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2012年12月05日

Kindleアプリの使い方とLearning CoreAudio

日本でもKindleストアが開始され、Amazonから電子書籍の洋書を買うのが簡単になりました。KindleはAmazonのリーダーでなくてもiPadやAndroidのKindleアプリでも閲覧可能です。
この機会に今年米国Kindleストアから"Learning CoreAudio"を買った経験を書いてみようと思います。というかこの記事を夏ころ書こうとして忘れてました。
日本のKindleストアからの購入は検索するとたくさん出てくると思いますのでそちらを参照ください。以下の例は米国Amazonで購入する際の話です。またKindleストアは日本と米国では異なるアカウントに基づくということにご注意ください。(統合にはまた注意が必要です)

* Learning CoreAudio

まずLearning CoreAudioについて説明します。これはMacのCoreAudio解説本の決定版といえます。日本語でもiOSのCoreAudio解説本はあったのですが、MacのCoreAudioを中心に本格的に解説した本はありませんでした。これは実のところ海外でも同じです。Amazon.comのコメント欄を見るとみな4-5☆の高い評価に加えて、いままでいくつもの文書を見なければならなかったけどこれでまとめられるとあります。
この本は2年前くらいからアナウンスされていたのですが、今年春くらいにようやくリリースされて私もKindle版で入手しました。Kindle版は$14.4でした。
ちなみに日本Amazonで紙の本も購入できます。


この本は割と平易でわかりやすく、段階的にCoreAudio APIを使用したプログラミングを解説していきます。はじめに音源ファイルを読んで属性を表示する簡単なHello World的なイントロから解説し、PCMなど音声処理の基本の解説、そして録音・再生・変換とAudioQueを用いた高レベルAPIでオーディオデータを扱うアプリケーションの流れを解説し、さらにAudio Unitなどの細かいAPI解説をします。そしてiOSとの違いやCore MIDIなどの解説があります。
なぜ再生ハードウエアに書きこむときにバッファリングが必要か、というところもノイマンのボトルネックなどコンピュータ工学的観点から説明しているのがちょっと面白いと思います。

ソフトウエア解説本としては例を引きながら章のテーマ別にプログラムを組んでいくという実践的な解説本です。CoreAudio APIを使用したMacのオーディオソフトウエアの基礎を学ぶという感じですね。プログラムに関してはステップバイステップで細かく丁寧に書いてありますが、プログラミングの知識は前提条件です。iOSではObjective-Cの比率が多くなるけど、それはハイレベルフレームワーク(Androidのメディアプレーヤークラスみたいなやつ)が導入されるからであって、CoreAudioの基本はC言語です。またGUIには触れていないのでそこで悩む必要はなくて音声処理に集中できるのも上手な書き方です。

つまり一般のオーディオファンがCoreAudioってなに、というのを知るための本ではありませんが、そうした記事はまあ当ブログなどをご覧ください笑。
CoreAudioってWASAPIとかASIOなどと「音を良くするもの」ってカテゴリでいっしょくたにされるんですが、それらとは別なものです。そもそも「CoreAudioの設定画面」なんてないですし、ユーザーではなくプログラマのためのものです。さらにやる気になればHALも含めてCoreAudioを使わないことも可能です(AudirvanaのDirectモードがそうです)。

とはいえ基本的な解説も多いのでユーザーサイドのオーディオファンでも勉強になることも多いとは思います。たとえばCore Audio File(CAF)の利点としてはタイムテーブルを持っているのでMP3のようにある時間に飛ぶのに計算コストがかからないということや、CAFはすべてのデータフォーマット(CODEC)を入れることのできるファイルフォーマットである、という点からはなぜMastered For iTunesで中間形式にCAFが使われるかというのが分かると思います。

* iPadなどでのKindleの使い方

ここでKindleのiPadなどでの使用を解説します。(私はKindleデバイス自体は持っていません)
KindleはAmazonの電子書籍リーダーで、Kindleには専用のKindleストアがあります。Kindleで読むための電子書籍はKindle Editionと付いていますので確認が必要です。以下、例は米国アカウントにのっとっています。買った時点では米国のみだったからです。(Learning CoreAudioに関しては現在は日本語Kindleストアでも購入可能です)
基本はKindle電子書籍リーダーで読むためのものですが、iOSとAndroidにはKindleアプリがあり、PC/MacにはKindle Cloud readerというウエブベースのリーダーがあります。

まずiPadのKindleアプリを使う例を書きます。注意点はiPadでKindleアプリを使っても直接アプリからAmazonのストアにはつなぐことができないので、購入自体はいったんPC(またはiPadのブラウザ)でAmazon.comで行います。

1. US Amazonにアカウントを作ります(少なくともKindle Editionについては日本のクレジットカードが使用できるようです)
2. iPadのKindleアプリをインストール
3. iPadアプリを立ち上げてUSアカウントでログイン。Kindle機器として認証がされる(5台まで)
4. PC(またはiPadのブラウザ)でAmazon.com(アメリカの方)を開け、Kindle Storeに行く
5. 書籍(Kindle Editionと書いてあるもの)を選び、buyを選ぶと右側に"send to"でiPadの登録名が表示されていることを確認。購入する。
*テストでsampleを送れるので初めての時はやったほうが良い
6. iPadにおいてはアプリの立ち上げ時に同期するので、Kindleを立ち上げていたら終了させる(ホームボタン押すだけではなく終了させるのが確実)
7. iPadのKindleを立ち上げると同期される (Androidは明示的に同期するというメニュー項目がある)
8. iPadのKindleの「端末→本」に入っているはずです

これをiPhoneでも読みたいときはiPhoneでKindleを立ち上げてクラウドを選んでください。すると端末にダウンロードされます。iPadで読んでいて続きをiPhoneで読むときはしおりがクラウドで同期します(同期しないときもしばしば)。AndroidではNexus 7でも試してみましたが、片手で軽くもてる7インチタブレットは電子書籍を読むのにかなり便利です。

IMG_0116.PNG      Screenshot_2012-12-04-23-17-11.png
左はiPadのKindleアプリ、右はNexus 7でのKindleアプリです。

米国Kindle Storeで扱っている本は言うまでもなく英語版のみですが、コンピューターをやってる人ならだれでも知ってるオライリーの解説本も買えます。なかでもWhat is HTML5やWhat is ePub3など無料本もゲットできるのでこれを試しにダウンロードしてKindleの使い方を覚えるのも良いでしょう。(サンプルだとクラウド上には置かれないのでこうした無料本はテストに便利です)

IMG_0117.PNG
What is HTML5 (O'Reilly)

実際にKindleの世界は大中小どの端末でも読めるし、同期も取れるのでとても便利で自由です。音楽もそうですけれども、日本のネット世界からアメリカのネット世界にいったとたんにぱっと可能性と自由度がひろがるというのは残念な事実ではありますね。

ただKindleがすべてではないと思います。上のオライリーの話をさらにつづけると、オライリーの本は電子化が進んでいて翻訳版もDRMフリーでePubで入手できますので、まじめに買うときはそちらをお勧めします。電子書籍もkoboだのkindleだのとデバイスやストアではなく、音楽のMP3のようにフォーマットで語れるようになれば普及が進むと思うのですけれども。電子書籍のあり方というのは音楽配信と同様にどうあるべきか、という点から考えていくべきだと思います。
posted by ささき at 22:55 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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