今年は伊福部昭氏の生誕100年にあたる年でもあります。伊福部昭氏はゴジラをはじめ映画音楽でつとに知られていますが、実際は日本現代音楽の重鎮でたくさんの作品を残しています。この「二十絃筝と管弦楽のための交響的エグログピアノリダクション」は琴独奏の作品を琴とピアノの二重奏に伊福部氏自らが編曲した版です。
現代音楽っていうと調性が曖昧で難しく、聴いてると良くわからない作品を思い起こします。しかしこれは明確な美しい旋律で琴の音色が堪能できる静のパートと、ジャズのインプロビゼーションを思わせるようなスピード感のあるピアノと琴の絡み合う動のパートが見事に対比された聴きやく感動的な作品です。これが初録音というのはもったいないくらいの良い作品だと思います。演奏も素晴らしいですね。
また録音も良いと思いますが、琴の音色をじっくりと楽しむのも面白い機会です。琴は琴線に触れる、という言葉もあるくらい良い音色の楽器ですが一般にはなじみ少ないですね。琴って雅楽・邦楽ではおなじみですが、わたしたちは近代西洋調性の音楽に慣れてるので、むしろ邦楽や雅楽から離れたこうした作品で琴の魅力を再発見できるのかもしれません。
カップリングされたピアノとヴァイオリンの作品も同様に素晴らしいもので、またピアノソロの子供向け作品ではなじみのあるメロディも随所に出てきます。怪獣総進撃マーチがそのまま「楽しい学校」ってタイトルがつけられていると、まあ似たようなもんかと思う面白さもあります。
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来週のテレビ朝日系列の題名のない音楽会でも伊福部昭の生誕100年特集が放映されるということです。
ちなみに今年はライカ生誕100周年でもあります。下記リンクの日本カメラ博物館で展示を行っています。また今年はフォトキナ開催年ですので、どんな100周年記念モデルが出てくるか、、戦々恐々です。
http://www.timeout.jp/ja/tokyo/event/9943