Music TO GO!

2012年06月27日

Soundmatters foxL V2 − ポータブルスピーカーの新機軸

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旅行をしてホテルの部屋で音楽を聴こうとすると、やはりiPhone用の小さなポータブルスピーカーがほしくなります。またiPhoneの音楽を人に聞かせたいというときや、ノートPCの内蔵スピーカーではやはり、という場合もちょっと外部スピーカーを足したくなります。
しかし、大手小売店に行ってiPhone用スピーカーコーナーを見ても、単に見た目が派手でガーガーと音が鳴るだけのものが並んでいるだけで、仮にもオーディオ好きがある程度納得できるようなものはそうした中からは見つけられません。そこでちょっと面白いのを見つけました。このSoundmatters foxL V2です。
こちらにSoundmattersのホームページがあります。日本でも既に輸入されています。
http://soundmatters.com/foxl/

購入してさっそく先週末の清里旅行に持って行きましたがなかなか便利に使えました。
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* foxLとは

Soundmatters(「音が肝心」というような意味)は物理学者でNASAのエンジニアだったという人が1999年に設立した会社ということ。ちなみにfoxLとはこの人の初孫の名前だそう。foxLは簡単に言うとバッテリー内蔵で持ち運びできるアクティブスピーカーです。見た目は普通の地味なポータブルスピーカーのようですが、中にはあやしい技術が満載されています。

1. "twoofer"

foxLのわずか1インチ(2.5cm)のスピーカーユニットがこの"twoofer"です。もちろんfoxL独自のユニットで特許技術です。
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これは見た目はドーム型のツィーターのような外観で、はじめはダブルコーン(whizzerコーン)のようなものかと思ったんですがそうではなく、ドーム型にした理由は小さくても音の広がりを得るためということです。これは後でエンクロージャの項で出てきますが、このドームの部分は外にはみでているようです。
向かい合わせのデュアル・マグネットを標榜していますが、たしかにものすごい空気の量を動かしているようです。

2. "BassBattery"

ベース・バッテリーってなに、っていうと、これはラバーコーティングされたバッテリーがパッシブラジエーターの振動版として機能するというものです。
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パッシブラジエーターというのはスピーカーからマグネットなど駆動ユニットを外したコーンのみで低域を増強する仕組みですが、それを板状の背面パネルと一体になったバッテリーを使って行い低域を増強するというものです。そのためfoxLはバスレフではありません。foxLの背面部分がこのパッシブラジエーター構造になっています。
つまりさきのtwooferの背圧をBassBatteryで利用するというようなもののようですね。このtwooferとBassBatteryの仕組みで周波数帯域を稼ぐというのがfoxLのアーキテクチャのようです。foxLの周波数特性としては20kHzから80hzまでカバーしているということですが、下が80hzというのはかなり立派なものです。
もともとSoundmattersにはFlatMagicという重みのある振動版を低域の制動に利用したサブウーファーの特許があって、それをバッテリーを使用して応用したというとこです。
(これでも足りないという方にはサブウーファー用の出力端子が出ています)

3. 一体型デザイン

最後にデザインですが、ここは"form follows function"という有名な建築家、ルイス・サリバンの言葉が引用されています。ルイス・サリバンはあのF・L・ライトの師匠で、この言葉は日本語では「形態は機能に従う」として知られています(いわゆる機能美のような意味)。
なぜ「形態は機能に従う」かというと、foxLでは普通のスピーカーのようなコーンではなく、その逆のドーム(twoofer)であるため、その発音体であるドーム部分がエンクロージャからはみ出していることになります。そのため、下手なキャビネットデザインがスピーカーの音を阻害して曇らせてしまうのではなく、直接放射されるようになり、かつスピーカーの延長軸上でない場所で聞いても良い音で聴くことができるということです。
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また、エンクロージャは金属のように見えますが、実はFRPです。これは上に書いたBassBatteryのパッシブラジエーターを含めたクローズ構造となっています。たとえば小さなスピーカーが2個分離した形だと、このtwoofeとBassBatteryの仕組みは成り立たないのでこの一体型のデザイン自体が1と2の機能から導き出されたものであるというわけです。

