もう一つクリプトンで説明を受けて来たのは配信の方です。クリプトンではHQMストアというハイレゾ配信をやっていています。もともとKS-1も手軽にハイレゾを楽しめる環境を提供すると言う目的で作られたものです。
http://www.kripton.co.jp/service/hqm.htm
つい先日HQM Greenという新しいシリーズが加わりました。これはもともとハイレゾ録音ではない音源をリサンプリング・ビット拡張してハイレゾ・ハイサンプリングとして配信すると言うものです。カメラータさんと提携しています。
http://hqm-store.com/news/news_detail.php?news_id=74
この背景にはカメラータさんに80-90年代くらいのマスターでCD専用としてマスターの段階で44k(あるいは48k)の16bitというマスターデータが多くあるそうです。中には名演奏も多くあり、それをハイレゾでないからと埋もれさせるのは惜しいと言うことがあるそうです。
ここでもちろん「PCでアップサンプリングしたのとどう違うんですか」と突っ込みました。
すると違いと言うのはまず変換に使用しているアルゴリズムがK2 extended soundというXRCDで使用した独自技術で、さらに補完計算をするときの予測精度を上げるために変数を調整するデータベースを使うそうですが、このデータの設定をする際に実際に当時その録音に関わったエンジニアとか指揮者を呼んで試聴しながら変数を調整して行ったと言うことです。
このようにより自然に近い予測データを収集したところがミソで、つまりはアップサンプリングするにしてもSamplitudeとかiZotope使ってさくっとやってるんではなくて、人の手をかけて再現性をあげていると言うことですね。
ただし純粋なハイレゾのブランドであるHQM(3000円)とは言えないのでHQM Green(2200円)という新しいブランドにして価格を下げています。
最近世界のあちこちのハイレゾストアで黙ってアップサンプリングやってるんではないかという疑惑があったりしますが、初めからはっきりさせてかつこうした凝った方法を使ってるのは良いところです。
実際にクリプトンの試聴室で44.1/16のマスターとそれをextendしたHQM Greenの176/24の音源を聴き比べてみました。
たしかに違いははっきりとしていて、Greenの方が深みがあり奥行き感があります。クラシックに良いと言えそうです。リサンプリングしたと言っても作られたっぽさは少なく自然な仕上がりと言えますね。44/16は比較すると詰まった音で平面的に感じます。
いまHQM全タイトル60タイトルですが、来年まで100タイトルを加えたと言うことです。それにGreenも同じく100タイトルほど加えたいと言うことで選択の幅を広げるにも貢献しそうです。
Music TO GO!
2011年03月05日
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