ムラタのES103はかなり立派なトランクに格納されて箱から出てきます。
下の写真はSpecial25に乗せたところでES103とSP25のESOTAR^2ツィーターです。(SP25の表皮模様は特殊白樺材によるものです)
設置位置はメーカーの人に聞いてみたんですが、特にシビアにツィーターと設置面などをあわせる必要はないということです。
ケーブルの接続はいくつか選択があります。バイ・ワイヤ対応でアンプ側のスピーカー端子が片側2組以上あるときはアンプから独立したケーブルを取ることが出来ます。それ以外でもすでにスピーカーケーブルが接続されたスピーカー側のポストから分岐させることができます。たいていの試聴会ではそうしています。
うちのパワーアンプのLINN クラウトはさすがに昔日のフラッグシップだけあってスピーカー端子が片側3組もあります。そこで余っているところにつなごうとしたんですが、借りてきたお勧めケーブルの関係で今回はスピーカー側の端子から分岐させることにしました。
またクロスオーバーに関してですが、ES103の場合はたしかなくても良い構造だと思いました。Take-Tはローカットフィルターがあって、新しいタイプではスロープ特性を可変できるようです。
簡単にまとめるとスーパーツィーターというと特殊な機材のようですが、ES103は特に設置に悩むところはなく簡単にポンと置くだけで使えます。単体でもかなり重いのでスピーカーの固定にも役立ちそうです。
音を出して少し経つと「あれ、いつもの音となにかちがう..」と気が付きます。そのままだとよく正体がわからないので、例によってケーブルの抜き差しを行うとたしかに違いがあります。
音像がよりくっきりと明瞭になるという感じです。これは高域のアコースティック楽器で顕著ですが、それと低域の解像度も上がってベースの音もはっきりと聞こえます。また生楽器だけではなくエレクトロニカなんかの低音のビートでも低音が締まってリズムが小気味良く聞こえます。全体の性格や基本的な音調は変わらないのでDACやケーブルの変化ともまた違います。試聴ではおもにジャズやクラシックだけでしたが、自宅でいろんな曲を聴いてみるとジャンルも選びません。
このように周波数帯域によらず全体的に効くようなので、すでにまとまっていて手を加えたくないシステムの能力をそのまま上げたいというときに良いですね。
これを加えることでシステムの性格を変えようという意図には向いてないと思います。基本的にスーパーツィーターという名前から想像するような高域の上を伸ばしたいときに使うものではないと思います。
慣れてくると抜き差ししなくてもスーパーツィーターの効果が分かるようになってきます。
ただしそれが硬質感か異質感のように感じることもあります。これはHeliconで試聴したときも感じました。Take-Tを店頭で試聴したときはここまで感じなかったので、逆に言うとTake-Tより強力といえるのかもしれませんが、うちのESOTAR^2ツィーターの繊細な高域表現とは少し合わない感じもします。また逆にディナウディオのかっちりした性格ゆえかもしれません。この辺はもっとシステムを変えていろいろ聴いてみないとわかりません。
この強調感は写真を画像処理するときにシャープネスをあげるのにアンシャープマスクとかエッジ強調したような感じに近い気もします。コントラストをあげるという感じです。ただ画像処理もやり方しだいで自然にシャープの効果もかけれるので、スーパーツィーターの効果もスピーカーに合わせた調整が出来るほうが望ましいような気がします。
設置位置という点では調整の余地は多少ありますが、単純に振るとステレオイメージが崩れてしまいます。Take-Tのやつのようにクロスオーバーを可変できたり能率を変えられたりと電気的にいろいろ調整できるほうがシステムに適合させやすいような気もします。
さすがにメーカーもだてに無料では貸さないところで、たしかに使うと欲しくなります。効きすぎるときは切れば良いだけですからね。
ただかえって興味が出てきて、もう少しいろいろとTake-Tとかタンノイのようなほかのタイプも聴いて試してみたくなりました。あとはもう返却しますので、返してからどれだけさみしく思うかということでしょう(笑)
たしかに効果は微妙ではあるかもしれませんが、確かにそこにあります。
おそらくスーパーツィーターではなくサブウーファーであればオーディオをやってない一般の人でもはっきり分かる効果があるでしょう。しかしサブウーファーはピュアオーディオというよりはAudio Visual的なアプローチとしてシステムに組み込まれるものだと思います。AVシステムでも音の再現性は必要ですが「作品の表現」はおもに画像によって行われます。たいしてピュアオーディオではその表現が全て音だけによって行われるため、微妙な音の違いがシステムの表現力の差になるわけです。
そうした微妙なニュアンスの違いこそがピュアオーディオという趣味の面白いところではないかと思います。
Music TO GO!
2006年04月19日
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*健康のために試聴のしすぎに注意しましょう
とか注意書きをいれときましょうか(笑)
コメントありがとうございます。
やはり同じような感想のようですね。たしかにプラスだけでなくちょっと考える面もあって、借りてますます迷ってしまったという気もします(笑)