xDuoo(エクスデュオ―)は中国の新しいブランドですが、DAC内蔵型のポータブルヘッドフォンアンプでポータブル機器とのデジタルの組み合わせで面白い使い方を提案しています。今回はXD-01を紹介します。下記はxDuooのホームページです。ホームページにはDAPなどの製品も見えます。
http://www.xduoo.com/xduoo/
XD-01はスリムでコンパクトなDAC内蔵のポータブルアンプです。
前面にはヘッドフォン出力とアナログ入力(ラインアウト兼用)が装備されています。またゲインも二段階で切り替えが可能です。背面にはデジタル入力として光(角端子)とUSB(マイクロB)、SPDIF同軸(RCA)が装備されています。また背面には2つのスイッチがあり、ひとつはデジタル入力を192kにアップサンプリングするものです。そしてもうひとつでUSBを充電用として使うかどうかが選択できます。実はこれがiPad使用においてポイントとなります。
USB DACとしては96/24までのハイレゾ対応でUSBコントローラはTAS1020です。同軸と光入力においては192/24まで対応しています。全面のラインアウト(IN/OUT)から別のアンプにケーブルで接続することでXD-01を単体DACとしても使用することができます。
* XD-01とAK100の光デジタル接続
AK100は単体でも音は良いですが、光デジタルアウトを備えているのも特徴です。それを生かすにはこのXD-01が好適です。XD-01はDACとしてWM8740を採用しています。これだけだとAK100と同じですが、XD-01ではシーラスロジックのCS8422を使用してASRC(非同期サンプルレートコンバーター)を使用して微妙にリサンプリングさせながらジッター低減をしています。これはポータブルならColorfly C4、または据え置きのBenchmark DAC1やDigital LinkIIIなどで使われた手法です。これに加えてわりと優れたアンプを搭載していますから、トータルシステムとしての音質はより優れているというわけです。またXD-01では44kのCDリッピングソースでも192kにアップサンプリングすることが可能です(たいていASRC機材とアップサンプリングは組みの機能です)。
上の写真は付属のケーブルで接続したものです。市販の光接続ケーブルはたいてい長いので、こうしたポータブル機材に使うには向いていないので、この手のDACではまず光ケーブルを探すのが苦労なのですがXD-01ははじめから適度な長さの光ケーブルが付属してついているのが良いところです。音質としてはSys-conceptのものより透明感や解像感は落ちますが全体のバランスはそう悪くはありません。もともとXD-01の性能がなかなか良いので当面はこのケーブルを使っていても良いと思います。
そして物足りなくなったらSys-Conceptの90度ケーブルに変えると音質だけではなくケーブル側を下に出来るので取り回しも向上します。下画像ではSys-concept 1300 strandケーブルを使用しています。
sys-conceptの紹介ページは下記です(ここの日本語文を書いたのは私なんですけど)。
http://www.sys-concept.com/U-toslink_miniplug.html
90度ケーブルはコネクタの向きや角度を指定して実測でケーブル長を指定するので面倒なのが難ですが、私と同じ構成の場合は下が私の注文したオーダーですので、同じでも良いと思います。中心間距離が3.6cmで角度は26度、シェルなしの1300 strandケーブルです。
ただし条件としては私と同様にAK100とXD-01の間にはスペーサーを入れてないということですね。クッションなどを入れて使っている人は長さや角度がずれますので実測が必要です。
1300-strands fiber, For AK100/xDuoo XD-01, Toslink to MiniPlug dia. 2.2mm - 3.6cm c2c 26deg. w/o shell
購入はこちらのページからadd cartしてコメント欄に条件を書いてください。条件は先の紹介ページに書き方が書いてあります。
http://www.sysconcept.ca/product_reviews_info.php?products_id=349&reviews_id=98&osCsid=pdln44fk1dc2vod5epobogmdp5
Sys-Conceptに変えると透明感が一段と高く再現力も細かくなり、周波数帯が上下に伸びてレンジが広がるように感じられます。また全体的により洗練されてリアルな音再現になります。
