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2010年11月24日

Amarraのディザ処理とビット幅の関係について

Amarraついでですが、ちょっと気がついたことを書いておきます。
HQ Playerのところで信号処理のいろいろを書きましたが、Amarraにもこの処理があります。それはビット幅を変えるときのディザ処理です。

ディザ.gif

これはPreferenceのメニューから開いたDither Settingsで行いますが、これは次のような動作をしているようです。(*Amarra mini 2.0によるもので、20bitの設定は省きます)

1. 再生しているデータが24bitのとき
Dither on playbackをONにすると
→ output word lengthの設定にかかわらずディザ処理をして16bitで出力する。
Dither on playbackをOFFにすると
→ output word lengthの設定にかかわらず常に24bitで出力する。

2. 再生しているデータが16bitのとき
Dither on playbackをOFFにすると
→ output word lengthの設定にかかわらず常に16bitで出力する。
Dither on playbackをONにすると
→ output word lengthの設定が24bitのとき、ディザ処理をして24bitで出力する
→ output word lengthの設定が16bitのとき、ディザ処理をして16bitで出力する

これはAudiophilleoのbit幅表示を見て確かめました。Audiophilleoでは送り出しのビット幅(AudioMidiでの設定値)にかかわらず、DDCの中でパケットを直接内蔵のスニッファーで検査して下位8bitが00だと16bitとみなして表示しますので、実際に送出されているデータで確認できます。

上の結果はちょっと変則的にも見えますが、マニュアルにも書いているとおりディザ処理というのはビット幅の変更をするときの補正オプションです。そのため24bitのデータのときにディザ処理をすると16bitに変更されるというのはそうおかしいことではありません。なぜかというとマニュアルにも書いてあるのですが、もともとDither処理は48/16などの16bitのDACなどに出力するときに使うものだからです。

このときに注意するのは、CDからリッピングした44/16のデータを聞いている分にはDitherをオンにしたほうがよく聞こえるのでオンにしたくなりますが、そのまま24bitのハイレゾデータファイルを再生すると16bitで出てしまいます。つまりAudioMidiで24bitを出力に選択していたとしても16bitが詰められた24bitで出ることになります。
ハイレゾデータを24bitのまま出したいときはDither on playbackをオフにしなければなりません。これはAmarra独特のものですが、ハイレゾ再生っていたるところに盲点がありそうです。
posted by ささき at 00:05 | TrackBack(0) | __→ PCオーディオ・ソフト編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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