前にこちらのワイヤレスオーディオ事情の記事でちょっと書きましたが、Nuforceの新しいワイヤレスDACであるAir DACがアナウンスされました。
http://www.nuforce.com/hp/products/airdac-tx/index.php
おもしろいことにPCに装着する送信機のほかにiPoneやiPadで使える送信機が用意されていますね(おそらくアナログ入力)。ただし名前とは異なってこれはAirPlayではなく、2.4G帯を使うSKAAというオーディオ向けの無線伝送技術を採用しているようです。SKAAについてはこちらです(PDF)。
http://www.elevenengineering.com/documents/NW/SKAA%20Info%20Sheet%20v2.1.pdf
要約するとSKAAはポータブルデバイスをソースとすることを主眼に考えられたオーディオ向けの無線伝送技術です。これはEleven Enginneringという会社の技術で、調べてみると以前日本ではCEATECで披露されていたようです。
Kleerのところでも書きましたが、この2.4G帯域というのは混んでいるので、他の無線やWiFiとのコンフリクトを避ける必要がありますが、SKAAではやはりWalking Frequency Diversity(WFD)という特許取得した技術を使用しているようです。またSKAAでは同時に4台まで接続可能です。上のPDFの2ページ目にはBluetoothでは不可能なシナリオということで、4台までの受信機に送信するシナリオが描かれています。この辺はKleerと同じ利点がありますね。到達距離はだいたい15-30mのようです。
無線伝送では送信時にデータを圧縮する必要があり、Bluetoothではここが音質のネックでした。SKAAでは下記のHPXというCODECが採用されています。
http://www.nuforce.com/hp/docs/HPX_DO6001.pdf
これはアナログ入力をADCで16bitデータにして、それを5bitに圧縮して送信して、また16bitに戻すとあります。たぶん単純にサンプルごとに圧縮するのではなく、差分を取って圧縮していると思いますが、よくはわかりません。いずれにせよオーディオ品質的にはTHD+Nなんかも含めてほとんど問題はないとここでは説明しています。
ポータブル系のワイヤレスオーディオ技術はKleer、Bluetooth、WiFiそしてSKAAといろんな形がまた出てきました。WiFiもさらに細分化できて、AirPlayはWiFi方式のひとつです。なかなかに複雑になってきました。
Music TO GO!
2012年05月02日
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