AK100+XD-01は音質的にもレベルが高く、コンパクトであつらえたようなパッケージです。Sys-Conceptケーブルとの組み合わせではすばらしい再現力を発揮します。AK100の良さをそのまま向上させたようなニュートラル基調でリアルな再現力を堪能できます。いまのお気に入りはUE18/Whiplash TWagとの組み合わせです。
AK100とXD-01の組み合わせにおいて、透明感が高いところはDAC・アンプ一体型の利点を感じさせます。特に透明感が高いからきつさもあるというのではなく、滑らかでロックポップのような粗い録音でも痛さはあまり感じないところが良いと思います。AK100単体で聴くよりももちろん高性能です。AK100単体では比較すると痩せた感じに聞こえます。
サミュエルズ・アンプのように個性的というわけではありませんが、中庸的にバランスのとれた高音質という感じですね。逆に音調的にもAK100と大きくかけ離れていないので、AK100の音質をそのまま深く豊かに細部をより浮き出させるように向上させるように感じられます。
電池の持ちについてはAK100とXD-01を両方フルにしておいて、同時に再生し続けていると先にAK100の方が切れるので、XD-01自体は十分な容量があると思います。
* XD-01とiPadのUSBデジタル接続
もうひとつのXD-01のポイントはUSB接続を生かしてiPadからのデジタル出力を受けることができるということです。これにはiPadとカメラコネクションキットを使用しますが、この問題点は消費電力の制限があることです。しかしXD-01の良い点はさきに書いたようにChargeのオンオフができるということです。そのため、Chargeスイッチはオフ側に倒してから接続するとこの問題を回避できます。このため電力供給ハブなどは不要で直で接続できます。下右の写真の左側のChargeスイッチの位置に注意してください。
ただし性能の良いUSBケーブルで片側マイクロUSB Bという端子のものがないので、ここではオーディオ用のUSBケーブルにミニBとマイクロBの変換コネクタを使用しています。
ちなみにLightning-microUSBアダプターは使用できません。(実際にやってみました)
ちなみに少し前のGo-Vibe vestでもChargeボタンがあるのでやはりiPadと組み合わせて使えます(試してみました)。vestではミニUSB Bですのでケーブル選びは楽かもしれません。
AndroidでもGalaxy S3などはこの方式で接続ができると思います。
Androidにおいては接続が推奨されてるのはxDuooではXP-01の方ですが、XD-01でも大丈夫でしょう。ただしUSB OTGケーブルが必要です。(iPadではカメラコネクションキットがUSB OTGケーブルの役割をします)
この点でXP-01の方はさらにこのための短いUSB OTGケーブルが付属していますのでよりAndroidとの接続には向いています。XP-01で接続要件としてAndroid4.0以上とされてるのはホスト機能のためだと思います。以前書いたアクセサリープロトコル(2.0)を使う方式では4.1以上が必要です。ここは混同しないように注意ください。また4.0以上でも使用できるAndroid端末は限られています。この辺はこちらのリンク参照のこと。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/13805095-1.html
他にはGo-DAP、ADL X1(未発売)やFIIO E18(未発売)などもこの方式を使用しているでしょう。
xDuoo製品の良いところは買ってすぐ使えるように必要なアクセサリーが同梱されているところです。たとえばXD-01では短いサイズの光ケーブルが入っていますし、XP-1ではB-BのOTGケーブル、しかも組み合わせの自由が効くようにmicroBの端子の向きが反対のものが入って2つ用意されています。またXD-01ではAK100などと組み合わせるゴムバンドが入っていますが、XP-1ではスマートフォンと組み合わせやすいように両面テープとマジックテープまで入っています。
ポータブルアンプも市民権を得てきたと言っても短いケーブルなどのアクセサリーなどがけっこう入手できなかったりしますが、けっこう細かいところまで気配りされてる点には好感が持てますね。
Music TO GO!
2013年03月25日
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