
TomahawkとCryo Dockでnanoを使ったコンパクトシステムは一通り完成しました。これとER-4Pの組み合わせはまさにすばらしいと思います。
しかし、HD25/BDv2をTomahawkにつけてみると音量自体は取れますが、あまりいい音とはいえないような気がします。たとえばIEMであることろのER-4Pを使ってSR71と比べるとTomahawkもなかなかやる、という感じですが、HD25/BDv2を使うとSR71との差はかなり大きく感じられます。
やはり非力に感じられるという感じです。音が大きくないというのではなく精彩を欠くという感じです。ゲインをあげればいいじゃないかというのとはちょっと違います。高負荷のヘッドホンを的確に制御するための駆動力の違い、といえばよいでしょうか。
ホームヘッドホンアンプの次世代としてバランス駆動というものを試行してみましたが、XLR化というほかにそのポイントのひとつは駆動力でした。ポータブルアンプの「次」を考えるに当たってもこの駆動力という問題はひとつのポイントになるのではないかと思います。
その点でひとつ面白いものが、このATPのX1HA-EPCです。XenosはカナダのATPシステムという会社のポータブルアンプのブランド名です。他のモデルは以前からあるようですが、この1HAは今月発売されたばかりの新型でHeadfiでもC&CやHeadphoniaと並んでちょっと話題のモデルです。
Xenosはクセノスとか読むのでしょうね、英語読みだとゼノスと読むかもしれません。TV番組表を見るとたまたま偶然TVでこのタイトルのものを放映してますが、調べてみるとギリシャ語で見知らぬ人という意味のようです。ポータブルアンプの新顔という感じでしょうか。
ハイパワーを求めるならSR-71やSuperMacro4-maxedoutもあるんですが、このX1HA-EPCは一味違います。
ふつうポータブルアンプというとオペアンプ+バッファ(たとえばOPA627+BUF634)という構成ですが、これらがそれぞれ普通のオーディオで言えばプリアンプ(電圧増幅)とパワーアンプ(電力増幅)に相当するわけで、いわばICによるその簡易版みたいなものでしょう。
このX1HA-EPCはパワーアンプに相当する部分が通常のバッファICではなくディスクリートで組まれていて、マッチドペアのトランジスタを使ったAB級で動作する本格的な出力段を持っています。
http://www.aptecpro.com/Xenos-Prod/X1HA/x1ha-epx-intro-page.html
オペアンプも出力段にはいっていますがそのドライバー段として使われているようです。1HAにはEPCのほかに他にEPTという入力段が同じで出力はディスクリートでなくチップ(TPA6120)を使っている廉価版モデルがあるのですが、こちらには余分なオペアンプはありません。入力段はEPC/EPTで共通なのですが、EPCでは出力段のトランジスタが動作するのにさらに余分なオペアンプが必要なのだと思われます。
そしてもうひとつX1HAの特徴的なところとして、電源は8.4Vの内蔵リチウム充電池ですが、これにスイッチング電源を組み合わせて強力な電源を構成しています。スイッチング電源はノイズが問題点ですが、本格的な電源回路をもつことでクリーンなものにしているようです。前モデルのX3HAをみるとこの電源回路自体でアンプ部分と同じくらいの規模があります。これは1HAも筐体が大きくなるはずですね。
http://www.aptecpro.com/Xenos-Prod/X3HA/x3ha-intro-page.html
これを普通のオーディオで想像すると、プリとパワーのセパレートアンプで二段式の別筐体の電源部がついたものを思い浮かべます。それをぎゅっとちいさくしてひとつの箱に入れてしまったという感じですね。X3HAの中を見ると電源回路とアンプ部との間は金属シールドが挟まっていて、出力トランジスタには放熱板までついています。そうしたものが必要かどうかはともかく、なんだか萌えます(笑)
それはともかく、X1HAは強力な出力段と電源というまさに普通のオーディオの基本をいっていると言えるでしょう。
