DYNAUDIO, Special Twenty-Five
ディナウディオはデンマークのスピーカーメーカーで以前はユニット売りやソナスファベールなどへのユニット供給など、ユニットのサプライヤーとして有名でした。ただ近年ではシステムとして箱売りの傾向が強くOEM等のサプライは一割以下とのことです。デンマークは他にもDST系列(ScanSpeak、Vifa、Peerless)などスピーカーユニットのサプライヤーの名前を聞くので家具だけでなく良い木材から上質のコーン紙ができた歴史があるのでしょう。おもしろいのは梱包箱に"DANES DONOT LIE"(デンマーク人うそつかない)とプリントされていることです。正直商売というのでしょうか、たしかにコストパフォーマンスは高いと思います。
またDYNAUDIOはカーオーディオでも人気ブランドのようです。
Special 25はそのディナウディオの創立25周年を記念するスペシャルモデルです。ディナのスペシャルエディション(SE)の特徴は既存の箱に上位のユニットを載せるというサプライヤーならではの贅沢なところでしょう。
このスペシャル25はもちろん新設計ですが、ベースは旧コンターの箱に上位のコンフィデンスの中身が詰まっていると言えます。クラス的にはB&Wのシグネチャー805のライバルとしてとらえることもできます。
ツイーターは特殊コーティングを施されたESOTAR2(エソター・スクエア)という新型コンフィデンス用のものを搭載しています。ウーファーは20センチと言うブックシェルフにしては大口径であり、さらに巨大なバスレフポートが背面に設置されています。またウーファーには強力なネオジウム・マグネットが採用されています。
さらに限定モデルらしくエンクロージャーはグレイン・バーチ(白樺)の特徴的な節目模様が生かされている美しいものです。
ディナウディオの特徴のひとつはネットワークにあって、おもしろいのはこのクラスであればバイワイヤリング対応端子がふつうですがディナウディオはシングルにこだわっているというところです。
これはディナウディオはトゥイーターとウーファーを相互コントロールさせて指向性を制御する研究(DDCと呼ばれる)に長じているメーカーなので、ネットワークの入り口はひとつでないとそれが活かされないからなのではないかと思います。DDCはコンフィデンスC4とかエヴィデンスクラスのスピーカーがたくさんあるタイプでのはなしですが、こうしたシンプルな2Wayでも技術は生きているのでしょう。
そうしてディナウディオのスピーカーの共通した特徴はまず定位感とか音の形がはっきりしているということと、フルレンジのような音の一体感と空間の広がりということだと思います。目を閉じてこそ見えるものがある、ということを教えてくれます。
このスペシャル25にもはっきりとそれを感じますし、テンプテーションなどを聴いてみても規模は違えども共通点を感じます。スペシャル25においてはブックシェルフとは思えないスケール感と澄み切ったESOTAR2の響きに特に魅力を感じます。
Music TO GO!
2005年04月06日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック