Music TO GO!

2012年04月10日

iBasso DX100 ポケットES9018の実力

前回の到着編に続いてiBasso DX100のインプレ編です。

主に使用したのはiBassoの標準Musicアプリです。前にも書いたようにiBassoの標準アプリを使うときだけ真の24bit出力がAndroid上で可能になります。
iBasso再生アプリではプレイモード(ランダムなど)、イコライザーの設定、デジタルフィルターの切り替え(Slow Role off、Sharp roleoff)、サンプルレート変換(192kHzまで)、ギャップレス設定などができます。

IMG_7693.jpg

ヘッドフォン・イヤフォンはFitear To Go 334とEdition8が良いと思った。それぞれポータブル機材としては現在ベストのものだけど、結局DX100はこれくらいで聴かないともったいないほどの性能があるといえます。

バーンインしないともやっとしたところがあるけど、バーンインしていくと音も細かさが際立ってきます。そうすると逆にきつさが目立つようになるのですが、さらにバーインすると音が落ち着いていい感じになるというパターンのように思います。バーンインの変化が大きいタイプにも思えるので、デジタルフィルタの切り替えなどを試すのは音が落ち着いてからの方が良いと思いますね。

まず気がつくのはFitear to go 334やK3003なんかで聴くと細かい音が浮き上がってくるようにくっきり明瞭に立っている感じですが、そうした点ではESSのDACらしいという感じですね。やはりマルチウエイ・バランスドアーマチュア系の細かい音が再現できるイヤフォンだとこの音のきめ細かい解像力の高さを堪能できるという気がします。
DX100の良い点はまずこのきめの細かさが表現力の高さにつながっているところです。
女性ヴォーカルがふっとため息をつくところの声の質感とニュアンス、声の細かな震え、ギターの音が消えいる余韻などはまさに秀逸です。
またSNが高く、音の形もきれいに歪みなく整っているように感じられます。分析的という言葉から来る無機的な軽い音ではなく、適度な厚み表現があり、音は彫りが深く実に陰影豊かですね。
それと楽器の音の分離と立体感に優れていて、独特の3次元的な立体感が感じられます。ドラムやパーカッションのインパクトも強烈で重さ・深みがあるためロックもかっこ良く聴けます。Fitear to go 334のでかいCIドライバーの能力もフルに発揮されてると思える瞬間です。Fitear to go 334では持ち味のダイナミックで広大な音楽表現が楽しめます。

驚くのはFitear to go 334と合わせた表現力の高さですが、ジャズトリオとかオーケストラなど賑やかな音楽はちょっと音が良ければそれなりに聴けるものですが、DX100+Fitear To Go 334でちょっとすごいと思ったのは、現代音楽家のDavid LangのThe passing measuresを聴いたときです。これはオーケストラの40人の演奏者に一つの和音をできる限り静かに長く弾かせ、それを電子的に増幅するというややこしい手法で作られた作品です。これはドローンと呼ばれるもので、ぱっと聞きにはズォーン、ブォーンと鳴ってるだけなんですが、細かく聴くととても小さな音が色彩豊かに鮮やかな音楽の諧調再現を描いているのが分かります。DX100+Fitear To Go 334では、その細やかさに包まれる心地よさがしっかりと感じられます。また同じく現代音楽家John Luther Adamsのピアノとベルが和音をひたすらならして行くミニマル手法のFour thousand holesもやはり良いですね。これもベルの音の再現力が高いゆえですが、現代音楽って結局音による表現の可能性を追及するもので、ポータブルの再現力でここまで聴かせるって言うのはなかなかありません。



多少大柄ですが毎日持って歩いて大きさという点で特に大きな不便を感じるということはないですね。ただしやはり電池の持ちの悪さが問題です。通勤に使う程度では一日で不足するということはないが、一日持ち歩いているとぎりぎりというところですね。だいたい5-6時間というところでしょうか。
まめに電源を切りたいところですが、一度切ってしまうとAndroidをブートしてさらにアプリが使用可能になるのにやや時間がかかってします。
またプレイ、スキップのハードキーがないのはDAPとして使いづらいところではあります。画面がスリープして復帰する際にいちいちロック解除をするのも面倒な一因ですが、これはNo Lockというアプリをインストールして解消しました。
それとUSB DAC機能があるとなお良かったとは思いますね。そうすると標準プラグで家用のヘッドフォンが使える意味も大きくなります。ただAudio-gdがES9018とUSBで散々手こずったので避けて正解かもはしれないとも思います。


..というのはまあ前振りで、このあとDX100のひみつ2に続きます。
(続く)
posted by ささき at 23:48 | TrackBack(0) | __→ ハイエンドDAP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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