Music TO GO!

2007年02月01日

ゼンハイザーHD25-13 !

わたしが良く使っているゼンハイザーHD25は一般的に流通しているHD25-1という70Ωのものですが、HD25シリーズは他にもあります。そのひとつはこのプロ流通のスタジオ用"HD25-13"です。
HD25-1とHD25-13の違いは"-13"が600Ωの高インピーダンスであるということと、ケーブルが"-13"はOFCで3mの標準プラグになっていることです。

hd25-13c.jpg

なぜプロ用は600Ωという値になっているかというと、これはもともと電信電話産業で長距離伝送のさいの機器のインピーダンスマッチングのために600Ωという値が制定され、それが放送業界やレコードスタジオで受け継がれて標準のひとつになっているということのようです。
また放送用のヘッドホンには2000Ωのようにもっと高いインピーダンスを持つものもあるようですが、なぜプロ用は高いインピーダンスが必要かというと、現場で使われるときにはヘッドホンは何人も同時に聞けるようにひとつの回路に複数のヘッドホンを並列につなげるというところにポイントがあるようです。こうして抵抗であるヘッドホンを回路に並列につないだ場合、それぞれのヘッドホンの抵抗値は単体でつないだものより低くなります。そのためたくさんつないでいくと抵抗が低くなりすぎるので、それを防ぐためにはじめから高い値にしておいているということです。


しかしここで考えているのはそうしたものよりもむしろ音質的なメリットです。
たとえばER-4PとER-4S、あるいはER-4Pと24Pアダプタのようにインピーダンスの違いだけで音がタイトに締まってくるということがあります。
アンプのところで駆動力という言葉を出したので、ここでは制動力という言葉がふさわしいかもしれません。
スピーカーのダンピングファクターの考え方をすると、アンプが同じならばヘッドホン側の抵抗が大きいほどダンピングファクター、つまり振動板の慣性吸収力は高いと言えます。つまり動かしにくくなる訳ですから、高いインピーダンスのヘッドホンはアンプに余分なパワーが必要です。しかし一方で止まり易くなる訳ですから、その動かすことの出来るパワーが与えられればより正確に制御された歯切れのよい音になります。
それをX1HA-EPCとHD25-13に期待しているわけです。

わたしはHD25の厚みのある密度感が好きなんですが、一方でHD25の一番のネックは音のコントロール・タイトさが足りないということだと思います。そこでHD25-1に対してHD25-13を考えた訳です。
実際は制動力はダンピングファクターだけで決まるのではありませんし、逆起電力に基づくダンピングファクターの考え方をそのままヘッドホンに適用できるかは分かりませんが、求めている答えの一つにはなりそうです。
といいますか、結局のところ自分で納得できるなんらかの理屈をつけると財布の紐がゆるくなるわけです(^^

これは通常の流通ではないので取り寄せになりますが、フジヤさんはプロ機材も扱えるので取り寄せてもらいました。
興味のある方は問い合わせてみてください。定価はほぼHD25-1と同じくらいのはずですが、値引率はHD25-1より少し渋くなるかもしれません。

hd25-13a.jpg          hd25-13b.jpg

パッケージはプロ用だけあって簡素なものです。日本語解説書もありますがHD25-1用です。
ケーブルは両方とも上から出す形式になっていて-1とはちょっと違います。

hd25-13e.jpg          hd25-13f.jpg

とりあえずケーブルをむしってポータブル用に改造する前に(笑)せっかくの-13用ケーブルがついているのでホームアンプでも聴いてみました。
GS-X(標準プラグ)で聴くとHD25-1の荒さがなく普通に音がいいという感じがします。この専用ケーブルがひとつポイントかもしれないですね、HD650(の標準ケーブル)のような柔らかい感じがちょっと出ている気がします。
高域のきつさは少なく低域も無意味に膨らまないので全体に少し洗練されていますが、HD25のインパクトのあるキャラクターは生きています。
やはり側圧が高いので家で聴くのはやや快適さを損ないますが、HD25の密度感ある濃い音を家でも楽しみたいという人にはいいかもしれません。
バランスではインピーダンスの高いHD25-13はさらにあうと思いますが、また後で書きます(Blogのカテゴリーは"HD25-13"で書く予定です)。

