Schiitの低価格「DSD専用」DACのLokiが届きました。
http://schiit.com/products/loki
サイズはとてもコンパクトで、片手で持てるくらいです。これはSchiitのコンパクトサイズスタックのMODI(USB DAC)/MAGNI(ヘッドフォンアンプ)と同じサイズです。ミニチュア感覚があります。
DSD専用と言ってもLokiではLAMPIZATORのようにDACチップ不使用タイプではなく、普通にDACチップを使用しています。使用しているのはDACportなどと同じAKM4396ですが、Modiも同じチップを採用しています。おそらくSchiitでははじめはModiをDSD対応にする開発をしていたんだと思いますが、やってみるとPCM/DSD両用にするよりもDSD専用で設計したほうが音が良いということになってDSD専用としたんではないかと思います。そのため、運用としてはModi/Magniと3段重ねで使うのがまずありうるでしょう。
LokiはDSD専用というよりもDSD最適化DACというべきものかもしれません。DSDに最適化した出力段とフィルタリングでよりクリーンな出力を取り出すことができたということです。
Lokiはバスパワーで動作します。本体前面にはUSB接続LEDとDSDにロックしたことを示すLED、そしてプッシュスイッチがついています(ボリュームではありません)。プッシュスイッチはアナログINをアナログOUTにパススルーするための切り替えで、Modiからのアナログ信号をLokiのINに入れて、ModiとLokiのコンボでPCMとDSDの両対応を果たすというわけです。
LokiはMac/PCからDoPで転送します。MacのAurdirvanaで試してみました。
LokiはPCMを再生すると無音となります。DSDのときにLEDが光り、再生がなされます。楽曲の切り替えにポップノイズが少し出るのはまだDoPハンドリングに慣れていないようにも見受けられます。ただあまり盛大ではありません。
Schiiitでは安いけど音質は高価なものにも負けないよと言っていますが、たしかに出てくる音はなかなか価格にしてはすぐれたレベルの音質だと思います。
音の性格はSchiitらしくニュートラルで無着色系です。音にはきちんとDSDらしく自然な再現で角がなく滑らかでありながら芯があって解像感もある、という特徴が聞き取れるのでDSD専用機としてもきちんと機能していると思います。
アコースティックギターのピッキングもシャープでかつエッジはなめらかで聴き疲れが少ない感覚です。ピアノの音もリアルでよいと思います。バロック合奏では個々の楽器の音が明瞭でいて、古楽器の倍音たっぷりとした自然で滑らかな鳴りを聞かせてくれます。オーケストラでは組み合わせるアンプにもよると思いますが、迫力と深みもそれなりにありますけれどもこの辺は高価なものに比べて物足りなさはあるかもしれません。
いずれにせよDSD入門機としては十分なものだし、DSD専用機として興味深いと思います。この辺はLokiのPCM版ともいうべきModi(実際は逆ですが)と比べるとより明確になるでしょうね。
説明書にはやはりLokiは北欧神話のトリックスターだからDSDをオーディオ界のトリックスターとなぞらえたことが書いています。つまりはまだよくわからないDSDというものをまず低価格($149)のLokiで試してみませんか、という狙いもあるようです。DSD対応DACのように設定が不確かだとPCMが出てるかDSDが出てるかわからないということもないので、DSD専用DACをDSD入門用に使うというのも分かりやすくて良いかもしれませんね。
Music TO GO!
2013年09月14日
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