またMacOSX用のミュージックプレーヤーソフトが出てました。Audirvanaというソフトです。MacOS 10.6対応ということで、ホームページはこちらです。
http://code.google.com/p/audirvana/
ちなみに名前はAudio Nirvanaから来ていると思います。headfiでもニルバーナ(涅槃)ってよく使うんですが、向こうの人はAudio Nirvanaというと「オーディオ天国」という意味だと考える様ですね。
*Audirvanaの特徴
機能としてはデバイスの排他処理をして、自動サンプリングレート切り替えが出来ますし、曲データをメモリー上に展開して再生可能、と一通りMacの高音質プレーヤーの要件は揃っています。
またアップサンプリング可能ですが、アップサンプリングは再生時にリアルタイムにやるのではなく、ディスクから読んでメモリーにロードする前に一括変換するようです。つまり再生する時点ですでに変換されているというわけですね。これは再生時に負荷がかからないと言う点で良いですが、ロードに時間がかかってしまいます。そこで対応予定リストに先読みバックグラウンド変換が予定されています。
対応ファイル形式はFLAC、ALAC(Appleロスレス)、WAV、AIFF、AACなどだいたいカバーしてます。ギャップレスに対応してAppleリモートもサポートしているということです。
Audirvanaの特徴はHALに直接アクセスするというところです。前のCoreAudioの記事のパスをみてもらうとわかるように、たいていのプレーヤーソフトはCoreAudioをAU(AudioUnit)->HAL->デバイスという経路でAUを通過して音声信号を出します。例えばPure MusicなどはAUを通過しているというのは、Pure MusicがAUプラグインに対応しているという点から逆にわかります。
リサンプルもそうですが、AUの役割はアプリケーションから見るとデバイスと同じ意味であるHALの前にバックエンドとして介在してオーディオストリームの操作ができる様にする点にあると思います。ただその用途はAUプラグインの様に主にDTMソフト用にも思えるので、再生専用ならパスしても良いかもしれません。ただ相応のコードを書かないといけないようです。実はAmarraはAUをスルーしてそれをやってるようなのですが、このAudirvanaもそうしたHALダイレクトアクセスをしているのではないかと思います。Win7での排他WASAPIに近いかもしれません。
もう一つの特徴はオープンソース(GPL)ということです。Amarra、Pure Musicは有料だし、AyreWaveも正式版は有料化するようですが、これはおそらく無料のままでしょう。
これは個人が楽しみのために作ったものということですが、対応予定リストを上げて共同開発者を募ってます。
機能予定リストには使い勝手の向上以外に、DAC physical formatの対応というのがありますが、これが他のソフトで言っているintegerモードのことかもしれません。physical formatというのはデバイス(HAL)で扱える整数形式のことで、対してAudioUnitで使われる32bit浮動小数点形式はvirtual formatと言うようです。
*Audirvanaの使用と音質
立ち上げるとCDプレーヤーの形をしたウインドウが現れます。プレイリストに楽曲ファイルをドラッグして再生ボタンを押すことで再生します。日本語表示も問題ありません。
音はすばらしく良くて、他のソフトに比べて透明感があり、深みのある奥行きを感じられます。HALダイレクトの効果でしょうか。スムーズで粗さがなく、楽器や声もリアルです。これはなかなか良いかも、個人的にはかなり気に入りました。もしかしてAmarraより。。
設定パネルはこちらです。アップサンプリングのオンオフやメモリーロードに使う領域サイズなどが設定できます。
メモリーロードするのでスキップさせると曲間はやや開きます。ただアップサンプルは一括変換させるのでさすがに時間がかかりますし、ちょっと不安定です(メモリ2GBのAirだからかもしれません)。はじめはアップサンプリングなしで使うことを薦めます。あとAudiophilleoで176kHzで出そうとすると動作がおかしくなるように思えます。96kHzまでは問題ありません。この辺はオーディオクラス2の実装とからむかもしれません。
しかしこれは今後がかなり楽しみです。
いままでミュージックプレーヤーソフトは数ではWindowsの独壇場でしたが、一気にMacソフトも良いのが増えて来ましたね。質もかなり高いものがそろっています。これからコンピューターオーディオを始める人も、もうやってる人もますます迷ってしまうでしょう。プレーヤーソフトだけ取り上げても一年前の状況とは違いますね。変革期にいると言う実感があります。
Music TO GO!
2010年11月15日
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アップサンプリングも可能なフリー高音質プレーヤー、Audirvana
Excerpt: Music To Goを読んでいて、最近見つけたお気に入りプレーヤーがこのAudirvanaです。Audio nirvanaの略なんだろうと思います。オーディオ天国ってところでしょうか… 非常にシンプ..
Weblog: 超底辺すたぢお
Tracked: 2011-05-06 16:55