PS Audioのポール社長のブログでDSDを利用したフルデジタルアンプの可能性について言及されていて興味を引きます。
http://www.pstracks.com/pauls-posts/class-dsd/9902/
これは一連のアンプ話の流れでデジタルアンプ(D級アンプ)に言及したものです。
上記ページの図を見てもらうとわかるのですが、一般のPWM方式のデジタルアンプで入力信号の他になぜ三角波を使うかというと、コンパレータ回路(比較器)を通して入力信号と三角波(基準波)を比較してPWMでパワーICを制御するためのパルス幅を決定するためです。
連続的なアナログ的にパワーICを制御するためには元の入力信号が連続的に遷移するアナログのような信号である必要があります。(連続的と言ってもスイッチングノイズが出るので後でフィルターなどで取ります)
よくCDのデジタルアウトをデジタルアンプに接続すると全行程フルデジタルに思えますが、実際はそう簡単ではありません。まずCDで使われるPCMとデジタルアンプで使われるPWMはまったく違う方式です。そしてPCMのままで電流を増幅する(パワーICを制御する)ということはできません。PCMでは信号として見ると連続的な遷移ではないので、そのままコンパレータ回路を通すということは意味がないからです。そのため多くの場合は、入力がデジタルでもいったんアナログに変換してからコンパレータ回路に通してからPWM信号を取り出すわけです。
しかし、DSD(PDM)はデジタル信号ですが0/1の粗密の連続的な遷移による信号ですから、PCMとは違って直接あるいはローパスフィルターを使ってコンパレータ回路に通せるのではないかと言うわけです。
これは今年の夏にPS Audioが出すというデジタルアンプの前振りのように思えます。
またこのPS Audioが出すというデジタルアンプの特徴はHypexのモジュールを使用するということです。これは低インピーダンス出力と先に書いた後段のノイズフィルタリングの両立ではHypexの技術が群を抜いているからとのこと。
HypexはあのiQubeのデジタルアンプを設計したBruno Putzeyの会社ですね。iQubeのリファレンス的な性能の良さもわかるというもの。ちなみにHypexの技術を採用したもので日本で他に入手しやすいのはB&WのZeppelin Airがあります。ここでは電源とアンプにHypexの技術が使われています。(Zeppelin Airのホームページには言及ないと思いますが)
Music TO GO!
2013年03月14日
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