いまのPCオーディオ(Computer Audio)の転換点はどこだったか、と聞かれたら私はまずStreophileの総合のプロダクトオブザイヤーでQB-9が選ばれた時、と答えると思います。これによってPCの周辺機器にすぎないと思われていたUSB音源が晴れて「オーディオ」として認められたという瞬間です。(二番目はLINNがCDプレーヤーやめたというニュースでしょうね)
さてStreophileの今年の年間優秀賞ではComputer Audio Component部門でAudio QuestのDragonflyが受賞しました。Dragonflyのうちの紹介ページはこちらです。これはお勧めの製品です。Audio Questの製品ですが、設計はQB-9を光らせたUSBアシンクロナス部分を担当したゴードンさんです。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/278372379.html
次点のHalide DAC HDとWeiss DAC202に倍の大差をつけて堂々の受賞です。ちなみにDragonflyはBudget(普及価格)コンポーネント部門でも受賞してダブルクラウンです。日本ではD&Mから販売されていますが、大きな話題になってないので日本から見ると驚きかもしれませんが、私のMac Airの常備品です。Dragonflyはむこうの評論家には実質ゴードンの製品ということが認知されているというのはあるでしょうね。
Computer Audio Component部門はDAC(Digital Source Component)部門とは分離しています。DAC部門では400万円ほどのMSB Diamond IV DACが受賞しています。DAC部門はDACというよりもネットワークプレーヤー・サーバーなどといっしょのようです。この分け方が適切かという話もありますね。たとえばComputer AudiophileフォーラムではDragonflyは発表されてからずっと上の方の人気スレですが、MSB Diamond DACはほとんど話題になっているのを見たことありません。そもそも単体DACってPCオーディオがなければこんなに活性化したはずはありませんが、Computer Audioとわける意味がちょっと取りかねますね。DAC部門でDSD系がないというのもさみしいところではあります。
そして総合のプロダクトオブザイヤーは100万円くらいのAudio Reseachのハイエンドアンプが受賞しています。しかし実は読んでみるとDragonflyはこの総合部門でもけっこういい線いっていたようです。他の部門での実績で言っても実際はDragonflyが実のプロダクトオブザイヤーっていってもおかしくない気はしますけれども。
Music TO GO!
2012年11月28日
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