以前オーディオ品質を持ったパワードスピーカーとしてクリプトンのKS-1を紹介しました。
http://vaiopocket.seesaa.net/article/154370700.html
そのクリプトンがKS-1のアクセサリーの一環としてUSBケーブルと接点改質剤、キャリングバックを発表しましたので、その説明会にいってきました。
*USBケーブル
USBケーブルはKS-1アクササリーシリーズですが、もちろん専用ではなく汎用で使えます。UC-KS2.0という2mタイプが税込8,980円、1.2mが6,980円、0.6mが5,980円となかなか手ごろでKS-1と組み合わせて買いやすい価格となっています。しかし、このUSBケーブルのポイントはその価格ではありません。
昨年はPCオーディオの広がりとともにオーディオ用のUSBケーブルも爆発的な広がりを見せて一気にひとつのジャンルを形成しました。しかし、その考え方というのは銀線など高級な線材を売りにしてUSBケーブルにも適用する、というまことに「オーディオ的な」アプローチです。
クリプトンはKS-1の直販を通してユーザーの声を吸い上げて、PCオーディオのような新しいオーディオを買う層は古いオーディオを買っていた層ではないということを感じたそうです。そうしたPCをやるようなデータ重視の人のためにユーザーにこたえる形で「測定結果を重視する、見えるものにする」という観点で開発したのがこのクリプトンのUSBケーブルということです。
そのためには端子とケーブルのインピーダンスマッチングを重視して設計したそうです。これによってジッター成分を減らすことができるということですが、ポイントはこれを可視化するためにきちんとした測定をしてさらにそれを公表したということです。これはきちんとした認定サイトでアイパターンを計測してもらうという手法がとられています。普通はこうしたものは測定しないか、あまり公表はしないということです。これはプレスリリースとかサイトにも載っていると思います。
左の指さしているほうがこのクリプトンのUSBケーブルで、右は比較対象とした某社USBケーブルです。この結果は信号の行きと(末端反射による)戻りを示しているそうで、パターンが細いほど信号のうねりが少ない(揺れが少ないというかばらつきが少なくてより正確である)ということになります。
ある意味RCAよりBNCのほうが正確なインピーダンス適合を保証していてデジタルでの音が良いというのに似ているかもしれません。
実際にKS-1で他社USBケーブルと聴き比べてみましたが、より高価なそのケーブルと比べてもより音の透明感が高く、特に低域にあいまいさが少なく明瞭でしっかりと聞こえるように思いました。切れが良くて正確という感じでしょうか。
私が良いと思ったのはPCオーディオでは売るマーケットが違うのだから、いままでのオーディオでのやり方ではなく、別の作り方があるという視点に立ったところですね。
オーディオ不況とは言いますが、オーディオが売れないというよりもむしろ買うユーザーのニーズと作り手の提供するものにずれが出つつあるのではないかとも思います。それを修正するためにKS-1での直販からの経験を活かすというのはひとつの解になってるように思えます。
*接点改質剤
もう一つのアクセサリーは接点改質材というもので、これは接点に塗布することで接触を良くして抵抗を下げるというものです。
例えばヘッドフォン端子のような接点では面と面で接触してるように見えますが、顕微鏡レベルで見ると実はバラバラに凹凸が接しているとのこと、そこでこの様な塗布剤を染み込ませることで接触面積を上げると言うわけです。
実際にさっそく持って行ったcolorfyとJH16(piccolino)のミニ端子に塗布してもらいました。塗りすぎないのがコツで、写真のように少し黒くなる程度が良いそうです。
たしかに塗ってもらったあとではより音がリアルに鮮明になりますね。サンプルを貰ったのですけど、なんだかなんにでも塗ってみたくなりました。一本で2000回くらい持つそうです。
*キャリングバック
またKS-1のキャリングバックも用意されています。これは意外とスタジオからの要望があったそうです。KS-1はオーディオだけではなく高品質のAVシステムのスピーカーとしてもよく求められるということですが、音が良くてコンパクトなシステムなので応用範囲は広そうですね。
ちなみにクリプトンのオンラインストアのリンクはこちらです。
http://www.kripton.jp/
Music TO GO!
2011年03月05日
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