* 音質

いくつかタイプがあるのですが、私はapt-x対応のプラチナムバージョン(22,000円)を買いました。
まずiPhoneで聴いてみました。iPhoneはapt-x対応ではないですが、Bluetoothの音質が思いのほか良い感じです。はじめは有線で使おうかと思ってましたが、このくらいの音で鳴るなら用途を考えるとBluetoothの利便性を取りたいですね。たただしBluetooth使用中は背景に少しノイズが乗ります。
音の印象はいわゆるiPodスピーカーのような内蔵スピーカーの音量上げただけのおもちゃっぽい音ではなく、ちょっとしたデスクトップオーディオのミニチュア版といった感じの音です。中高域にかけてはかなりすっきりとした明瞭感があって、楽器の音なんかはきれいに再生しています。ヴォーカルもいいですね。たとえばSHANTIとかFriedPriedなどの女性ヴォーカルものや室内楽的な音楽はするっと自然に良い感じで音が出てきます。またそれなりに細かい音もよく聞こえます。うるさくいうと中域にやや曇り感はあるけれどもこの辺は有線で良いケーブルにつなぐとかMacbookで再生するとかなり改善されます。
低域のインパクトも良い感じです。インパクト感があり膨らんだままではなく、それなりに制動しているのが分かります。コントラバスなど深いところは軽いですが、これはいたしかたないでしょう。十分なくらいの低域は出てると思います。音の広がりもサイズにしてはなかなかに良いですね。音もアパート程度の広さなら十分飛びます。

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foxLの背面

オーケストラとかロックはかなり無茶な相談かなとも思えますが、かなりがんばってます(笑)。
がんばってるっていうのは、例えだけではなく、なにしろ手で触るとわかりますがものすごい空気の量を動かしてるのが分かります。それがパッシブラジエーターのBassBatteryをものすごいいきおいで振動させています。
なにしろ曲によっては勝手にスピーカーが動き出します。そのためすべり止めが付属しています。さすがに音量あげると音が割れますが、本体がものすごく振動してるんで無理でしょうね。
オーディオにうるさい人にあんまり期待されるとなんですが、普通の人が聴くとおそらくかなり良い音というと思います。iPhoneの再生アプリの音の違いも十分判別できます。

* 応用性

もともとは旅行目的で買ったんですが、実際に使ってみると家でもいろいろなシーンに便利に使えます。
たとえばストリーミングで音楽を聴いたり、Rajikoでラジオ聴いたりというのはiPadとかiPhoneが便利なので、寝ながら使うことができます。それと便利なのはiPhoneやiPadでゲームするときですね、意外と迫力があります。オーディオ的に帯域バランスがどうとか言ってると難しいけど、ゲーム的には低音の迫力も音の広がりも十分以上だと思います。これも寝っころがってゲームするにはうってつけです。BTでのレイテンシーはそれほどは気にならないレベルだとは思います(コアなゲーマーはどうかわかりませんが)。スマートフォンとかタブレットの外部スピーカーにはこうしたのが向いてますね。
またハンズフリーのスピーカーフォンにも対応しています。音声も明瞭で聴き取りやすいのでiPnoneで録音したインタビューをスタッフみなで聴くとかビジネスに使ってもよいし、使い方はいろいろありそうです。

Macではもう少し音質面で応用がききます。現行のMacbook/mini(2010年秋以降?)はapt-xに対応してるはずですので、プラチナモデルのfoxLの性能を引き出せます。
Macで聴くとけっこう音が良いんですが、さすがに調子に乗って音量あげると音が割れ、動きます。もともとそんなに音量上げて聴かないので、夜に小音量再生するときにはいいかもしれません。もちろん本格的なデスクトップオーディオならKlipton KS1のような据え置きのデスクトップスピーカーの方が良いと思います。
机でMac(または手持ちのBT対応のPC)で音楽ならしながら、foxLを台所やベランダに持っていくのもいいですね。工作や料理をしながら近くにぽんと置いて気軽に音楽を聴きたいときに良いでしょう。
Macでの設定ではヘッドホンとヘッドセットの二つ出るのでヘッドホンのほうをシステムのサウンドで選択します。

* 購入について

たぶんこういうのが欲しかったと思う人も多いのではないでしょうか。
foxL V2は国内Amazonで買うことができます。わたしもさすがにここから買いました。

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プラチナムバージョンはBluetoothのapt-xが使用できて、AudioQuestのmini-miniが付いています、またカラーがシルバーとなります。私もポータブルアンプ用の短いミニミニはいくつかあるんですが、ある程度の長さをもったmini-miniがあるとけっこう便利です。こちらはプラチナムバージョンのリンクです。

     

そのほかにも通常版のBluetoothありとBluetoothなしの2バージョンがあります。
iPhoneや他のスマートフォンで音質の良い手軽な外部スピーカーが欲しいと思ってた人にはお勧めですし、MacbookやBTが使えるノートPCなどを持っている人にも便利に使えるでしょう。利用範囲も広がるのでBT接続のものをお勧めします。使って楽しいガジェット感覚のスピーカーですね。
posted by ささき at 23:54 | TrackBack(0) | ○ ポータブルオーディオ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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