しかしHD25-13のハイライトはやはりポータブル機につけることです。
つまりX1HAの導入もHD25-13の導入も実はセットで考えていました。実際にこの組み合わせはちょっとすごいものがあり、ひとことでいうと新たなスタンダードを確立する可能性を秘めていると思います。高いインピーダンスでX1HAのノイズフロアを見かけ低くできるというシナジーもひとつあります。
これはまた後で詳しく書きます(Blogのカテゴリーは"X1HA-EPC"で書く予定です)。

それとHD25-1に-13のOFCケーブルをつけるというのも書いてみたいですね(Blogのカテゴリーは"HD25-1"で書く予定です)
うーん書くネタがたくさん膨らみます(^^
posted by ささき at 22:50| Comment(12) | TrackBack(0) | __→ Senn HD25-1, -13 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日、GCHAを取りに行った時にHD-25にプロ用があるのを知ってますか?と店長さんに聞かれました。(^^; うーーむ、こういう事だったのですね。ノーマルとの違いが気になります。
Posted by rx78 at 2007年02月01日 23:09
GCHAゲットおめでとうございます。
HD25-13もGCHAにあうかも! (^.^
Posted by ささき at 2007年02月01日 23:57
Sennheiser USAのサイトを見ていて、面白そうだなと思ったのですが、その頃はK81DJに嵌っていて、HD25もいろいろ弄くった後だったので、所詮HD25なんでしょうとしか思っていませんでした。レビュー楽しみです。
Posted by Sulcata at 2007年02月02日 00:25
たかがHD25、されどHD25、という感じでしょうか、ふふ(^.^
Posted by ささき at 2007年02月02日 01:00
見た目は-1とソックリなのですね。
 
HD25-1は普及率が高いから買いたくないなーと思っていましたが、これはホスィです(^^;。
Posted by ハル at 2007年02月02日 01:17
これまたレアなところを・・・・(*´□`*)
前半が購入のための言い訳と言うところがnice!です。(w

確かにインピーダンスで見かけ上のノイズが減るのはX1HAにもってこいですね。きっと大好きな音だなぁと妄想してます。聞けるのを楽しみにしてます。(^^
Posted by rabbitmoon at 2007年02月02日 07:53
ハルさん、どもども。
わたしもちょっと変わったところを狙ったというのも否定できません(笑)
ハルアンプもHD25-13用というのをひとつ!
Posted by ささき at 2007年02月02日 08:50
ラビさん、どもども。
まあネタがたくさん書けるというのもまたコストパフォーマンスが高い、ということになりますね(笑)
そのうちに持って行きます。
Posted by ささき at 2007年02月02日 09:03
こんなヘッドフォンあるんですね・・・。
実は、知りませんでした。
全然関係ないところで、写真の背景が
黒光り(?)していたとても映えますね。
何を使ってるのでしょうか?
Posted by Chris at 2007年02月02日 09:12
Chrisさん、こんにちは。
背景はいまは使ってない木のオーディオボードです。撮るときにはゴミの掃除が大変ですが、最近は手抜き傾向です(笑)
Posted by ささき at 2007年02月02日 09:29
これまた珍しい(@_@)
私もささきさんと同じくHD25-1+BDv2を愛用していますが、とても気になりますね!!!
レビューを楽しみにしております☆

念願のSR-71をオーダーします♪ついでにRayさんに無くしたTomahwakのネジを貰えないか聞いてみます(笑)
Posted by NoRi at 2007年02月02日 17:22
NoRiさん、こんにちは。
オーダーおめでとうございます。やはりSR71は色あせない魅力があります。
あとTomahawkのネジももらえるといいですね!きっとくれると思います。
Posted by ささき at 2007年02月02日 22:53
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