うちのブログのアクセスログを確認してみるとちょっと面白いのは、ずいぶん前に書いたPS AudioのDigital Link IIIの記事がいまだにコンスタントにヒットしていることです。実際にDigital Link IIIはかなり売れていてロングセラー的な商品になっているようです。価格も当初より下がっていて、10万を切るくらいになっているようですね。この性能でこの価格ではたしかに良いでしょう。
うちではDigital Link IIIはCDプレーヤーのIKEMIから同軸デジタルでSPDIF入力して、アナログ出力はバランスでSTAXのドライバーにつないでいます。ただコンピューターオーディオに取り組み始めてからはちょっと使っていませんでした。そこで多少古くなったこのDigital Link IIIをHalide Bridgeを使ってPCからバランスヘッドホンで使うシステムに組み込んでみました。
システムはWin7(Foobar2k)->(USB)Halide Bridge(同軸SPDIF)->Digital Link III->バランスアナログ出力(Kimber KCAG)->Headroom Desktopバランスアンプという感じです。Digital Link IIIの電源ケーブルは今回は力感のあるHeadroomにあわせてハイエンドホースAC3.5を使ってみました。
ちょっと復習するとDigital Link IIIの良さというのはまず脚色された分かりやすく良い音ということです。DACはニュートラルフラットな音が多いのですが、PS Audioの場合は暖かみを意図的に重視しています。また、基本性能も高く解像力とか広がり感でもBenchmark DAC1に負けずよいということです。安いのに良質なバランス出力を取り出せるというのもポイントです。全体にコストパフォーマンスが高いですね。
詳しくは下記の前の記事をご覧ください。このころでコストパフォーマンスがいいと書いていたので、安くなった今はさらに手ごろ感が高いでしょう。
http://vaiopocket.seesaa.net/category/2072352-1.html
Headroomにつけてみるとさすがに良質なバランス出力を持っているだけあって、音の広がり感が良いですし、ギターなどアコースティック楽器の音色もよく、ノリがよくジャズなんかのスイング感もよく出ています。ウッドベースなどの低域もDLIIIの強みのひとつで、豊かでかつしっかりした制動力を感じます。また、やや強めの個性の厚手のサウンドでロックのかっこよさもひきたちます。アナログ性能が高いと感じるのは、ディスクリートのIV変換とか強力な電源もきいているでしょう。
標準のUSBとBridgeの同軸で比べると、標準のUSBもWin7/FoobarのWASAPI排他モードで出すとわりと悪くありませんが、Bridge経由だと音が豊かになり、空気感というか倍音豊かに聞こえ、細やかさも増します。特にバランス出力のよさも分かりやすくなります。標準のUSBより一ランクあがったように思えます。
ただここまではいいんですが、DLIIIのUSBは48/16までなのでBridgeで96/24ハイレゾ再生も試してみようと思ったんですが、ちょっと試せません。これはDLIIIは独自のアップサンプリング機能があり、前面スイッチで96か192にアップサンプリングしますがオン・オフができません。これはPS Audioに直接聴いてみたのですが、そういう仕様のようで、入力信号がなんであれ、前面スイッチ位置の96/24か192/24にアップサンプリングされてしまうということです。
これは44/16前提のCDプレーヤーからのデジタル入力では気になりませんが、PCから出すときに96/24で出しても96/24に再度リサンプルされるということでなんとなくすっきりとしませんね。
それを考えると、88/24とか96/24などハイレゾ音源をかけたり本格的にコンピューターオーディオにも取り組みたい場合はちょっと向いていません。
オーディオ入門用と考えた場合にDLIIIはCDプレーヤーに初めて付ける単体DACとして、分かりやすい性能向上がありコストパフォーマンスの高さは優れています。PS AudioもPerfectWaveでハイエンドへ志向したのも良いですが、DLIIIのような安くてコストパフォーマンスの良いものの後継も考えてほしいものです。
Music TO GO!
2010年09月07日
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