これらによりX1HAは電池動力のポータブルながら32オームで800mW(0.8W)/ch(RMS)のハイパワーをしぼりだします。ちなみにLuxman P-1は32オームで1.0W/ch(RMS)です。
同じメーカーの廉価版であるX0HAという方は9V電池一個でOPA2134/LMH6642を使いますのでポータブルアンプの構成としては標準的なものです。こちらは同じ条件で約180mW(0.18W)/ch(RMS)ですので、他の一般のポータブルアンプも同じくらいでしょう。つまり普通のそうしたポータブルアンプに比べると、X1HAはポータブルながらホームアンプに匹敵する桁外れのパワーがあるということです。
そのほかにもシグナルパスからコンデンサーを廃したDCアンプであるとか、完全にシグナルパスから分離できるクロスフィード回路とか、Low Voltage Warning Systemと言っている電圧が下がってクリップを起こす前に電池切れを警告するシステムとか、なかなかに見どころ満載という感じです。


エアメールで送られてきましたが、10日ほどで届きました。(1月末まで送料サービスで$219です)
中には説明書と足とチャージャーがついてきます(国際仕様で100Vもカバーしています)。
大きさはSR71よりさらに少し大きいくらいです。重さもやや重いくらいです(326g)。シャーシは金属製で悪くはありませんが、SR71の造りには及びません。
また電池はさきに書いたようにリチウム充電池が内蔵されているので専用チャージャーで充電します。約16時間もつと記されています。


ついて数時間というところですが、X1HAには驚かされます。
パワーがあるということは音が大きくなるというのではありません、音に力感があって重くなるんです。この音はいったい。。
HD25/BlueDragon V2は完全にタイトにコントロールするので、HD650にBlueDragon V2をつけてみてびっくりします。あの高インピーダンスのHD650をかなりうまく鳴らしています。
ただしやや背景が黒くないなどの問題もあります。完璧というわけではありません。
詳しくはまた。。
据え置き型に比べれば、手の出る値段なので色々買っちゃいそうで...。Portaphile V2とかHeadAmp AE1とか。(^^;
背景の黒さが足りないのは電源の影響のような気もしますが、それでもこのパワー溢れそうなアンプは魅力ありますね。(^^
そうですね、RSAとかXinとは良くも悪くも違うという感じです。
わたしも据え置き型はもう置くところがないというところです。
Portaphileはshohinまちでしょうか。こちらはお任せします(笑
楽器の音自体はとても明瞭でくっきりとしているのでが、背景がなんとなく曇っています。特にSR71と比べるとノイズフロアがなんとなく高いんですよね。
まあ、もうちょっと様子をみてみます。
X1HA-EPCはもう少し小さければ…ポータブルにはちょっとキツイですね(^_^;)普段はopampだのbufferなどに捕らわれがちですが、電源部の重要性も改めて感じます。
私もShohin待ちですが、なかなかアナウンスがありません。その間にSR-71やSM-IVに手を出しそうで恐いです(^.^)
たしかにちょっと持ち運びには無理があるかもと思いますが、コンパクトなホームアンプとしてもけっこういいと思います。
でもSR71を持ち出すなら、まあちょっとくらいかさが増えても..という思いっきりもあるかもしれません(^^
Shohinもてこずっているようですが、Portaphileはきちんとupdateを書くのでいいですね。
アンプの電源はとても大切ですよね。
自作やっていると、とても良く分かります。
こちらのページによるとATPでは次はホームタイプの小型のものを出すようです。
http://www.aptecpro.com/Xenos-Prod/head-amp-choices.html
もともとX3HAが家・外両用というコンセプトだったのを1HAで外専用にしたので、3HA-EPというので家専用のものを作るのでしょうね。
作る人ならではの共感というのがあるのかもしれませんね。
実はもうひとつ物騒なものが手元にあるんですが(笑)それはまた..
あと本格的なものとしては上に書いたホームタイプの5HAというのもちょっと面白そうです。モジュールタイプって。。