Music TO GO!

2013年06月11日

HifiMan HM901製品版の出荷開始とインプレ

HifiMan HM901については以前2012秋のヘッドフォン祭のときにプロトタイプをレビューしましたが、先日めでたく出荷が開始されました。そこで生産版をヘッドフォン祭(2013春)から使用してみての感想をまた記事にしてみました。下記の前回のプロトタイプの記事も合わせてご覧ください。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/303979241.html

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こちらは製品版のパッケージです。外部入出力は専用の端子なのでアナログラインアウトとデジタルイン・アウトの専用ケーブルも入っています。

IMG_1197_filtered.jpg  IMG_1200_filtered.jpg  IMG_1198_filtered.jpg

記事を書きかけで途中でファームの更新があったのですが、まずはじめのコメントはシステムバージョン1.070で聴いていました。
さすがに音質向上に時間をかけたと言うだけあって、プロトタイプよりさらに磨かれて高いレベルになっています。自然でかつ豊かで精細な音で、デュアルの効果か、9018っぽいというかESS臭い分析的で冷徹なところはだいぶ印象を変えています。音楽性と音像の解像性能をとても高いレベルで両立させています。上原ひろみのVoiceではがっちり詰まった音の密度感とインパクトの強靭さ、ライブのような迫りくる迫力というものが感じられます。一歩引いた客観的・分析的な感じはしません。この音の密度感・実体感・重み、精巧な金属の切削加工品のような楽器音の磨かれた音像再現力、明瞭な立体感と定位、そして前にがっつり来るような迫真性というのがHM901の良いところだと思います。
音質のレベルはDX100やR10よりもさらに良いという感じで、これらよりさらに一レベル以上は上ですね。音が単に細かいとかシャープっていうところを超えた音の洗練があり、持ち運ぶハイエンドオーディオ的な感じがします。低域の重み密度感というのもあまり感じたことがないくらいです。下記のスピーカーデモで自信を持っているように、DAPというより他の一般的なハイエンド製品と比較できるようなレベルにあると思います。
HM901はDACのみならずアンプ性能が高く余裕がある感じですね。ただ反面でカスタムIEMなんかにはスタンダードカードもハイエンド(バランス)カードも、ややゲインが高すぎる傾向はあると思います。ここはぜひ801のようにイヤフォンカードもほしいところです。イヤフォンではK3003がいいかなあと思います。ただK3003の場合はHD設定だとやや高い音がきつくなりますのでVintage設定が良いと思います。
このHDとVintage設定はローパスフィルターによる高域の設定で、差が微妙では分かりにくいところもありますが、通常はHDにしておいて、高域が刺さるとかきついという場合にVintageにすると良いと思います。

下記画像側面にHD/Vintageの切り替えスイッチがあります。
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ファームウエアを1.074にあげると少し音の強さが緩和され(た感じがするため)イヤフォンにも少し向くようになり、1.070より主に中高域の明瞭感が高くなり、立体感も上がった感じがします。また低域はやや抑え目になって、全体のバランスはよくなったように思えます。1.074ではJH13+TWagがもっとも良いかなと思えるようになりました。

アップデートはトップウイングさんのサイトからHM901の項をご覧ください。
http://www.twctokyo.co.jp/

下記はプロトタイプと製品版で違いはあまりわかりません。ただ製品版は側面放熱口にメッシュが入っています。底面は製品版のものです。

IMG_0575_filtered.jpg  IMG_0574_filtered.jpg  IMG_1355_filtered.jpg

操作性ではプロトタイプ(前回の秋のヘッドフォン祭でのデモ機)に比べるとコントロールホイールの品質が少し落ちているようでやや操作しづらくなっていますが、反面でバッテリー室のドアにロックがついたりと改良はされています。HM901の特徴でもある豪華なステップアッテネーターは変更ありません。
バッテリーについてはプロトタイプは2-3時間しか持ちませんでしたが、製品版では私の使用でこの倍以上は持つと思います。公称の9時間は使用条件次第となるでしょうか。

もうひとつ気がついたのはSDカードで音質が代わるということです。(これも1.070のときの印象ではありますが)
AK100/120はMicroSDカードのブランドをいろいろ変えてもあまり音質の差はありませんが、HM901はSDカードで音はかなり変わるように思います。私はカメラ用に高速SDカードをいろいろ持っているので少しくらべてみましたが、Transcend 128GB、Sundisk Extream Pro 32GB、Lexar 128GBと比べてみましたが、Lexarが特に音が良いです。これはスピードかと言うとそうでもなく、Extream Proの方がスペックは早いんですがOEM入出力コントローラの相性があるかもしれません(カメラの世界ではよく言われることです)。

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販売リンクは下記のフジヤさんサイトを参照ください。
http://www.fujiya-avic.jp/products/detail14665.html

一番気に入った組み合わせはHM901+ハイエンドカード+Lexar128GB+AKG K3003+Vintage設定です。1.074ではJH13もお気に入りです。
もっとも、ベストはヘッドフォンのEdition8を組み合わせることだと思います。ただもう暑い季節なので。。
次なるアンプカードも楽しみなところです。
posted by ささき at 21:45 | TrackBack(0) | __→ HiFiMan HM-901, 801 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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