Music TO GO!

2013年03月20日

フランス製のデザインに優れたヘッドフォン、Aedle VK-1 ヴァルキリー

Aedle VK-1 はフランスの新興ブランドで、昨年のはじめくらいにデザインが優れたヘッドフォンとして話題をまいていました。VK-1は愛称をVALKYRIE - ヴァルキリーと言います。クローズタイプのポータブルヘッドフォンです。

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こちらにホームページがあります。
http://www.aedle.net/

はじめはデザインだけのプロトタイプかと思っていましたが、昨年後半になると真面目に生産に向かってやってるらしいという情報が伝わってきて、上のホームページに制作過程を描いた動画がアップされてたりしました。そして昨年暮れにプリオーダーを取ったのでカッコよさに惹かれてさっそく注文をしてみました。価格は250ユーロで送料は30ユーロでした。
その後今年のCESで実機が展示され、日本でもポタ研でデモ機が展示されたりしました。当初は二月末出荷予定でしたが、少し遅れて私のも含めたはじめの500台がファーストバッチとして3/15に出荷されました。(Classicが400台でカーボンが100台)
現在は品切れ状態になってます。

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これはVK-1 Classicというタイプで、金属のフレームとハウジング、革のパッドとヘアバンドが素晴らしく美しいヘッドフォンです。他にはカーボンブラックのタイプもありました。

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250ユーロにしてはパッケージのプレミア感はありますね。中には保証書代わりに金属のタグが入っています。背面にはシリアルが入っています。私のは110番台でした。(予約開始から2-3日くらい遅れてたかも)
パッケージには少し大きめのヘッドフォンポーチもついています。

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VK-1はデザインの良さがポイントだけに航空機グレードのアルミニウム切削ハウジングやラムスキンイヤパッドなど高級感と洗練されたデザインがいい味出してます。見て楽しむヘッドフォンでもありますね。縫製は手縫いのようで荒さもありますが微妙な不揃いさに味があります。

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ハウジングのイヤカップはオンイヤー型で耳にぴったり収まる感じ。ヘッドバンドの長さはヘッドフォン基部の金属のパイプの上下によるのであまり幅は大きくはありません。その分で見た目はスッキリして良いところもありますね。わりと側圧もしっかりしていて遮音性もそれなりにあります。ポタ研でみたデモ機よりもがっちりした感はあります。
ケーブルは着脱式でミニとミニの接続です。二種類のケーブルが付属していて片方にはiPhoneリモコンがついています。

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火曜に届いて一日くらいエージングしてからiriver AK100ストック(標準品)で聴いてみました。(画像にはxDuooも映っています)
全体的な印象は甘くて柔らかめでベースヘビーという感じです。また空間表現はコンパクトな割には意外良くて雰囲気の再現も良いですね。AK100単体でもかなりベースのインパクトがあり、ポータブルアンプを足すとベースヘビー感は強くなります。ただし単に膨らんでるということだけではなく、ソリッドなインパクトもあるのでパワフルなベースと感じます。コンパクトなわりにはベースの重厚感があって迫力もたっぷりあるという感じですね。和太鼓のインパクトも打撃感が十分伝わってきます。高域が抑えられていて全体にも甘い感じではあるけれども、音色自体は悪くないですね。金属のベルなど楽器の音自体はきれいです。
高域は刺激が抑えられていて、ヴァイオリンなどはくっきりした明瞭さやシャープ感はないけれども、反面でまろやかで聴きやすく聴き疲れはとても少ないですね。高域の感じはB&WのP5みたいな抑えられた感じです。
男声ヴォーカルは太くて迫力がありますが、女声ヴォーカルは少し弱めにはなります。音の広がりというか空間的な豊かさも割と良いので、音楽を分析的ではなく雰囲気で楽しむタイプですね。高域の痛さもなくベースの迫力はすごいのでロックにはなかなか良いと思います。

iPhone直で聞く時はSonicMaxみたいに細かくイコライザーが調整できるものが良いでしょう。それと良かったのはaudyssey music playerで、もちろんVK-1はないけどDreのBeats Soloあたりと同傾向だろうと思ってSolo設定にしてみたらけっこう当たりでした。中域のクリアさをこれで少し出すことができます。Solo HDよりもSolo設定の方が良いと思います。

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このFugenn & The White ElephantsのPraysみたいにノリの良い打ち込みエレクトロニカ系とかダンス系には良いヘッドフォンだと思います。Deleriumなんかの系も良いですね。

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同じフランスのポータブルヘッドフォンということでFocalのSpirit Oneと比べてみると、VK-1は215gSpirit One(225g)よりやや軽量でオーバーイヤーのSpirit Oneに比べてオンイヤーのVK-1の方がかなりスリムでコンパクトに見えます。ただし多少折り曲げられるSpirit Oneに比べるとVK-1は折り曲げできません。デザインや作りこみは金属と革のVK-1はブラのSpirit Oneを圧倒しています。音に関してはSpirit oneの方がクリアでVK-1は甘め、低域はVK-1の方がよく出て量感もたっぷりあります。


VK-1は難しい顔をしてクラシックやジャズのハイレゾを聴くヘッドフォンではなくて、スタイリッシュなデザインのヘッドフォンを外に持ち出してノリの良い打ち込みたっぷりの曲を楽しく聴くのに向いていますね。AK100でクラブ系を聴きたいっていう人にも良いでしょう。一方で器楽曲をゆったりと聴き疲れなく楽しみたい人にも良いかもしれません。
アメリカでは高いながらDreのヘッドフォンがかなり売れていて、ちょっと高めのDJタイプのようなジャンルがあるようですが、VK-1はそれをフランス風にセンスの良いデザインをアレンジしたもの、という見かたもあるかもしれません。

私的にはヴァルキリーというとXB-70なんですが、XB-70は航空機史上もっとも美しい機体と言われていて、メディアに出てくるたいていのヴァルキリーというメカの愛称はこのXB-70がもとになっていることが多いほどです(もともとはワルキューレなのにヴァルキリーという英語読みのほうが広まったのはこのため)。このVK-1も美しいデザインで、持つ喜びを持ったちょっと眺めていたくなるヘッドフォンと言えますね。
posted by ささき at 18:26 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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