Music TO GO!

2010年09月11日

ジョー奥田氏のDSD試聴イベント

今日は「ネイチャー・サウンド・オーケストラを高音質で楽しむ」というイベントに参加してきました。
http://audio-cable.co.jp/hpgen/HPB/entries/134.html
こちらフジヤさんのブログの案内です。
http://avic.livedoor.biz/archives/51517010.html
これはジョー奥田氏の自然音とピアノとサックスのコラボ作品をコルグのMR2000でDSD5.6M再生させてハイエンドヘッドホンで楽しむというイベントです。

最近DSD対応DACとか、DSD配信とか、少しずつDSDの話題も出るようになってきたのでちょっと興味を持って聴いてきました。
DSDというのはSACDのオーディオに採用されているデジタル記録の形式で、CDで採用されているPCMとは違うものです。PCMみたいに変調方式でいうとDSDはPDMということになると思います。変調方式から違うので、両者は別物です。ただし変換はできます。

IMG_1305.jpg     IMG_1304.jpg

DSD再生の一番の課題はシステムでしょうね。
ヘッドホンのソースはMR2000Sですが、ヘッドホンアンプはFostexのHP-A7でデジタル入力はPCMしか受けませんので、デジタル出力はPCMでHP-A7に入れます。また多数のアンプに配らねばならないので、A7のデジタル出力機能を利用してリレーさせてデイジーチェインみたいにカスケードさせて行く方式で多数のアンプに信号を供給させていました。わたしはHD800で聴きました。

IMG_1307.jpg
MR2000SとD7000

お客さんはオーディオマニアというよりも、アーチストのファンの方が多いようで女性も半数くらいでした。
ジョー奥田さんのコメントですが、スタジオの音はもっと良いのに家でCDで聞くと良さが落ちてしまう。ここで心地の良い自然音とアコースティック楽器で、そのスタジオの音の良さを楽しんで欲しいということです。またヘッドホンは意外とスピーカーより良いので楽しんで欲しいとのことでした。

音学は波の音や鳥のさえずりなどバイノーラル録音された自然音にアコースティック楽器のピアノとサックスが美しい旋律を絡めて行くというものです。
音はデジタルのタコ足配線みたいになっているのでどうかなあと思ったんですが、思ったより劣化してない感じですね。HP-A7が単に中継プラグというよりリピーターみたいに働いているからかもしれません。
とてもクリアで立体感のある空間が感じられます。バイノーラル録音も良いのですが、HD800とHP-A7の相性もいいです。HD800とHP-A7の組み合わせは持ってないんですが、試聴で何回か聴いてるので音傾向は把握しているつもりです。それでもなお今回は特に楽器の音がなめらかで自然と感じました。DSDがアナログに近いという主張もなんとなくわかるようです。
今回はPCMに変換してたり、デジタル信号をリレーしてたりと、純粋にDSD(PDM)を聴いたというわけではないんですが、音源の良さと相まってDSDちょっといいかもと思いました。

もともとDSDってSACDというディスクメディアに入ってるのが問題で、こうしてハードディスクからのファイル再生で聴くと真の力を出せるんじゃないかとも思います。スタジオの音がベストと言う視点でもそうなりますね。
ただ本格的にDSDをコンピューターオーディオで再生するシステムを組むにはまだまだハードルがいくつもあります。経路を"DSDパーフェクト"で組めるかという問題です。
プレイヤーソフト->OS->ドライバー>DACという経路を例えばWindows7で考えた場合、まず一般的なメディアプレイヤーではDSDをサポートしてないので再生ができません。(DSDと言ってもいくつかファイル形式があるようです)
またOS(core audio)部分では排他WASAPIでないとPCM以外を通せません。ですので、プレイヤーがDSDを仮に読めたとしても、それが排他WASAPIをサポートしている必要があります。共有モードではミキサーであるAudio engineを通りますが、Audio engineはPCMしか処理できないからです。またマルチメディア・スケジューラであるMMCSSもPCMのオーディオストリームのみに対応してたと思います。
ドライバーは未知数ですが、特にクラスドライバーはどうなんでしょうか。もちろん最終的にDACがDSD対応であることが必要です。まあDSD対応DACなら当然ドライバーも対応しているのをつけるでしょう。
なかなか先は長いと言えますが、面白そうな分野となるかもしれませんね。

(ちなみに現状聞く方法はこちらのページとかPC Audiofan2に記載されています)
posted by ささき at 22:46 | TrackBack(0) | __→ DSD関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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