Music TO GO!

2012年04月01日

iBasso DX100、Sabre32搭載、Androidベースの最新DAP

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*iBasso DX100とは

iBasso DX100はHM801とかColorfly C4のような高性能DAC一体型のDAPです。
1stバッチは一月発売だったのですが、発売後にかなり多くの問題点が指摘されて改良がくわえられてこの3月に仕切り直しされたのが、この2ndバッチです。改良にはソフトウエアだけではなくハードもあるので、1stバッチのユーザーも送り返すことで改修されたようです。現在は3rdバッチの受付中で、1stと2ndはディスカウントがあったんですが、価格は通常価格の$830となっています。私は2ndバッチで購入しました。

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販売リンクはこちらです。
http://www.ibasso.com/en/products/show.asp?ID=78

*主な特徴

1. ES9018を採用したDACチップ

最先端の32bitチップであるESS Sabre 32アーキテクチャのトップモデルであるES9018を採用しています。据え置きとしても最新・最高クラスのチップをポータブルで採用していると言うわけです。
ES9018については下記のAudio-gd NFB10ESの記事でも書いてますが、特徴的なアーキテクチャを持った新世代32bitチップの雄ですね。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/171562949.html
これがなんとポータブルで使えるというわけですが、高度に統合化されたSabre32はポータブルにも意外と向いているのかも。

2. DAPの基本ソフトとしてAndroidを採用

Walkman Z1000のようにOSとしてAndroidを採用しています。(2.3)
Androidマーケット(現Google Play)に対応しているので様々なアプリをダウンロード出来ます。進化するDAPというわけですね。なお私の2ndバッチでははじめはAndroidマーケットでしたが、ネットにつないだら速攻更新されてGoogle Playになりました。

3. 192kHz 24bit対応

DACが192/24対応であっても、通常Androidでは24bit対応はできません。下記に書いた通りです。

Androidは24bitの夢を見るか? Part1
http://vaiopocket.seesaa.net/article/251275779.html

Androidは24bitの夢を見るか? Part2
http://vaiopocket.seesaa.net/article/251928177.html

簡単にまとめるとAndroidの音声システムであるAudioFlingerとアプリのSDKがそもそも24bit対応していないというによります。
それではなぜDX100で24bit対応できるかというと、iBassoが独自にAduioFlinger相当の部分に手を加えたということのようです。そのためDX100の上でもiBassoの独自アプリ以外では24bit出力はできません。

4. 出力が豊富

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光・同軸のデジタルアウト、ミニと標準のヘッドフォン出力端子、アナログのラインアウトと出力系が豊富です。Androidの柔軟性を生かしてDLNAアプリなどをいれることで応用は広がるでしょう。ES9018のパワーをスマートフォンの手軽さで簡単にネットに接続できるというわけです。
なお同軸はミニ端子ですがミニ-RCAのケーブルが付属しています。

*DX100ハンズオン

紆余曲折ありましたが、やっと届きました。

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デザインはとても良いと思いますね。HM801、Colorflyと少しクセがあるデザインでしたが、いままでの高級DAPの中ではストレートなかっこよさがあります。少し厚みがあってやや持ちにくいがあまり問題ではありません。
バックカバーの品質が良くないと出荷遅延があったんですが、そういうところに気を使うのは良いですね。

*Android端子としてのDX100

立ち上げると円形のロック解除が出てきます。

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スライドさせる(slide to unlock)のはアップルの特許なのでその辺の兼ね合いもあるかもしれません。
http://m.guardian.co.uk/technology/2012/feb/16/apple-patent-slide-unlock-motorola?cat=technology&type=article

ホームはDX100標準アプリのウイジェットで、そこからiBasso標準の音楽再生アプリを立ち上げることができます。下右の画面はメニューハードキーを押したところです。SRC(サンプルレートコンバーター)やデジタルフィルター切り替えなどもあります。

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Android端末としてWalkman Zに比べると動作が全体に遅い気もしますね。Walkman Zは同時期の最高のAndroid端末に比べると劣るけど、そんなに悪くないスペックです。DX100のタッチ精度も良くないですが、液晶がWalkman Zよりも小さいのがAndroid端末としては使いづらいところです。iPhoneはタッチ精度が高いので画面が小さくても良いんですが、Androidは画面小さいと思うように動かせない気はします。

Androidとしての設定は基本的なところは、まず時刻や言語設定を日本向けにすることですが、入力が基本的に英語キーボードと中文キーボードのみなので日本語キーボード(IME)を入れるのがお勧めです。
まず設定からWiFiコネクションを確立してAndroidマーケット(Google play)を使用可能にして、simejiを使うのが定番です。下はSimejiの画面です。

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下記はDX100のアプリの並ぶデスクトップですが、はじめはAndroidマーケットが表示されていましたが、WiFi設定したら速攻でGoogle Playに入れ替わりました。

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曲データはMicroSDに加えて内蔵メモリが64GBと大容量です。ここで注意点は内蔵メモリのsdcard以下はmicro SDのマウントポイントなのでそこには入れずに別にmusicみたいなディレクトリを作るということです。
マウントポイントというのはUNIX系だと/export/homeみたいな感じですが、外部記憶のファイルシステムをコンピューターのファイルシステムに組み込む接点です。ここではMicroSDの中身をDX100にマウントするときにsdcardを使っているようです。(絶対パスで書くと/mnt/storage/sdcardです)
またAndroidではsdcard以下はUNIX系でいうと/varと/homeを合わせたみたいに様々なデータが入ったりするので、/mnt/storage/sdcard以下(つまりMicroSDの中身)は音楽を入れても良いですが基本的にAndroid用と考えるのがよいかもしれません。
Walkman Zではsdcard以下に音楽データを格納してたんでちょっと混乱するところですが、Walkmanは外部記憶がないのでマウントポイントを作らなくて良いということでしょう。
なお楽曲データはFLACのほかにAppleロスレスも使えます。

さてそこで早速スクリーンショットを取るためもあって、USBでPCのAndroid開発環境と接続して見ました。ちなみにUSB端子はミニではなくMicroです。
ここが実は一番設定困難なので心配していたところですが、Android SDK側の設定はWalkman Zと同じで変える必要がなくて助かりました。ちなみにHTCのADBドライバーを使ってるようです。
これでスクリーンキャプチャも簡単に撮れるようになりました。この記事のDX100のスクリーンはddms接続で撮っています。ddmsについては上記のAndroidは24bitの夢を見るか?Part1をご覧ください。

下はddmsで接続したDX100のプロセス(Dalvik VM)とスレッド一覧です。
左上の携帯アイコンがDX100です。その下のemulator-5544というのは気にしないでください。次の記事ネタです 笑。

dx100-process.gif

これはTwitterアプリ(プロセス)をハイライトしたところです。私とかこれ見てると面白いんですが、アンプなどを買ったら即ばらして中の回路とかパーツを調べてみる人の気持ちがよーくわかります。
しかしUSBデバッグモードがデフォルトでonになっていたのはなんだかという感じではあります。なんか直前までデバッグやってて慌てて出した感じではありますね。

さて、そこで肝心の音質ですが、はじめすこしもやっとしたところがあったんですが、バーンインしていくとだんだんと細かさが浮き出てくるようなESSの味が出てきたように思いますので、この辺はもう少し後に書こうと思います。
PowerAmpなんかを入れてもやはり音は違いますがこの辺も少し見ていきたいですね。
posted by ささき at 00:50 | TrackBack(0) | __→ ハイエンドDAP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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