村治佳織さんの新作が今日発売されましたのでさっそく買ってきました。
http://www.universal-music.co.jp/classics/kaori_muraji/
デッカ移籍第3作となる今回はコーラスグループであるザ・シックスティーンとのコラボです。
ただ楽器と声楽とのコラボレーションという点ではこれだけ取り出すと、以前書いたOfficiumをはじめとしてECM Newなどでよく行われているヒリアード・アンサンブルや、いわゆるダウランド・プロジェクト系の進んだ古楽・現代音楽系のものに比べると緊張感やクリエイティブさは少なく、やはり村治佳織さんをフューチャーしたアルバムであると思います。
そうして聴くとソロだとどんな曲でもさらっと弾きこなしてしまい逆に物足りなささえ感じる彼女の演奏が、こうしたアンサンブルだときちっと自己主張をしつつコーラスと1:1の関係をうまく保って作品を作り上げていることに彼女のギターの強さを感じます。
こうしたバランスのとれた対等関係を築くにはザ・シックスティーンがヴォーカリーズ(母音ハミング)ではなく意味のあるテキスト(ワイルドやシェークスピアの詩)をもってコーラスをしているということもプラスに働いていると思います。
タイトルのソネットは「声」つまりコーラスのことですが、ライアとはイギリスの古語で「リラ」つまりリュートのことだそうです。
彼女は以前にもリュート曲をギター用に編曲したアルバムを出していますが、これもひとつのテーマなのでしょう。
ちなみにイギリス(ブリテン島)は古い言葉で言うとアルビオン(Albion)、アイルランドはエリン(Erin)といいます。これらは英語ではなくゲール語の系統らしいのですがよくわかりません。いずれにせよこうした古い言葉自体がなにやら魔法めいていて、音の世界を広げてくれます。
Music TO GO!
2006年10月25日
この記事へのトラックバック
『ライア&ソネット』 村治佳織
Excerpt: 英デッカ・レーベルへ移籍して、早3枚目のアルバムになります。 今回はかなり趣向を変えて、ギターと合唱のコラボレーションとなりました。というか、こういうアルバムって以前にもありましたっけ?かなり画期的..
Weblog: 【徒然なるままに・・・】
Tracked: 2006-10-28 16:30
新チームドラリオン「村治佳織」
Excerpt: こんばんわ。タテコです。 連日大盛況な「ドラリオン」ですが、本日、4月18日(水
Weblog: Jブロードウェイ・ブログ
Tracked: 2007-04-18 22:02
好きなアーティストさんです。
しばらく聴いていなかったのですが、
これを見たら私も買ってしまいそうです。
しかし・・・、
しばらくみないうちにお綺麗になられました^^;
この方は、ロドリーゴに アランフェス協奏曲
を直接指導を受けた最後のギタリストだったような・・・
日本人ギタリストとしてイギリスの名門デッカと
初めて独占契約した人だったような・・
最近物忘れが激しく定かではないです(^^;
今度コンサートがあったら、最前列でみようかな(^^;)この方の場合無理でしょうね
このアルバムも気持ちよく聴くことが出来ますのでぜひ買ってみてください。
当ブログでは「才色兼備」の方をとくによりすぐって紹介しております(^o^
たしかにテレビ番組経由であったことがありましたのでそのときですね。わたしもそういえば見たような記憶があります。
http://www.universal-music.co.jp/classics/kaori_muraji/uccd1135rodrigo/uccd1135.html
わたしも彼女が学生のときにタワレコのインストアライブで見ましたが、いまはずいぶんと遠いところに行ってしまいました。。