Music TO GO!

2012年03月12日

友川カズキ・花々の過失(DVD) - ヴィンセント・ムーン

これはフランスの映像作家ヴィンセント・ムーンが異才のフォークシンガー友川カズキを描いたドキュメンタリー映画です。この作品はコペンハーゲンドキュメンタリー映画祭2009部門で「音と映像」部門最優秀賞を受賞しました。国内公開は昨年のいまころだったのですが、3/1にDVDが発売されました。このDVDのレビューです。
こちらにホームページがあります。作品原題は"La faute des fleurs"ですが、これは友川カズキのアルバムのタイトル「花々の過失」を訳したものです。
http://lafautedesfleurs.com/

友川カズキ(以前は友川かずき)は強い秋田なまりと叫ぶ詩人の強烈な個性を持った人で、フォークシンガーと書きましたが実のところ詩人、絵画、音楽、競輪など多様な活躍の場があって、戦場のメリークリスマスの坂本龍一がやった役はもともと友川かずきがやる予定だったんですが、秋田弁を矯正すると言われて辞退したといういわくもあります(実話)。それで表現者かというと、人にゆだねてしまう表現者であるより、自分で完結する競輪が好きとうそぶいてしまいます。
とても長い経歴を持つ人で、うちのブログでも取り上げようとは思っていたんですが、この機会に紹介いたします。

まず彼の演奏を見るのが一番良いと思います。こちらは映画のアウトテイク(カット集)からの映像ですが、友川カズキのライブ演奏が2分ほどあとで始まります。
「ピストル」という曲です。


http://www.youtube.com/watch?v=85mnIzJ50_g

映画はストーリーというのはなく、ドキュメンタリーかというと特に明確なテーマがあるわけでもありません。友川自身の言葉、彼の別居している息子あるいは友人のインタビュー、また友人の詩人の言葉が、まるで森山大道の写真のようにコントラストと粒状感の強いヴィンセント・ムーンの映像のなかに散らし書きのようにちりばめられていきます。
こちらに予告編があります。


http://www.youtube.com/watch?v=0gB4f2H7zDk

友川カズキはとてもキャリアが長く70年代あたりからやっているので、曲全体に筋は通ってますがやはり時代なりの傾向はあります。自分はうんとしずかな曲か、うんとうるさい曲のどちらかした書かないと言ってますが、彼の曲を聞くには順番をつけると親しみやすいと思います。
はじめは彼が影響されたという中原中也の詩を使用した「サーカス」や「ワルツ」などから聴き始めて大人向けのいい感じの音楽だな、と思ったら次に「生きているって言ってみろ」や「一切合財世も末だ」あたりで、強力な主張のメッセージソングだなと思い、さらに「トドを殺すな」とか「桜の国の散る中を」、「歩道橋」みたいなアングラ演劇の劇伴かよ、みたいな世界にどっぷりつかるというのが良いルートかもしれません。(ちなみに歩道橋の曲中の朗読に弟に捧ぐとありますが、これは彼の自殺をした弟のことです)
アルバムとしてはCDはゴールデンベストがだいたい代表曲をカバーしていて良いと思いますが、平均的にみな良い曲なのでタイトルの花々の過失なんかもお勧めです。

こちら友川カズキのホームページです。
http://kazukitomokawa.com/j/
ほんと、音楽の世界は深いのでいろんなアーティストを聴くのが良いと思いますよ。

          

posted by ささき at 23:41 | TrackBack(0) | ○ 音楽 : アルバム随想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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