長らく待ち望まれていたSR007を超える新フラッグシップです。価格も388500円と堂々としたものです。さて、実力はどのようなものでしょうか。(発売は4/20です)

今回の上流はPCオーディオシステムで、目玉の一つはこのLINNのリッピングサーバーのSSDモデルです。これはhushの静音PC筐体にWindows Serverを搭載して、RipNAS Essentialsというソフトウエアでリッピングなどを自動でやってしまうと言うものです。
http://www.linn.jp/products/new/rms.html
内部を開けてみると冷却用のヒートパイプが見えますね。


ネットワークオーディオ機器はKlimax DSでそこからAyreのプリを通してSTAXの静電ドライバーに接続すると言う豪華な布陣です。


静電型のドライバー(ヘッドフォンアンプ)はこのようにSRM727AとSRM007tAで、このラックは角田さん手製とのこと。なおここにありませんが、箱はSR007のようなアタッシュケースでなく桐箱だそうです。比較用にSR007を使用しました。
着けてみると装着感もSR009の方が良いですね。良くフィットしますし、スライドする調整機能も良くできてます。
さて、長く待ち焦がれていたSR009の特徴ですが、まず要の振動幕は新開発のスーパーエンプラが使われています。ただし静電型と言うと振動幕の薄さや平面性がよく言われますが、今回のSR009に関しては振動幕よりもむしろ固定電極がポイントのようです。

上の写真でよくわかりますが、この固定電極のサポートの筋交い6本で剛性を高めたところがポイントと言うことで、高い音圧でも固有音を持たずに鳴らすことが可能と言うこと。この辺にノウハウが込められているようです。
それではと言うことで早速聴いてみました。
無線LAN環境下なので、コントローラは自分のiPhoneのplug playerを使いました。この辺が便利なところです。
まずSRM727Aで聴きました。
ちょっと聴いて息を呑むくらいに鮮烈で透明感が高くクリアに澄みきった音空間を聴かせてくれます。
SR007と比べると着色が少なくよりフラットでニュートラルです。私もSR007使ってますが性格がまず異なり、SR009が透明感が高く着色が少ないのは際立っています。
特にハイレゾで聴いたアンナ・ネトレプコのソプラノが突き抜けるように感じられるのが圧巻です。
比較にSR007で聴いてみると、暖い色付きを感じ、透明で澄んだ感覚はなくなります。ちっとベールを被ったように感じますね。あきらかにSR009の方がひとレベル以上音質は高いと言えます。まあ価格が高いのはだてではないですね。
低域も007に比べて抑えてあり、かつタイトでスナップが効いた感じです。
クラシックは明らかにSR009が上ですね。ただロックではSR007を好むひとも多いかもしれません。
ドライバーでいうとSRM727の方がSR009らしい透明感は出ますが、音楽的には真空管のSR007tAの方が気持ちよく聴きやすいとは言えます。
アメリカではSR007はよくロマンティックとも称されますが、私だったらSR007にはSRM007tAを合わせたいですが、SR009には存分に性能を引き出すためにSR727Aを使いたいところです。
また比較してみるとSR009の方が感度がちょっと高いのもわかります。

コンデンサー祭り?と言うことでついでにコンデンサースピーカーのQuad ESLでも同じ上流から聴いて見ました。細やかでかつ柔軟な弦とリアルなピアノの音色再現、スピーカーが消えるような自然な素晴らしい音でした。
こうした自然でリアルな音再現と言うのがコンデンサータイプの持ち味なのかもしれませんね。