Music TO GO!

2011年01月15日

オーディオファイル向けミュージックプレーヤー (14) PS Audio - eLyric

McIntosh AP1に続いてオーディオメーカー純正のソフトウエアの紹介です。
PS Audioが最近公開したミュージックライブラリソフトのeLyricです。eLyricは音楽ライブラリの管理機能を中心として、ネットワークサーバー機能、ハイレゾ対応のミュージックストアなどを統合したソフトウエアです。ベータ版が下記でダウンロード可能です。まだすべての機能が実装されているというわけではありません。
http://www.psaudio.com/ps/media_manager/downloads/

こちらPS Audioのロゴが美しいスタートアップスクリーンです。以下Windows7の画面です。

elyric5.gif

立ち上げるとライブラリは空なので、自分のiTunesとかFLACのライブラリを指定してインポートします。

elyric0.gif     elyric1.gif

ライブラリはリストでわかりやすく管理ができます。この辺はiTunesに似ていますね。リストをクリックするとタグ編集をすることができます。まだ実装されていませんが、CDからのリッピング機能もあります。対応フォーマットの種類はわかりませんが、AppleロスレスにもFLACにも対応しています。アートワークの自動取得も可能です。

elyric2.gif

iTunesのようにファイルをリスト上で指定してUSB DACなどで再生することはできませんが、ミュージックサーバー機能でライブラリ内の楽曲ファイルをDLNAネットワーク内で活用できます。これはPS Audioがネットワークブリッジのような機器を販売しているという理由もあると思います。

Music Serverという専用の画面があり、そこではiPhoneの画像があらわれますが、これがPS AudioのtagNplay(uPnP対応のiPhoneアプリ)をエミュレートしているような感じで、"iPhone"画面にDLNAサーバーのライブラリが表示されるようです。

elyric3.gif

サーバー機能は実装されていて使うことができます。eLyricはDLNAネットワーク内ではメディアサーバー(ライブラリ)として機能します。
試しにiPhoneのPlug Playerからアクセスしてみました。

IMG_2174.PNG

上の画像はiPhoneのPlugPlayerのものです。ここではiPhoneのPlugPlayerをuPnP(DLNA)コントローラーとして使っています。eLyricをメディアサーバーとして指定し、eLyric上の楽曲をFoobar2000でレンダラーとして再生しているところです。
eLyricをサーバーとして動作させるには縮小化しておいておけばよいわけです。

メイン画面のボタンは左からライブラリ、インターネットラジオ、ハイレゾ・ミュージックストア、ネットワークサーバーです。
iTunesミュージックストアのような手軽でライブラリと統合されたハイレゾ音源のストアを考えているようですが、まだ実装(開店)されていません。

elyric4.gif

ミュージックストアというとiTunesのITMSですが、これはフォーマットがAACですのでそもそもオーディオ向けではありません。
eLyricではハイレゾ音源を含むミュージックストアを開設してITMSのようにプレーヤー内で簡単に買えるようにして、ライブラリと一体化させるのかもしれません。

こうした点から、eLyricは一言で言うと「オーディオファイルのためのiTunes」ともいえるかもしれません。iTunesは使い勝手はよく総合力は高いのですが、そもそもApple自体がオーディオメーカーではないので、特にオーディオに対応した「かゆいところに手が届く」ものは期待できません。eLyricはFLAC対応も含めてそうした点を抑えていると思います。また、AppleだとネットワークオーディオというときにAirPlayのような「独自プロトコル」を使っているわけですが、eLyricはDLNA(uPnP)対応という点が使いやすいところでしょう。

eLyricはWindows版もMac版もあり、無料です。下記はMac版の画面です。

elyric6.gif

最終版まで無料かどうかはわかりませんが、ホームページのPS Audioのリリースノートでは多くの機能を紹介した後に「それで、、これ無料だって言ったっけ?(and did I mention .. it's free?)」とわざわざ強調しているので無料のままという可能性はあります。これで儲けるというよりは、まずコンピューターオーディオ機器が売れる環境を作るということですね。iPodが売れる下地にiTunesがあったように、です。

PS Audioはもともとネットワークブリッジ製品のためにiOS用のアプリを開発していましたが、こうしてオーディオメーカーもソフトウエアビジネスに参加する時代になるのかもしれません。実際使いやすい環境がなければ機器も売れませんから。
本当のコンピューターオーディオの変革というのはその辺にも影響してくるのではないかとも思います。
posted by ささき at 02:03 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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