Music TO GO!

2011年02月15日

AudirvanaでIntegerモードのサポート開始

昨年の10月頃にCoreAudioの記事を書いたときにMacのミュージックプレーヤーでInteger(整数)モードのサポートの可能性について触れましたが、Audirvanaの最新リリース(0.6.0)でついにIntegerモードがサポートされました。

通常MacのミュージックプレーヤーとDACの間では32bit浮動小数点(virtual format)を介してデータ渡しされますが、これをDACネイティブ(Physical format)の24bit signed Integer(符号付整数型)でダイレクトに行うというものです。Pure Musicの開発者は32bit対応のためと言っていましたが、Audirvanaの開発者はhog(排他)モードをさらに一歩進めるため、と書いています。つまりより短縮経路でドライバー(DAC)にアクセスができるというものです。
なおIntegerモードはDAC側での制約条件があるそうで、現在知られているDAC側でサポートされているのはゴードンさんのStreamlengthコードを使ったUSB DAC・DDC(Wavelength、Ayre、Halide)ということです。ゴードンさんのコードでサポートされているということはドライバーに関してはクラスドライバーでサポートされているということになりそうです。またStreamlength HS(XMOS系)はどうなのかは分かりません。

実際にIntegerモードを使用してみました。MacはMacbook AirでOSは10.6.6です。DACはWavelengthのProtonを使用しています。

audirvana_integer.gif

上記画像では右上の赤丸のところにIntegerモードでの再生が示されています。また下の設定画面の赤丸のところが設定のオフ・オンです。
Integerモードをオフ・オンしながら比較して聴いてみるとたしかにIntegerモードのほうが明らかに鮮明でクリアです。透明感が一段と磨かれた感じです。どうやらミュージックプレーヤーソフトもまた一歩進化したということのようです。

下記はAudirvanaのDebug infoログから抜粋です。little endianはバイトオーダーのことです。
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Audirvana rev. 0.6.0 debug information:

Currently playing in Integer Mode:
Non-mixable linear PCM Interleaved 24bits little endian Signed Integer @44.1kHz

Hog Mode is on
Devices found : 2

List of devices:
Device #0: ID 0x104 Built-in Output UID:Built-in Output
Device #1: ID 0x106 Proton USBDAC UID:Proton USBDAC

Selected device:
ID 0x106 Proton USBDAC UID:Proton USBDAC
4 available sample rates up to 96000.0Hz
44100.0
48000.0
88200.0
96000.0

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Integerモードは標準でオンになっていますが、この変更によってもしかするとDACによってはAudioMidiでのオーディオ設定を24bitに手動調整が必要になるかもしれません。0.6.0に変えて不具合があったときはAudioMidiのビット幅を変更するか、Integerモードを切ってみると良いかもしれません。(0.6.0でかなり大きく中を書き換えたそうです)

ちなみにAudirvanaはCoreAudioのAUを使用していないで直でHALに書き込んでいるのでできるのかもしれませんが、ほかにもまたIntegerモードをサポートしてくれるソフトが増えてくるとまた面白いことになるでしょう。
この前書いたFideliaも音がいいソフトだと思ってたんですが、このAudirvanaの逆襲。いままさにMacのミュージックプレーヤーが熱くて面白いという感じですね。
posted by ささき at 00:04 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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