識したのではないかと思います。ゆっくりと重いハイエンドブランドが早くて軽いコンシューマーの流れに対応するブランドの試行です。
iFIの試みはクラウドファンディングではありませんが、人気の高いnano iDSDの次のMicro iDSDの開発においてユーザーの声を聴きながら行っていくということです。これは前に書いたようにindiegogoのLH LabsでのGeek Pulseを思わせます。Geek Pulseでもユーザーコメントを活用したり、メーカーからの提案をアップデートするなどして、プロジェクトの開始時と終了時では大きく異なった形になりました。はじめは低コストDACのように見えましたが、しまいにはFemtoクロックやデュアルDACのオプション提案にまで至っています。またLH LabsではGeek Forceというユーザーの声を聴くためのフォーラムも立ち上げています。
http://geek.lhlabs.com/force/home
iFIの方式ではHead-FiやiFIのFAcebookを使用しています。コメントやアップデートといったKickstarterやindiegogoなどクラウドファンディングにみられるユーザーとの相互関係を重視してそうした仕組みを取り入れていくということですね。
Head-Fiのスレッドは下記です。ちなみにスレッドのタイトルに入っているスカンク・ワークスはもともとロッキード社の先端技術ラボのことです。SR-71とかケリージョンソンとかこの辺を語りだすと私も長くなるので自制してやめておきますが、ケーブルの名前などを見るにトルステン氏もなかなかの航空宇宙マニアのようです。
(いまでは英語の慣用句として一般に秘密開発部門をskunk worksということもあります)
iFI skunkworks....micro iDSD. Crowd-Design - by you, for you
http://www.head-fi.org/t/711217/ifi-skunkworks-micro-idsd-crowd-design-by-you-for-you
すでにみながいろいろなアイディアをコメントしていますね。中にはデザインを含めてかなり具体的な提案もあります。
最近はいままでヘッドフォン世界にいなかったメーカーがこの分野に参入してきていますが、中には首をひねってしまうような仕様のものも多々あります。新しいオーディオの世界は作り手と買い手の近しさが必要だと思います。DIYとかガレージメーカーだけだった時代では当たり前だったけど、いまは考える必要が出て来ていると言うことでしょう。
オーディオがスピーカーの前で正座して聞くものから、外でヘッドフォンで自由に楽しむように劇的に変化していくとメーカー側も細かいノウハウを得るためにはやはり使っている人たちに聞くのが良いのではないでしょうか。もっと良いことは外から見ているのではなく、この世界に飛び込んできてくれることです。そしていままで持っていたハイエンドの技術とオーディオ機器のノウハウを反映してくれることです。iFI Audioはそれをやろうとしています。
Music TO GO!
2014年03月23日
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