さてご存知スティングの6年ぶりの新作です。しかし、、これはクラシックコーナーにおいてありました。名門グラモフォンです。
少し前から気がついてはいたんですが、はじめはなんでスティングのアルバムがクラシックコーナーにあるのか不思議でした。おそらくスティングかポリスの曲をオーケストラアレンジしたものだと思ってましたので手に取ることもなかったのです。
しかしそうではなくて、これはダウランドの曲にスティングが歌い古楽器のリュートが伴奏をつけるというれっきとした古楽のアルバムです。
ダウランドはリュート曲で有名な中世イギリスの音楽家ですが、スティングはだいぶ前からダウランドに興味を持ってしばらく前からレッスンをうけつつもダウランドの曲を歌うという演奏をたひたびしていたようです。それで少し前に友人からリュートをもらったのを機にこのアルバムへと至るようです。
リュートはエデン・カラマーゾフという第一人者が演奏していますが、一曲ではスティング自身もリュートを弾いてエデンとともに演奏しています。
これ、ちょっと聴くと軽いショックを受けます。
わたしは古楽もよく聴きますしダウランドはもっとも有名な音楽家なので、わたしの知っている曲もたくさん入っています。聞き比べるとこれは古楽の歌唱ではありません。でも、なぜかとてもしっくりとくるのです。
スティングはいつものヴォーカルスタイルよりは伝統唱法的に歌っていますが、やはり聴きなれたスティングの声です。しかし、逆に言うとスティングの独特のヴォーカルがミスマッチながらリュートと合わさることで独特の音世界を作っています。そうしてみるととても魅力的で新しい音の世界に思えます。
これは歌唱の方が現代的という点で、前に書いたOfficiumの逆ともいえます。
そして知的で知られるスティングらしく、歌と歌の間にダウランドがロバート・セシル卿(当時の国務大臣)あてに書いた手紙を朗読するというこった構成になっています。曲の詩だけではよくわからない当事の状況(スペインとの緊張など)を手紙を読むことで曲の外の世界やダウランドの心情もよくわかり、これによりダウランドの世界がより深く聴くものに届きます。これはさすがにスティングです。
このアルバムは古楽器のファンだけでなくけっこう広い層にお勧めです。こちらのアメリカのAmazonのリンクで試聴できますので興味のある人は聴いてみてください。
http://www.amazon.com/Songs-Labyrinth-Music-John-Dowland/dp/B000HXDESU/sr=1-1/qid=1163932415/ref=pd_bbs_sr_1/103-4240541-1544631?ie=UTF8&s=music
Music TO GO!
2006年11月23日
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うーーむ、良かったんですね...。
ハーモニーも素敵でした
その当時の音楽を感じ取れまずまずでした
> ジョン・アンダーソンに
あー、たしかにジョンアンダーソンはこういうのにむいているかもしれませんね。リュートはスティーブ・ハウに弾いてもらってね(笑)
ただ逆にはまりすぎるかなあと言う気もします。スティングの場合は少し違和感があるところがいい感じです。
Stingの声は大好きなんですよ。
ささきさんの記事みて思い出し、到着したばかりの機器で聴いています(^^
楽曲がシンプルな構成だけに声と音の余韻が音場に広がる感じがとても心地よいですね。名盤だとおもいますよ〜。
http://www.mercury-coo.com/
この卸会社の扱う新譜LPは、ネトレプコのラ・トラヴィアータとかヴンダーリッヒとかビル・エヴァンスの45回転盤とかを購入しましたが、値段が高いのに目をつぶるなら、柔らかくて良い音のものが多いように思いますので、スティングがお好きな方には良いかもしれません。
これはアナログレコード派の人にはいいですね。