CES2012ではAirPlay対応製品も増え、ワイヤレス・オーディオ製品の面白そうなものもいくつか出ています。
こちらNuforceのコンパクトなAirDACです。
Engadgetの記事
名称からしてAirPlay対応かと思いましたが、独自方式のようです。USBとiPodドック対応の送信機とこの写真にある受信機のペアのようですが、最大4台で組み合わせられて、デイジーチェーンで送信距離を伸ばせると言うので受信機は送信機を兼ねているのかもしれません。
DynaudioのXeoもワイヤレス・アクティブスピーカーとして面白い製品です。
Dynaudioのホームページ
ワイヤレスでアクティブスピーカーという従来は安いコンシューマー品のカテゴリーのものにハイクラスのきちんとした製品を作りこんでいるのが印象的です。
もうひとつ興味深いのはハイレゾ対応の流れです。ワイヤレスと言うとたいていは48kHz/16bitどまりですが、一昨年(2010)のRMAFに出展されたBlackFireのFireCast以降ハイレゾ対応のワイヤレス品もいくつか出てきています。
BlackFireのホームページ
以前パワードスピーカーについて書いたメーカーですが、スモールオーディオでよい製品を出しているAudio Engineはハイレゾ対応のワイヤレスDACのD2を登場させています。CESではかなり無線LAN密度が濃いんですが、それでも良好な接続ができたと言うことです。http://audioengineusa.com/Store/Audioengine-D2
DACにPCM1792を使用していて本格的で価格も手ごろ(送受信ペアで$800くらい)ですし、なかなか良さそうですね。海外のオーディオレビューサイトはComputerAudiophileもAudioStreamもこれに注目して近日レビューがアップされる予定です。
またこれはCESではないですが、"体重計"Devialetも昨年後半にワイヤレス・ハイレゾ対応しています。Devialetでは現在はCD品質だけども、2012年中にアップデートで96/24対応すると書いています。
ComputerAudiophileのフォーラム
Devialetのページ
これは802.11nベースのようですね。
またAiPlay対応ではこのChapter Audioのワイヤレスアンプ・notepadも$2500と堂々としたハイクラス品です。
AudioStreamの記事(RMAF2011)
こうしてみてもワイヤレスは技術的にも価格帯的にも多様になってきています。
実際ワイヤレスって一口に言ってもとても広いものです。
KleerやBluetoothあたりからはじまって、最近ではAirPlayなど、またDLNAやiTunes Shareを無線LANルーターを使ってワイヤレスシステムを組むこともできます。BluetoothやKleerは従来のインターコネクトケーブルの代わりと考えられますが、無線LANネットワークは有線LANケーブルの代わりです。帯域幅はKleerなどは送信設計上のビットレートですが、ネットワークの場合は無線LANの規格(802.11bや11nなど)によるでしょう。(DLNAなどはもっと上位層の話です)
また接続形態には送受信関係がはっきりしている1:1(Bluetooth)、1:2/1:4(Kleer)もあるし、ネットワークのように多:多もあるし、多様な形態(トポロジー)が考えられます。
ただ反面でハイレゾワイヤレスなんかはDSDみたいにバラバラにはじまってしまうと言う懸念もないわけではないですね。この辺もそろそろ整理が必要かもしれません。
オーディオの場合はネットワークと言っても、すでにホームネットワークのLANが張ってあってそれにオーディオ機器が参加すると言うかたちよりも、ネットワークオーディオ機器を入れてからそのためにLAN線を張るというようないささか主客転倒な場合も多いと思います。そのさいは単にPCとDAC/プレーヤーの距離を離したいなど場合によってはネットワークではないAudioEngine D2のようなポイント間ワイヤレスのほうが便利と言うこともあると思います。このように目的と手段(システム)をはっきりさせるとワイヤレスのニーズと言うのも出てくるかもしれません。この辺は少し注目していきたいところです。
Music TO GO!
2012年01月17日
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