公開中の役所浩二主演の映画「叫(さけび)」のテーマ曲です。ちょっと前に予告番組を見て歌が気に入ってしまいました。 こちらの公式ページで試聴(PV)が出来ます。
http://www.nakamura-ataru.jp/
もとは恋の歌ですが、映画のテーマとうまく歌詞を絡めているようです。
映画が面白そうと思ったのは、主人公自身が自分が犯人かもしれないと思いつつ、連続殺人なのになぜかすべて別の犯人が見つかるという謎。そして予告を見ていてもこの映画がミステリーなのか、ホラーなのかわからないので結末が予測できないという点です。
たとえば小説の場合は推理作家の書いた小説の場合は最後はかならず論理的な結末がありますし、ホラー作家の書くものは超常的な結末となるでしょう。
しかしどちらともつかないものはそうした物語の方向性も予測できないので展開を手探りで楽しむ面白みがあります。
小説でも似たような感覚の面白さをもったものがあります。
たとえば井上夢人の「メドゥサ、鏡をごらん」です。
「メドゥサ、鏡をごらん」は、ある小説家が自宅で謎の死を遂げたところからはじまります。その死は異様でコンクリートを満たした木枠に全身を塗りこめていました。そして傍らには自筆で「メドゥサを見た」というメモが残されています。
警察は異常ながら自殺と断定しますが、作家の娘とその婚約者はその謎を解くために生前に書かれていた最後の原稿を探し始めます。しかし何かがおかしいことに気がついていき、次第に自らその謎に。。
この書き出しだけ見てもはたして結末がなんらかのトリックによるものなのか、超常現象によるものかということが予想できません。そして半分くらい読んでも見当がつきません。
まさにこの小説の面白さはそこにあると思います。ミステリーなのかホラーなのかジャンルを当てはめることが出来ません。そのため結末が予測できません。
そしてあるところで「ああ、こうした話だったのか」と単純に納得しそうになるところがあります。しかし、この小説の真骨頂はその後です。読み進めるとかならず「え?、なにが起こったの?」と思わず口にしてしまうことでしょう。
あ、音楽のこと書いてなかった(笑)
Music TO GO!
2007年03月25日
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インパクトでしたね〜。
とても「大どんでん返し」が上手い作家さんだとおもいます。
この、「大どんでん返し」感は、小説読みのひとつの醍醐味ですねぇ。
意外な展開・結末というとわたしは本格ものというよりは叙述ものがけっこう好きです。東野圭吾もはじめは叙述ものの作家というイメージでした。あとは折原一とか、「あの人がその人なら、いったいここにいる人はだれ??」みたいな(笑)