Music TO GO!

2010年09月12日

アコースティックリバイブからHD800用の交換ケーブル登場

先日アコースティクリバイブのツインネックのUSBケーブルを紹介して大きな反響がありました。このケーブルについては電源線別と言うツインネック形式もさることながら、高音質のポイントの一つは一般的なよりつい線ではなく単線を使用した線材です。今度はその同じものがヘッドホンのリケーブル用に登場しました。

hd800aco1.jpg

*ケーブルについて

よくみると分かりますが、これもあのUSBケーブルみたいに実質ケーブルが片側二本ずつ入っているのと同じです。分岐からプラグまで分離されたままのようです。
導体の太さはUSBケーブルと同じですが、シースの肉厚と緩衝材の綿糸の量を減らし、USBケーブルよりも柔らかいPE素材を使用して、ヘッドホンケーブルとしてフレキシブル性を確保しているということです。ただしそれでも一般的なヘッドホンケーブルに比べるとずいぶん硬くて取り回しづらくなっています。それを考えても、よりつい線などに比べると音質的には単線は有利ということなのでしょうね。Moon Audioあたりに慣れていれば取り回しは大丈夫かもしれません。
線材はPCOCC-Aというものです。PCOCC-Aは単結晶銅素材のPCOCCをアニール(焼き鈍し)したもので、ケーブルとして仕上がった段階の純度は6Nなどの高純度銅素材を上回るということです。メーカーさんによると、現在ケーブルに採用されている素材の中で最も純度が高く、導通特性が高いのがPCOCC-Aと言うことです。
ケーブルの構造は2芯シールド構造となっていて、一般的なノンシールドタイプに比べるとかなりノイズ耐性は高いようです。シールドには銅箔を採用して最外周はカーボンSFチューブ(カーボンを糸の製造限界まで練り込んだもの)ということです。

またケーブルだけではなくプラグもかなり凝っていて、ヘッドホンジャックは鉄心を排除し、銀+ロジウムメッキを施した世界初の完全非磁性体構造ということです。
バランス仕様のキャノンプラグは無半田ネジ留め式です。ボディは2017S航空レベルアルミ合金の削り出しです。
驚くのはHD800側のジャックで、これは昔よく使われたレモ端子らしいのですが、アコースティックリバイブでは一から作り直しているとのこと。

hd800aco2.jpg     hd600aco3.jpg

さすがケーブルもプラグもかなり力が入っています。また単にUSBの使い回しということではなく、ヘッドホンケーブル用に考えられています。


*音質

シングルエンドとバランス版があり、Win7(排他WASAPI)からUSB DDCでHeadroom desktop balancedのDACにつないで聴きました。
まず標準のケーブルとシングルエンドケーブルで比較してみます。ケーブルはどちらも十分エージングしています。

まずはじめに一番感じるのは、全体的にHD800にあった薄さとか軽さの感覚がなく、重みや厚みが感じられることです。全体に厚みが増している感じですね。
低域も深みをまして豊かになり、低域性能が上がったのでピラミッドバランス的に良くなったというのもあるけど、標準より自然なバランスのようにも感じられます。
標準に戻すとちょっと気が抜けた感じになりますね。

また細かいところもより洗練されています。落ち着きを見せながらも、凄味があるという感じです。Moon AudioのBlack Dragonに似た感じかもしれません。
きつさは少なくヴォーカルも滑らかで、空間表現もより豊かです。J-popなどきつめの録音にしている物はよりあうと思います。
HD800はハイがきつくて低域が物足らないと思っている人には良い選択ではないかと思います。
ただし初めはこのケーブルもきつめなので、エージングはけっこう必要ですので注意ください。銀コートの標準ケーブルはシャープ感は感じられますが、エージングしてもあまりきつさが取れない気がします。このケーブルはエージングでかなり改善されます。

hd600aco4.jpg

バランスでは空間表現が大きく向上して、三次元的な立体感も増します。より力強さを感じるところもありますね。より前に来る感じです。
制動力も増してよりピタピタと気持ちよく止まり、ドラムスやベースの音の歯切れが良くなります。バランスでの音の向上も分かりやすいですね。

HD800以外にもAKGなどあるそうですので、興味のある方は問い合わせてみてください。
こちら関口機械販売さんのサイトです。
http://www.acoustic-revive.com/japanese/index.html
こちらファイルウエブさんの記事です。
http://www.phileweb.com/news/d-av/201008/27/26667.html
posted by ささき at 23:05 | TrackBack(0) | __→ Senn HD800 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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