Music TO GO!

2010年08月22日

タッドガーフィンケルと角田さんのイベントレポート

土曜日は前に紹介した角田さんとタッド・ガーフィンケルさんのイベントで相模原原のノジマサウンドスクエアに行ってきました。

MAは好きなレーベルの一つなので前から聴いてたんですが、タッドさんとは今回始めて会いました。
良録音で知られるだけに学究肌の硬い人かと思ってたんですが、いきなりTシャツ一枚のラフな格好で現れて、しかも流暢な日本語でちょっとびっくり。行きも一緒だったんですが、とにかくよく笑う明るくて面白い人で日本に20年近く住んでたそうですけど、日本語はほとんど完璧に近いですね。
話していて、コンピューターオーディオにはずいぶん前向きでハイレゾにも前向きに取り組んでます。
実際にリゾリューションが16bitの時代でSACDもないころから96kのハイサンプリングで録音してたそうです。とにかくリアルに録音したいという意気込みがその辺からも感じられます。時代がやっと追いついてきたという言葉がまさに当てはまりますね。

もちろんCDでも素晴らしい音が聴けますので、試聴会はCDとコンピューター音源を両方取り揃えて行いました。
試聴会は大入りで急遽二部を設けたくらいです。

コンピューター音源はMacbookにAmarraで再生し、楽曲ファイルはNASに入れて無線LAN内蔵ハブでつなぎ、iPadからリモートで操作するというシステムです。
それに以前書いたNorthstarのUSB32をUSB DACとして例の二股アコリバUSBケーブルでつなぎます。

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CDはPS AudioのPerfectWave TransportとDACを使いました。
プリとパワーはLuxmanでC10001とM800A、スピーカーはフォーカルのスカラユートピアです。

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タッドさんはバズーカ砲と間違えられるマイクを登山用パックに詰め、世界を回っているそうで、一度は本当に空港で止められたこともあるそうです。

マイクとミュージシャンの配置とかその工夫は普通は録音エンジニアの秘密だそうですけど、タッドさんは快く教えてくれたそうです。
それは二本の無志向性マイクの周りをミュージシャンが囲むというもので、電源はほとんどバッテリーで取るとのこと。
こうするとミュージシャンが配置によっては他のミュージシャンの音が聞こえなくなったりするので、モニター用にヘッドホンをかぶせて聞かせるそうです。
(この辺は後で個人的に聴いたことですけど)モニターはSTAXを使うということで、細かい音を拾えるからですか、と聞いたらそれもあるけど、音のバランスが良いからだそうです。本来クローズの方が良いけれども、クローズのダイナミック型では低域がちょっと強すぎたりして良くないということでした。Headfiのことも知っていて、Ray SamuelsとかWoo audioもいいと言ってました。

レコーディングの音の純度にこだわるのでマイクとレコーダーは可能な限り近接させて近くに配置するので、スタンドからはもう1mくらいのところにレコーダーを置くとのこと。そこからモニター用にラインを伸ばすということで、レコーディング中は機材には触らないそうです。
また、レコーディングしたら後はあまりいじらないそうです。
鮮烈な録音、と私たちが感じるCDには録音する方も工夫とこだわりがあるというこということですね。

ただクラシックの人はマイクを囲んで録音するという方式ではやりたくないという人も多いと言うことで、反面でジャズとかワールドミュージックの人はそういうイレギュラーなことを進んでやるそうです。この辺は面白いことです。
ピアノの中にピンポン玉を入れて取ったり、けっこう遊び心から面白い音楽になったりもする例も試聴させてくれました。
タッドさんは試聴で音楽がなっているときはしきりに拍子をとったり頭を降ったりとノってましたが、録音エンジニアもミュージシャンの一人なんだとちょっと思いました。

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CD販売も好調だったようです。
試聴にも使われて良かったと思った一枚はプエンテ・セレステというブエノスアイレスのジャズバンドの「nama」というアルバムですが、これは日本語の「生」という漢字を当てています。文字通り生々しい演奏で、特にパーカッションの音がすごいと感じました。試聴ではハイレゾ版のコンピューター音源ですがCDも良かったです。ラテン系のコンテンポラリージャズという感じですね。

また上の写真にも手前上のほうに写っていますが、ハイレゾのコンピューター用データがDVDでキングインターナショナルさんから提供されています。
https://kinginternational.jp/cgi-local/s01/shop/shp02040.pl?sc_prod_id=M-052AHR
https://kinginternational.jp/cgi-local/s01/shop/shp02040.pl?sc_prod_id=M-062AHR
https://kinginternational.jp/cgi-local/s01/shop/shp02040.pl?sc_prod_id=M-081AHR
PCオーディオファン2の付録などに感動された方はぜひチェックしてください。
posted by ささき at 23:19 | TrackBack(0) | ○ オーディオショウ・試聴会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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